FY25、イタンジの組織体制を再編成した経緯と理由
みなさん、おつかれさまです、永嶋です。
このCEO noteの趣旨は第0回をお読みください。
さて、いよいよFY25がスタートしました。
今回は、FY24からFY25にかけて行った組織変更の意図について改めてお伝えしたいと思います。この内容についてはITANDI全社会議でも発表しましたが、最近イタンジに加わった新しいメンバーもいますし、既にお話を聞いたメンバーにも再度理解を深めていただきたいと思い、記事として残します。
まず、FY24における事業的な変化を振り返ります。
大きな変化として、「ITANDI管理クラウド」事業の拡大に向けた取り組みと、ハウスマートのグループJOINがありました。この2つの出来事が組織に大きな影響を与えました。
これまでイタンジは、主に、賃貸領域を守備範囲とする不動産会社様に対して、賃貸管理/賃貸仲介業務に関連するSaaSを提供してきました。多数の不動産会社様から導入を希望をいただいたこと、そして多くの不動産会社様で利用いただくことによるネットワーク効果で業界改革を進めるため、様々な規模感の企業様に対し、効率良く仕組み化されたオンボーディングを進めてきました。
賃貸業務を一括管理する基幹システム「ITANDI管理クラウド」は、プロジェクト化して導入を進める必要があり、従来のプロダクトと比較すると導入に時間がかかります。そして、ハウスマートは不動産売買領域の業務に貢献するSaaSを提供しています。そのため、新たに販売方法と顧客が異なる事業が共存することになりました。
基幹システムと売買領域。この2つによって、私たちが掲げる「不動産のインフラになる」に向け大きく前進しました。
これまでのイタンジは、営業とカスタマーサポート部門のみを事業部として分けて運営していましたが、異なる売り方や顧客ターゲットを持つ新しい事業が加わったことで、より効率的な推進体制が必要となりました。そのため、今回の組織変更では、賃貸仲介支援、賃貸募集支援、賃貸管理支援、施工支援、売買支援の5つを軸とした、完全な事業部制への移行を決断しました。
この新体制の狙いは、各事業部ごとの一体感を高め、責任範囲を明確にし、迅速な意思決定を可能にすることです。すでに各事業部のミーティングなどで活発な議論が行われているかもしれませんが、今回の変更によって、各事業部が自ら戦略や施策をリーダーシップを持って推進する場を提供できたと感じています。
しかし、新体制の副作用として、複数の事業が並列し進行するようになったことで、各事業の進捗を的確に把握し、数字をより細やかに管理し、経営資源やリソース配分の最適化が求められるようになりました。そのための施策として、経営企画部門の増員や営業企画部門の新設を行いました。これにより、自社の現状を正確に把握し、異なる事業間での共通の事業推進体制を整えることができたと考えていますこうした大きな過渡期のさなかでは、メンバーによってはやりづらさや窮屈さなど、負担を感じることもあるかもしれません。
ただ、これは企業の成長の証であり、必要な変化です。
私は、これまでにいくつかのベンチャー企業でこうした成長のステップを踏む姿を間近で見てきましたが、その経験から確信していることがあります。それは、この段階の変革を乗り越えることができた企業こそが、次のステージへ進むための持続可能な基盤を築けるということです。どの企業も成長の過程で、必ず「組織の壁」に直面します。規模が大きくなるにつれ、システムやルールを整備しなければならず、それに伴う摩擦や不安が生じるのは自然なことです。しかし、ここを乗り越えられるかどうかが、企業の命運を分ける大きな分岐点だと思っています。
多くの企業が、この規模に達する前に成長の限界にぶつかり、停滞してしまうのが現実です。特に、企業が急成長しているときは、従来のやり方では通用しなくなる局面が増えてきます。そのため、組織体制やプロセスを再構築し、新たな体制で前に進む必要があります。こうした変化に対応することは決して簡単ではありません。時には痛みを伴い、これまでの慣れ親しんだ環境から脱却する勇気が求められます。
しかし、このフェーズでの変化を経験できること自体が、皆さんにとって非常に貴重な財産になります。なぜなら、こうした大きな組織の変革にリアルタイムで関わり、自分の力でその一部を担う経験は、後々のキャリアにおいても大きなアドバンテージとなるからです。こうした変化の渦中に身を置くことで、皆さん自身の視野も広がり、問題解決能力やリーダーシップが自然と養われていきます。このプロセスを通じて、個人としてもチームとしても一段上のレベルに引き上げられることは間違いありません。
ぜひ、この変化を楽しんで、積極的にその変化の担い手として関わり、その経験を皆さんの財産にしてください。
「不動産のインフラになる」ことを実現し、自分たちの手で産業改革を実現するため、これからも変化を楽しんでやっていきましょう!