憲法記念日に思ったこと
プーチンのロシアを見れば、立憲体制を強化することはあっても緩めてはならないことは、誰が見ても明らかだ。 ところが日本で改憲を主張する人々の求めるところはその正反対だ。 余りにも愚かで情けない。
憲法の99条は公務員の憲法尊重擁護義務を定めたものだが、これを真っ向踏み躙ったのが安倍晋三だ。 憲法53条は議院の総議員の四分の一以上の要求があれば、内閣が国会を召集する義務を定めている。 ところが安倍晋三はこの要件が整ったにも関わらず三ヶ月も国会召集を怠った。
こんな暴挙を繰り返させないために、内閣から召集集定権を奪うのは良いかもしれない。 そもそも立法府の長にそんな権限があるのがおかしい。 だから国会召集は国会議長の権限とし、内閣は関与できないことにする。 解散権もなくていい。解散は不信任成立あるいは信任不成立の対抗手段としてのみ認める。
日本国憲法は帝国憲法の反省から内閣に権限を集中している。 そのせいで戦後の日本国は内閣と官僚の仕事が増大し、極端な行政肥大国家になっている。 それならば対抗して国会が更なる強権を持つべきだろう。 そもそも国会こそが国権の最高機関なのだから。
日本国憲法では予算は内閣が作成し、国会が承認することになっている。そのため多くの国会議員が国会の予算修正権が無いか弱いと思い込んでいる。 そこで憲法60条、73条5、86条、87条、88条の「予算」を「予算案」に改正することで、国会に全面的な予算修正権を持たせてはどうか?財務省支配に腹を立てている人が多いと思うが、これなら財務省の力は完全に吹っ飛ぶぞ。
憲法の改正というのは、このように権力者による権力の濫用や怠慢を防止し、権力者が国民の利益のためにのみ働かざるを得なくなる方向にのみ認めるものなのだ。 自民憲法案など論外である。 元々改憲を主張していた小林節先生が自民党に愛想を尽かしたのは当然なのだ。
権力者が自国をを守らなかったことは歴史上普通にあった。 権力者だから正しいということはない。むしろ権力者が権力を濫用して国を滅ぼすことの方を心配すべきなのだ。実際、この30年政府の間違った経済政策によって日本の国民経済は停滞し、日本国民の生活は向上していないのだ。
だから憲法によって権力者に厳しく制約を課し、国民の生命財産を守り、経済を発展させ、福祉を充実することに専念させなければならない。政治についてのこのような原則を立憲主義という。
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