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イタリアで働く。長期休暇はみんなのために

たまに言われる「長期休暇があっていいね」について考えてみました。

現在、私はイタリアの建築設計事務所で正社員として働いています。
就業時間は月曜日から金曜日の9時から18時まで、お昼休みは1時間です。

就業時間は日本と変わらないかも知れませんが、大きな違いとして、イタリアには長期休暇をとる習慣があります。
私の職場では年2回、8月は3週間、年末年始は2週間の計5週間の休みがとれます。

前職はブラックなデザイン事務所で、ここではアルバイトのような立場でした。固定給なので残業しても土日出勤してもお給料は同じ。
就業時間は9時から19時半まで。なんとお昼休みが2時間半もあるのですが、実際は働いていました。
しかし、こんなブラック企業でも長期休暇はしっかりとあり、夏に3週間と年末年始に1週間とれました。

みんなが楽しみにしている長期休暇、そのために働いているといっても過言ではないほど。休暇前は区切りをつけたいので、熱心に残業することも。仕事にメリハリがつくので悪くはないです。
休暇中は旅行したり、放置していた家の手入れをしたり、思いっきりプライベートを楽しみます。ある意味、理想的な働き方、バランスのとれたライフワークではないでしょうか。

一方で、こんなに長期間の休暇をとると仕事は滞ります
2~3週間の休みを従業員が交代でとるので、実質1ヶ月以上もまともにプロジェクトは進みません。
私の住む町でも個人商店は軒並み休むので、夏はコーヒーが飲めるカフェテリアを探してあちこち彷徨います。

でも、それでいいのではないでしょうか?

休暇を思う存分とって、自分の働きやすさを享受するなら、仕事が滞ったり、不便になることも受け入れたい。
それは、他の人の働きやすさも受け入れることだから。

便利すぎる毎日の裏に、働き過ぎて苦しんでいる人がいたとしたら、それこそ悲しいです。
多少の不便も楽しめるような、余裕のある仕事をしていける世界になるのが私の願いです。


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