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文句言う人、知らない説

若い頃、偉そうに色んなことに文句言ってた気がします。

例えば、提出したデザインに修正が入ったりすると、「こんなに考えて作ったのにこの人は理解してくれていない!」とか「ここを修正すると全体が崩れる!」とか。

しかし根本的に、クライアントがやりたい営業フローや思い描いた青写真とズレているなんてことも。経験が浅いとありがちな落とし穴です。

でも今は修正を入れられると「ラッキ~!」と思えます。なぜなら、そこを直せば終わるという意味だからです。全体に関わる修正が入ったとしても、若いときより作業が格段に早いので「あ~なるほどね。そっちね!お安い御用ですよ~」とサクサクっと直して提出しちゃいます。わざとツッコミどころを作ってデコイにする高等テクニックも(笑)


話は変わりますが、プロダクションに所属していた昔、僕が作ったIllustratorのデータに対して師匠がよく言っていた文句の一つとして「ウザいからオブジェクトをいちいちグループ化すんな!!」というのがありました。

その後独立して数年間個人プレイを経て、ひょんな事から会社に所属し、Illustratorのデータをコーダーに渡した時にもまったく同じことを言われたのです。「グループがグループになって更にグループに、、、こんなんじゃ作業できないですよ…」と苛ついた雰囲気で言ってきました。

僕は、グループを多用し、レイヤーを一切使わなくても高速でデザインできるので、最初何を言っているのか意味がわからず、よくよく話を聞いてみると、どうもそのコーダーはIllustratorをあまり使えないようでした。思い返すと、プロダクション時代の師匠もIllustrator(というかパソコン全般)苦手だったなぁ、、。

Illustratorには選択ツール(黒い矢印)とダイレクト選択ツール(白い矢印)がありますが、ダイレクト選択ツールのオプションでグループ選択というのがあります。他のツールを選択している時だと、“command(Mac)”“Ctrl(Win)”を押すと、選択ツールもしくは※ダイレクト選択ツールに切り替える事ができます。※直近に選択していた選択ツールが優先されます。

ダイレクト選択ツール時に“option(Mac)かAlt(Win)”を押すと、グループ選択ツールに変わります。

このグループ選択ツールで複数回クリックすると、グループを小さい単位から順に大きいカテゴリのグループを選択できます。別のグループに属するグループも選択できます。(更に細かいテクニックとして、選択したいオブジェクトグループを個別に“command+3(Mac)”“trl+3(Win)”で隠して、“command+option+3(Mac)”“Ctrl+Alt+3(Win)”によって解除することで、それまで隠してきたすべてのオブジェクトが同時に選択されますので視覚的に間違えることなく選択できます。)

師匠とコーダー、どちらもIllustratorの機能を知らないことによって僕に文句を言っていたのです。誰かとのコミュニケーションで話が食い違う時の多くは、このように認識や知識の差が原因だと思っています。(その後、そのコーダーと話し合い、XDでやりとりする事になりました。)

ある時、逆に僕がコーダーに苛つき、不満をもっている事がありました。俗に言う「よしなに問題」です。

よしなに問題とは、デザイナーが提出したデータが、実装時の挙動やコーディングのルールに支障が出るデザインやデータだった時に「よしなにやってくれる人」と「指定されていない事はしない(できない)」という人が居て、「それはデザイナーの仕事だ!」とか「コーダーのほうでやっといてや。」などと揉めたりする状態。(フレームのボックスに小数点が含まれる等は論外ですが…)

出来るコーダーの方は、「このデザインだとSP(スマホ)時に難しいのでこうしておきました~」とか「渡された画像データが大きかったけどリサイズしておきました」という感じで「よしなに」やってくれます。

そうなると、出来るデザイナーというのは、なるべくそういった齟齬が出ないようにデータを作る人ということになります。ウェブデザインを始めた頃は知識が少なかったのもあり、迷惑をかけたと思います。その後この経験をもとに自分でもコーディング出来るように勉強しました。

さてこうなると困るのはどちらでしょうか。

文句を言ってしまった時や、何かに不満に思った時は成長のチャンス。自分の知識が足りてない可能性を捨てず、相手のせいにせず、その問題を自分で解決できるように勉強し、「よしなにやってくれる人」になる方が、自分にとってもいいことですし、相手も傷つけず、出し抜くこともできるという結果に結びつくはずです。

この「よしなに問題」、デザイナー単体で見たときもクライアントやディレクターとの間でよくあります。クライアントに知識が無かったり、ディレクターが深く考えてなかったり。

しかし、文章が無くても、写真がなくても、情報がなくても、ダミーを活用してデザインを作ることは可能です。そこで文句を言うデザイナーより「よしなにやってくれるデザイナー」のほうが重宝されます。

よしなに力が高い人。そんな人になりたいですね。

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