『排骨麺理論』コロ助
(ここより引用)
この章より安土桃山時代にて活躍した俳人 コロ助氏が発表した「排骨麺理論」を活用した詩を紹介する。前述したが改めて紹介すると「排骨麺理論」とは、詩の途中で排骨麺を入れると大体が良くなるのではないだろうか?という考えから端を発した理論である。この理論を発表した際は、世間を騒然とさせたが、騒然とさせただけである。というのが、公式の見解である。しかしながら、誰も見抜きもしなかった理論に少しだけかじっちゃおうかな〜?というメンタリティで遊んだ歌人も少なくなかったという。そんな奇妙奇天烈な理論を実践した詩を紹介していこう。
・初の詩
寒明けに
雪解け水を汲みに行く
清き水を使うは
排骨麺
―詠み人 コロ助
・春の区
公魚に 見向きもせずに食べる 排骨麺
―稲垣パー子
山笑う ネズミ取らずに 排骨麺
―排骨次男
桃の花 見とれて尚 排骨麺
―排骨女
こだわらず 排骨と 麺を別に食べたら いいのではなかろうか
―尾崎排骨
夜もすがら 語る言葉は 朧月
そえて語るそばには 排骨麺
―パコメン青眼
・中の句
青く燃ゆ 若草ごときの 深緑と
熱く滾ゆく 排骨麺
―詠み人 コロ助
・夏の句
金魚鉢 なみなみそそぐは 排骨麺
―深見パコ二
排骨麺 夕立の如く 注がれる
―平排骨いとゞ
麺の先まで 玉虫如く 七光り
―中村排子
排骨麺 別にして 白米合わせて食べてはいかんのか
麺と白米で 楽しむこといかんせん
―尾崎排骨
七夕の 願いかなわん 夏空に
排骨たべても 麺はかなわず
―成田排骨
・下の句
風となりゆく送り火に
排骨かさねて 麺は何処に
―詠み人 コロ助
・秋の句
秋めく 排骨 もたりもたりかな
―高野パコヲ
夕空に 排骨香る 帰り道
土星輝く 秋深し
―寺排骨司
別にして 食べることなかれと 言われつつ
合わせてたべても よくわからん
―尾崎排骨
冬近し 籠もりに食貯め 排骨麺
―食排骨坊
・終わりの句
寒さ 冷たし 悴む手先
温めゆくおわりに 排骨麺
―詠み人 コロ助
・冬の句
新嘗祭 振舞料理に 排骨麺
―排骨春一
排骨麺 どてら着て作る 母の背中
―排骨子規
冬に食べる ラーメンという 括りがなくとも
美味しさ理解す 排骨麺
―尾崎排骨
新しき 年のはじめにおもふこと
排骨と麺 ひとつにつとめて行かな
―斎藤排骨
(ここまで引用)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?