J1ゲーム分析「第5節:サンフレッチェ広島vsガンバ大阪」
今回はゲーム分析シリーズをお届けいたします。対象ゲームはサンフレッチェ広島vsガンバ大阪のゲームになります。
サンフレッチェ広島の新ホームスタジアム「エディオンピースウイング広島」に行き観戦してきました。広島駅から徒歩だと30分くらいですがのんびりと散歩をしてスタジアムに向かいました。
新スタジアムは通路が広々しており、非常にゆったりと観戦できるような作りになっていて素晴らしかったです。私の後ろにはアカデミーの選手たちが観戦に来ておりおそらくこのピッチに立ちたいという夢を抱いたのではないかなあと感じながら見ていました。
前置きが長くなりましたが、ゲーム分析の方に移ります。
広島、ガンバともに無敗をキープしながらの今節。ガンバは第1節のゲームはT V観戦をしましたが、まだまだ開幕戦ということもありいろいろなものが整理されていないという印象でした。
実際に現在首位に立つ町田にあわや敗北というような状況でしたが、宇佐美選手のFKで同点に追いつき勝ち点1をもぎ取りました。そこから、無敗をキープ。調子の良さがうかがえます。
一方の広島も一時首位に立つなど好調をキープ。どのようなゲームになるのか楽しみにしておりました。
では恒例のウォーミングアップを見ていきましょう。
まずはガンバのポゼッションです。4vs4+2Sで攻撃方向有りのポゼッション。黄色のゼッケンを着ている選手がサーバーです。
そして縦が短い長方形のグリッドを使用。サーバーから中の選手たちがタイミングよくボールを受けていたり、縦パスを常に窺いながらプレーをしていたのが印象的でした。そして、このポゼッションの後には、
5vs5のポゼッションに変更マンツーマンの中で連動した守備やマークをされながらもテンポ良くボールを動かす形に変化していました。
前回観戦した金沢もこのようにポゼッションを2種類行っていたので、2種類が今はトレンドなのかなあと思いながら見ていました。
次に広島のポゼッションです。
4vs4+2Fの形のメニューでした縦長のグリッドではありますが、特に攻撃方向は定められておらず、空いているスペースにボールを動かしていくというイメージでした。密集→スペースを目的としているような印象でした。そして、こちらもその後・・・
5vs5に変更していました。私も自分のチームで取り入れようかなと思っています。
このようなウォーミングアップを経て試合がスタートします。
最初の立ち位置・ポジションはこのような形です。広島は安定の3−2−4−1。そしてガンバは4−2−3−1となります。
噛み合わせとしては広島のビルドアップ時に3バックに対して3トップがマッチアップすること。ただし、中盤の枚数は当然広島が上回ることになるのでどのようにこの数的不利をガンバが対応するか?
そして、ガンバの攻撃時に3トップが幅ととった場合に広島はウイングバックを落とすのか?それともスペースができてしまったとしても3バックで対応するのか?などなど噛み合わせから見えてくるものをイメージしながらゲームを見ていきました。
広島はガンバのビルドアップに対して最初は5バック気味に対応していましたが、途中からほぼマンツーマン気味に対応を変更。特にガンバの両ウイングの2人は非常にスピードテクニックが高く自由を与えてしまうと突破されていくシーンがゲーム開始時よく見られていたため、広島もすぐに対応して簡単にボールを入れさせないようにしていました。
これによりほとんどガンバは意図的にボールを動かすことはできなくなりました。トップ下の山田康太選手が縦横無尽に動き回りチャンスを作っていましたが基本的には広島の固い守備の前に苦しんでいたという印象です。
ガンバの印象的なシーンはこの図では青2番の半田選手がインサイドにポジションを変えてC Bからウイングの選手へのパスラインを作りウイングを基点としてチェンジサイドから11番の突破や、5番のオーバーラップからチャンスを作り出していました。これは再現性のある攻撃でした。
一方の広島は、中盤の数的優位を生かしてポゼッションを安定させたいところでしたがガンバの前線の守備が機能しておりなかなかスムーズに中盤の選手たちに前向きでボールを渡すことができませんでした。ここはガンバの連動した守備が非常に効果的でした。
広島の意図的なシーンとしては上記のような形です。ウイングバックに空いてS Bが食いつきできた背後のスペースをシャドーの紫11番の選手が斜めにランニングをして空いてD Fラインを下げて起点を作り、密集を作り出し、逆サイドのスペースへ展開。
左サイド東選手の質の高いクロスボールからチャンスを作り出すという相手に応じた意図的な展開を作っていました。密集→スペースはまさにウォーミングアップ通りでしたのでつながりがあるなと感じていました。
互いに体をはった強固な守備を見せていたので得点は共にカウンターでした。拮抗したゲームを動かすのはやはり小さなミスを逃さないしたたかさだと感じました。
それぞれのチームが勝ち点を積み重ねている勝負強さみたいなものを感じたゲームでした。
やはりスタジアムには発見があります。今後もできるだけ現地で観戦できるようにしていきたいと思います。
引き続き、Jリーグ分析を今後もお楽しみください!!
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