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「自分本位」になることの効用

「selfish セルフィッシュ」トマス・J・レナード、バイロン・ローソン共著 秦卓民監修 祥伝社の本紹介です。

帯には
自分本位   それは
自己中心ではない。無理をしない。
未来に期待しない。ゆとりを持つ。
つまり、自分に対して自然に生きる。
それがいちばん利他になる。
人生を豊かにする28の戦略
とあります。

元々原題は「THE PORTABLE COACH」であり、監修の秦さんが和訳を出すにあたり、この本の第一章の「selfish セルフィッシュ」を切り出して題としました。内容を読むとそうした理由がよくわかります。

著者は、セルフィッシュの本来の辞書で見る意味は、「自分のことだけを考える傾向が顕著であること。他人を犠牲にしてでも、自分にとっての快や利益を優先すること」であり、ネガティブな意味を持つ言葉であるが、「他人を犠牲にしてでも」のくだりはいっさい忘れていいと言います。

セルフィッシュのという言葉に、「自己中心的」だとか「無神経」だとかいうイメージがついてまわりがちなのは確かだ。だが、これらの言葉は同義語ではない。全く違うものだ。
自己中心的とは、自分のことしか考えておらず、世界は自分中心に回っていると思うことだ。無神経とは、心配りが欠けており、やはり他人のことを全く考えていないことをいう。
思いっきりセルフィッシュになりながらも、自己中心的にも無神経にもならずにいることは、実際には可能である。(33P引用終了)

それでは、著者の言う「思いっきりセルフィッシュになる」とはどうすることをいうのでしょうか?

自分の望みを自覚して、きちんと口に出すこと
自分がどんな人間で、何を求めているかを明確に伝えると、それを聞いた相手は安心する。自分の中に揺るがない軸を持っていて、自分の望みや期待を自分で分かっている人に、周りの人は惹きつけられる。自分が欲しいものを自分ではっきり言える人は魅力的なのだ。そしてその分、欲しいものが手にはいる確率もぐっと上がる。
(中略)自分がどんな人間で、何を考えているのか、一つ一つ言葉にしよう。(29P引用終了)

自分がnoteに書いていることが、まさにそれかもしれません。

セルフィッシュになることで他人を気にかけるゆとりが生まれる。
「優しさのコップ」というものがあるとしよう。
まずは自分のコップを満たすことに専念するのだ。
そうすればいっぱいに満ち溢れた分が自分の余裕になって、気前よく他の人に分け与えることができる。(32P引用終了)

本当はやってみたいけどできていないことを7つやってみる。(35P)
ノーと言いたければノーと言う。(37P)
他の人のことは気にしすぎず、必要だと思う行動をする(39P)
皆がお互いの出方を窺うのではなく、自分はこうしたいとそれぞれ明確に言えていたら、きっとそれで済んだはずのことも多いのではないか。(40P)

要は自分がどういう人間か、何をしたいのかを明確にし、
そのまま、周囲に言葉にして伝える。
結果、自分の本当に持つ価値観とやることが一致して、
自分自身は充実してストレスもなく
そんな姿に周囲は惹かれて、人間関係もよくなり、
自身がやりたいことを応援してくれるので、成功に導かれる。
ということです。

アドラー心理学でいう「課題の分離」にも通じるところがありますし、
昨日参加した、リーダーシップ・アクションプログラムのコアコンセプトである「真のリーダーとして、確固たる軸を身につける」にも通じるように感じました。