サッカーチームFC刈谷という、熱
こんばんは。
板近 代です。
本日はサッカーチーム「FC刈谷」について語らせていただきたいと思い、筆を執りました。
はじめにお断りさせていただきますと、私はまだFC刈谷についてあまり知りません。
試合を見た回数も、そう多くありません。
そんな“今だからこその気持ち”を言葉にしたい。
感情そのままの記事になるかと思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。
2021年、一木立一選手とともに
私はFC刈谷を「身近な人が応援しているチーム」として知りました。
そんな私がFC刈谷を強く意識したのは、私の大好きなサッカーチームであるザスパクサツ群馬に在籍していた一木立一選手の期限付き移籍。
現地での応援は少ししかできませんでしたが、一木選手の戦う姿は今も目に焼き付いております。
翌年、一木選手は沖縄SVに移籍し九州リーグ得点王、MVP、ベストイレブンに輝く大活躍。沖縄SVはJFL昇格をかけて戦う、全国地域サッカーチャンピオンズリーグ2022(以下、地域CL2022)へと進むことになりました。
そして、地域CL2022出場チームの中にはFC刈谷の名もあったのです。
2022年11月11日、敷島
地域CL2022。
一木選手の応援に行きたい。
私は、先程話に出させてもらった「身近な人」とともにスタジアムに行くことを決めました。
地域CL2022の一次ラウンドが開始される11月11日。
私達がいたのは「アースケア敷島サッカー・ラグビー場」。初日は、FC刈谷の試合を見ることにしたのです。
正直にお話するならば、私は“2022年のFC刈谷”のことをほとんど知りませんでした。つまりは、サポーターとしてではなくサッカーファンとして芝生席へ向かったのです。
始まった試合は、激闘。
走り続ける、走り続ける、走り続ける戦い。
じっとしていられなくなった私は立ち上がり……
「こじま! こじま!」
と、サポーターのみなさんの声に合わせ、手をたたきながらFC刈谷のキーパーの名を口にしていました。
全員で力を合わせた守備。それでも抜けてきたボールを、体を張って止める背番号21。その姿に、私はじっとしていられなかったんだと思います。
試合は、1-1の引き分け。
不思議なことに、私はこの試合を振り返ると「ああ、たしか引き分けだった」と、改めて結果を思い出すのです。
結果を思い出すのに時間がかかるほど、熱い記憶。それが2022年11月11日に行われた試合でした。
そしてFC刈谷のゴールキーパー「兒島拓哉」という名は、忘れられぬ名となったのです。
沖縄SV 対 FC刈谷
FC刈谷は地域CL2022一次ラウンドを突破。一木選手のいる沖縄SVも一次ラウンドを突破。
現地で応援した両チームが決勝ラウンドに進んだことが、本当に嬉しかった覚えがあります。
同時に心がとても苦しくなりました。
一次ラウンドでは、グループの違うFC刈谷と沖縄SVの試合はありません。
でも決勝ラウンドでは…………。
私は、どうしたらいいかわかりませんでした。
この直接対決を、私はどんな思いで見たら良いのだろうか。どれだけ悩んでも、どれだけ考えても答えは見つかりませんでした。
でも、一つだけわかっていたことがありました。
その日私は、熊谷にいるということ。
2022年11月27日熊谷スポーツ文化公園陸上競技場、10:45キックオフの試合をこの目で見ているだろうと。
当日現地――――。
心がバラバラになりそうでした。胸が張り裂けそうというのは、こういう時に使う言葉なのだと思いました。
あの試合を一言で表すならば「言葉にできません」という言葉にならぬ言葉であると思います。
一木選手が得点を決めていなければ、最後まで耐えられなかったかもしれません。一木選手のゴールがあったから、私は泣かずに、逃げずに試合終了のホイッスルを聞くことができたのだと思います。
私は、この試合を最後まで見ることができた自分を誇りに思います。サッカーとはなんと素晴らしいものか、サッカーとはなんと熱いものか。
両チームの選手が向かい合う姿を思い出すと、今でも涙が出そうになるのです。
4点とられても諦めなかった、心が折れなかった、戦い抜いた、FC刈谷。
昇格を目指すチーム同士の戦いの中、昇格へと辿り着いた沖縄SV。
スタジアムには、たくさんのヒーローがいました。
応援鳴り響く
敷島で試合を見てから、時々……いえ、わりと頻繁に頭に鳴り響くものがあります。
FC刈谷の応援。
熱い。そして暖かい。
FC刈谷サポーターのみなさんの応援が何度も何度も思い出され
「ああ、またあの応援を聞きたい」
「ああ、あの応援に混ざりたい」
そんな気持ちになるのです。
試合後の車内……
後日一人歩いた夜の道……
様々な場所でFC刈谷の応援が聞こえる気がしました。
私はFC刈谷だけでなく、その応援のファンにもなっていたのです。
それは、サッカーに勇気をもらって生きている人間にとってとても幸せなことでした。
ある日届いた黄色いユニフォーム
地域CL2022からしばらくしたある日、私の家にある荷物が届きます。
差出人は、三河ベイフットボールクラブ(株)。
中身はサイン入りの黄色いユニフォーム。
背番号は21、児島拓哉選手の「実使用」ユニフォームでした。
敷島の帰り、兒島選手がかっこよかったと話す私を見て、ともに観戦した人がクラウドファンディングでこっそり申し込んでおいてくれた……サプライズ。
選手が実際に使用していたユニフォームを手にとるのは、生まれて初めてのこと。
手が震えました。心も震えました。
唐突な話で恐縮ですが、私は小説を書いております。過酷であると言わざるをえない世界を描くことも珍しくありません。
そんな中で、キャラクターたちとともに「ネガティブをぶっとばす」ためには勇気が必要です。そして私はサッカーから、たくさんの勇気をもらっています。
兒島選手の実使用ユニフォームは、サッカーの勇気そのもの。これから、たくさんの力をいただくと思います。
ユニフォームサプライズからまたしばらくして、兒島選手の契約更新が発表されました。今年もFC刈谷の兒島選手が見れること、本当に嬉しいです。
雪の日
ある、雪の日。私は助手席にてツイッターを開きます。
そこで見たのはFC刈谷に所属する鈴木直人選手のツイート。寒い夜のガソリンスタンドにて、鈴木選手と2023年新加入の福田凌生選手が働いているとのこと。
そのツイートはとても前向きな雰囲気にあふれており、仕事を大切にされていることが伝わってきました。
ガソリンを入れに現地に向かった我々。突然話しかけたにも関わらず、笑顔で迎えてくれました。
後にTwitterにて、お礼の言葉までいただきとても嬉しかったです。丁寧に給油してくれた姿、かっこよかったです。
この経験に関して、私の素直な感想を言わせていただくと……「ただ純粋に、応援に行けたことが嬉しい」です。
これは決して、私自身を良い人に見せたいから言っているわけではなく。
この冬、これまでで一番寒い日に熱い選手たちに会えた。
そんな経験、サッカー好きとして素敵すぎませんか。
一生思い出せる、一生の思い出。そんな尊い存在がまた一つ、鈴木選手と福田選手のお陰で積み上がったのです。
嗚呼、サッカーのある人生
またいつか、応援したいチームと応援したいチームの試合を経験することがあるかもしれません。好きな選手と好きな選手の対決を目にする日もあるのかもしれません。
これからサッカーを通してどんな経験をするのか……どんな思いをするのか。それは、わからないことです。
でも、絶対に変えたくない思いがあります。
この選手が好きだ。
このチームが好きだ。
私は、好きだから応援しているということを絶対に変えたくないと思います。そして、絶対に変わりたくないと思うのです。
FC刈谷、好きです。
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