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マーケティングは手段と目的を間違えてはいけない

ITサポーターTsuchidaの土田です。ちょっと今までとは違った記事を書いてみます。

私は個人事業を始めるまでは営業という仕事をしていなかったので、実はマーケティングという分野とは直接あまり関係ありませんでした。直接関係がなくても間接的にはいろいろ知る機会はありました。

私が最初にマーケティングを知ることになったのは、ちょうどWindows95の発売前後でした。Windows95が発売前って、日本のPCではMS-DOSというOSが一般的でした。MS-DOSで黒いコマンド画面にコマンドを入力して、アプリを起動してたり、ファイル操作をするものでした。今のPCからは考えられないくらい不便でした。MS-DOSにWindows3.1をインストールすることで疑似的にGUI環境を作ることができたのです。Windows3.1はWindowsはOSではなくOperating Environmentだったのです。一方当時はAPPLE社からMACも発売され日本でも漢字TALKというGUI OSが存在しました。

ちなみにMS-DOSはマイクロソフトが作ったOSですが、このOSで一番売れていたアプリがLotus1-2-3で、その発売元のLotusが最もアプリの売上が高い会社でした。一方MAC OSで一番売れていたアプリがExcelで、発売元のMicrosoftが最もアプリの売上が高い会社だったのです。Microsoftは自社のOSではアプリの売上でトップになれずに、他社のOSでアプリの売上がトップというねじれが生じていたのです。そこでMicrosoftはWindowsに力を注ぎ、Windows95を発売してExcelが快適に動作するGUIのOSを提供したのです。当時言われていたのは表計算ソフトを制覇した会社がアプリの主導権を握ると言われたのです。

Windows95発売当初は表計算ソフトは、MicrosoftのExcel、Lotusの1-2-3/Win、BolandのQuattroProの3つのソフトが群雄割拠していたのです。ExcelはGUIに適した使いやすさを、1-2-3/WinはMS DOSとの互換性を、QuattroProは高機能をそれぞれ売りにしていました。Excelの標準機能の多くの機能は実はQuattroProで最初に開発されたのです。Excelでは複数ワークシートのブックといいますが、QuattroProではノートといって最初に対応しました。マウス右クリックのコンテキストメニューやタブ付きダイアログもQuattroProが最初に開発した機能です。ただし表計算ソフトに限らず、PCのアプリは高機能や使いやすさよりも、マーケティング戦略が重要だといわれてたのです。高機能であっても、シェアが取れなければマーケットから消える運命なのです。マーケティングで圧倒的にExcelが勝ってしまったので、1-2-3/Win・QuattroProがどんな新機能を盛り込んでも太刀打ちができなくなったのです。

ワープロに関しても同じことが言えて、Excelの普及とともに、ExcelとWordをOfficeという形にすることで、Excelの普及とともにWordが普及していったのです。Windows95発売直後は、海外ではWord・AmiPro・WordPerfect、日本ではWordと一太郎の争いでした。Excelは競合アプリに特に劣っていたわけではなかったのですが、Wordに関しては他のアプリに比べると劣っている箇所が目立ったのです。個人的に文書に取り込んだ写真やイラストなどのグラフィックスを回転することができなくて非常に不満でした。グラフィックスの回転ができるようになったのって、Word2000くらいとかなり遅かった記憶があります。私はワープロの途中に線を引いたりしないので、罫線は割りきることにしたので、Wordは他の人よりは使えたのですが、それでも細かい部分で不可解な動作に不満はありました。

ExcelにしてもWordにしても20年以上使われているので、ビジネスにおいてはスタンダードのアプリになったのですが、マーケティング戦略が勝ち残った理由だと思っています。

もう一つマーケティングの本質を知ったのは、東京の最後に仕事をしていた会社の社長の言葉でした。その社長は、新入社員や未経験者が最初にやってはいけない仕事がマーケティングと言っていたのです。何故かというとその会社の業務や取扱商品のことを理解しないで、マーケティングテクニックを使うと間違った方向に行ってしまうというのです。マーケティングをやるには自社の業務や商品を知ったうえでやるべきだ聞いて、私はそのように理解したのです。

その社長の言葉が頭の片隅にある中で、自分が起業したときにマーケティングの講師の話を聞いてみると、フレームワークを作成させて、そのフレームワーク通りに事業を行ってくださいというだけなのです。私が、「職種や取扱う商品やサービスでマーケティングって違うんじゃないですか」と聞いても「マーケティングはすべてのもので共通です」と言い切るのです。この回答を聞いてマーケティングを教えている人って信用できないと感じたのです。

ステルスマーケティングや口コミなどもマーケティングのテクニックなのですが、モラルがなければヤラセだし詐欺にもなりえます。究極のマーケティングのエキスパートは詐欺師だと思っています。だからこそマーケティングの専門家にはモラルと業種に特化した目利きのスキルが求められます。マーケティングの専門家でいいものを見極める力があれば、物やサービスに対する信頼感がでてきます。逆にお金のためにはどんなことも厭わないというのであれば、モラルが低く信頼感が無くなります。

私の認識ではマーケティングの目的は、自分の存在や商品やサービスをいかに多くの人に知ってもらうかということです。商品やサービスを知ってもらった上で、購入するかどうかは顧客側が決めることです。ところがマーケティングの専門家の決まり文句は、売上アップとか販路拡大ばかりで、どんな商品やサービスでも同じことをいうのです。売上が上がるというキャッチコピーは行き過ぎると顧客を洗脳させて、最悪顧客をだますことになります。

ここ十数年の間WEBマーケティングに多くの人が参入し、アクセス解析やSEO対策などで商売をしています。私はWEBマーケティングにはほとんど価値がないと考えている人間です。なぜならGoogleの検索エンジンのアルゴリズムはGoogleの社外秘なので、SEO対策を商売にしているGoogle以外の人はあてずっぽでやっているようなものです。

WEBマーケティングは何が正解かはわからないので、アクセス解析やSEO対策に過剰に期待するのはやめましょう。

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