見出し画像

空飛ぶタイヤ

久しぶりに池井戸作品。
といっても、だいぶ前に読んだし、WOWOWドラマも見たし。

運送会社社長の赤松さんが苦難を乗り越えていくストーリーで主に描かれてますが、品質保証のドン、狩野常務視点で読んでみたらどうなんだろう?が今回のテーマ。
If I were Kanou.

当事者でない立場からこの本(というか事件)を見ると、自動車会社のほうが悪者だよね、とさすがに思うけど、自分が狩野常務の立場であったら、それを認められるのか?
2兆円規模の売り上げ、数万人にもおよぶ社員および取引先を抱える企業の取締役で、これはリコールであると宣言する責任者(最高責任者は社長だけど)だったとき、それを認めることができるのか?
グロビでもあったなぁ

認める: 会社つぶれる
認めない: 多分すぐにはつぶれないけど数万人のかん口令は無理なので、そのうち漏れて、もっとひどい目にあいかねない

一度やってると、うそをうそで上書きしてかないといけなくなり、段々やっぱ嘘でした、って言えなくなる。 → 最初から正直なのがなんだかんだいって
多くの選択肢の中では最上位に入るベターな選択。

こうしたケースに置かれたとき、という思考トレーニングは大切だけど、その前にこうしたケースにおかれるようなことがない(市場トラブルなし、あってもルールに従って火が小さいうちに消す)ようにするのが大切、くらいか。

グロビでLEVとった方、この本のホープ自動車、品質保証に自分がいたら?と思いながら読むとかなりいい思考トレーニングになると思います。

なお、赤松社長サイドにたって読んだ場合は、いかにも池井戸って感じのいわゆるスカッとするタイプの物語で、この視点で読むのもおすすめです。


Amazonでこの商品を推薦したいと思います

空飛ぶタイヤ 上下合本版 (講談社文庫)
株式会社 講談社による
詳細はこちら: https://www.amazon.co.jp/dp/B06X9CMYRY/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_3Y5C9ZV53YE8W3FR77MB

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?