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新しいシステムを作る時の最初にやること

ITサポーターTsuchidaの土田です。

個人事業でシステムの運用支援を行っていると、前任者が作ったMS-Access(以降Access)を修正する機会が多いです。Excelでは複数の人が同時に開けなかったり、データ量に限界があったりして、MS-OfficeのProfessionalがインストールされているPCでは、開発環境もいらずにデータベースが作れるので、Accessを使って作っていることが多いのです。ただPC単体で使うとはいえ、Accessはデータベースソフトなので、Excelの延長で作っていると、使い勝手の悪いデータベースになってしまいます。前任者が作ったAccessは無理な作り方をしています。これってAccessを作った人がデータベースソフトなのに表計算ソフトと誤解しているからだと思います。

最近では、アマゾンのAWSやグーグルのGCPやマイクロソフトのAzureでクラウドでシステム構築ができるようになってきました。クラウド以前の頃のシステム構築をするときの最大の問題は、WEBサーバ・DBサーバ・APサーバをそれぞれ構築しなければいけないのです。サーバ構築って意外とめんどくさくて、設定を間違えるとシステム開発が進みません。サーバ構築が面倒だったから、ある程度の規模以上のITベンダでなければシステム開発ができなかったのです。クラウドでシステム開発ができるようになると、小さな会社がシステム開発ができるチャンスにもなりますし、若くて才能のあるプログラマがシステムを作ることが可能になります。以前に比べるとシステム作りのハードルが低くなりました。

では誰でもシステム開発ができるようになったからといっても、システムを作るとなるとプログラミングができて、データベースを知っていて、アカウント管理の知識は必要です。対話型で指定するだけでシステムが出来上がることはないのです。

私の経験からすると、システムで最初に作るものは、データ入力画面と入力の項目を保存するデータベースのテーブル作成です。実はシステム作りで一番手間がかかるのがデータ入力画面を作ることで、この画面をいい加減に作るとデータ入力がしづらくなり、使いにくいといわれるのです。

システムを開発したことがない人がいきなりシステムを作ろうとすると、だいたいデータ入力画面で挫折します。データ入力画面の処理って、初期画面処理(画面クリアとデータベース接続確認)→データ入力中の各項目チェック→データの整合性チェック→データベース登録→次データ入力(画面クリア)なのです。

データ入力画面をプログラミングする際に、入力項目が多ければ多いほどコードが長くなります。しかも入力で間違った操作をすることを想定して、確認メッセージの表示・エラー処理など細かいことを気にしなければいけないので案外厄介なのです。私も正直データ入力画面作りが得意ではないのですが、データ入力はシステムの入り口なのでこの画面なしではその後のシステムが作れないのです。データ入力画面を使いやすさによって、エンドユーザからの評価は変わります。

データ入力画面ができるとデータ修正画面も作ることができます。データ入力画面は何もデータが表示されていない画面に入力するのに対して、データ更新画面はデータが表示されている画面で修正するもので、項目チェックとデータベース登録は共通です。データ修正に関しては、いかに修正データを見つけやすくるとかがポイントで、データ検索からデータ修正画面が呼び出せると使いやすくなります。

システム作りを経験していると、システムを作るときのポイントって体に染みついているのですが、これをノウハウとして紹介するのは難しいのです。システム作りとはトライアンドエラーで身に着けるものなので、失敗を恐れずに挑戦することです。どんなシステムでもデータの入力は必ず必要なので、データ入力画面作りが入り口ということを今回は紹介しました。

システムって大規模なものをいきなり作るとなかなかうまくいかないので、自分の身近なものから作ってみるのをお勧めします。個人的にクレーム受付あたりが一番簡単にシステム化できるものなので、Excelでクレーム入力している人は、Accessを使ってもいいですし、クラウドを使ってもいいので、システムを自分なりに作ってみるのもいいかもしれません。


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