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GPTs利用の際の注意点(その1)
OpenAI社がChatGPTに実装した「MyGPTs」の機能についてお話しします。
この機能により、私たちは独自のGPTを作成し、さらにはGPT Storeを通じて販売することができるようになります。
これは、技術に興味関心を持つ方々だけでなく、収益化を目指す方々にも大きな関心を集めています。
インターネット上では、既に多くのカスタマイズされたGPTがシェアされているとのことです。
MyGPTsは大変便利な機能なのですが、同時に注意が必要な点もあります。本記事では、MyGPTsの概要とともに、その注意点について解説します。
*本noteは、ChatGPT(Plus含む) や DALL・E などの個人向けサービスを利用している方向けのものです。
*本noteは、2023年12月10日時点の情報をもとにしています。
MyGPTsとは
MyGPTsを利用すると、ChatGPTとは異なる独自のGPT、自分だけのGPTを作成することができます。
作成したGPTには、自分で準備したKnowledgeとInstructionsを読み込ませておくことができます。
Knowledgeにはテキストファイルをアップロードでき、InstructionsにはGPTに命令するためのプロンプトを読み込ませておくことができます。
また、作成したGPTはGPT Storeで販売することも可能です。
GPT Storeが開設されれば、自分で作成したGPTを他のユーザーに配布し、収益を得ることができるようになります。
この中でも、本noteと特に関わりが深いのは、「Knowledge」機能と「Instructions」機能ですので、まずこの点についてChatGPTに説明をしてもらいましょう。
MyGPTsの「Knowledge」と「Instructions」機能の活用方法
「Knowledge」機能の特徴と利用方法
MyGPTsの「Knowledge」機能では、テキストファイルをアップロードすることができます。
これにより、GPTに特定の情報や知識を事前に「学習」させることが可能になります。
例えば、あなたが特定の分野の専門家であれば、その分野の詳細な情報を含むテキストファイルをアップロードすることで、GPTはその分野に関する具体的な知識を持った状態で応答できるようになります。
通常のChatGPTでは、ユーザーからの直接の質問に基づいて情報を提供しますが、その知識は一般的な範囲に限られています。
しかし、「Knowledge」機能を使用することで、特定のテーマや分野に関してより深く、専門的な対話が可能になるのです。
「Instructions」機能のメリット
一方、「Instructions」機能では、GPTに命令するためのプロンプトを予め設定しておくことができます。
これにより、GPTは特定のタイプの質問や要求に対して、より効果的で一貫性のある応答を行うことが可能になります。
たとえば、顧客サービスのような特定のシナリオでの応答パターンを設定しておけば、GPTはそのシナリオに特化した対応を自動的に行うことができます。
これに対して、通常のChatGPTでは、あらゆる種類の質問に対して汎用的な応答を行いますが、特定のシナリオや用途に特化した応答を事前に設定することはできません。
そのため、「Instructions」機能を利用することで、特定の目的や要件に合わせたカスタマイズされた応答が可能になるのです。
「Knowledge」機能と「Instructions」機能のまとめ
MyGPTsの「Knowledge」と「Instructions」機能を活用することで、特定の知識やシナリオに特化したGPTの応答を得ることができます。
これにより、ユーザーはより専門的な情報を得ることが可能になり、特定の目的に合わせた効果的な対話が行えるようになるのです。
通常のChatGPTでは得られない、よりカスタマイズされた体験を提供することがMyGPTsの大きな魅力と言えるでしょう。
ChatGPTに説明してもらいましたが、自社のサービスに関するものということもあり、わかりやすいですね。
これを読むと、MyGPTsは、これまでユーザーがやりたいと思っていたけれど、実現できなかったことを可能にしうるものと言えそうです。
注目されているのもうなづける気がします。
MyGPTs利用に際してのリスクにも注意
さて、今回の本題はここからです。
新しい技術には常にリスクが伴います。
MyGPTsにおいても、自分だけのGPTを作成できる喜びや販売による収益性が強調されがちですが、それに伴うリスクには十分な注意が必要です。
気になるのは、MyGPTsで作成されたGPTに入力した内容やアップロードされたファイルが、OpneAIによってどう扱われるのかです。
MyGPTsに適用される利用規約等
この点について、OpenAIの利用規約を見ると次のことがわかります。
*2023年12月10日時点の内容です。
*Google翻訳またはSafariの翻訳を使用しています。
![](https://assets.st-note.com/img/1701907223958-Qwma2WZwWF.jpg?width=1200)
まずは、利用規約を見てみましょう。
個人向けサービス等の使用に適用されるとあるので、MyGPTsの利用にも適用されることになります。
次に、他に適用されるものはあるでしょうか。
![](https://assets.st-note.com/img/1701906144723-e03OV5kkTc.jpg?width=1200)
MyGPTsなどの個別のサービスに適用される規約もあります。
![](https://assets.st-note.com/img/1701906285070-kPEHLR0OWk.jpg?width=1200)
いろいろと書かれていますが、ここにはMyGPTsで作成されたGPTに入力した内容やアップロードされたファイルが、OpneAIによってどう扱われるのかについては、書かれていないように見えます。
そこで、利用規約に戻ってみます。
![](https://assets.st-note.com/img/1701907150296-ipNZR0urz5.jpg?width=1200)
マークした部分は、基本的に、コンテンツ(入力と出力の総称)を学習に使うことを前提にしていると思われます。
ヘルプセンターでオプトアウトできるとあるので、このページを見てみます。
なお、ChatGPTのオプトアウトとは、ユーザーがChatGPTに入力した情報をAIの学習データから除外するようOpenAI社に申請することのことです(GoogleのSearch Labsが作成した回答を使用)。
![](https://assets.st-note.com/img/1701906915882-2Zp49iribS.jpg?width=1200)
ここにはもう少しはっきり書いてありますね。
オプトアウトしない限り、提供したデータはモデル改善、すなわち学習に使うということです。
なお、GPTsに関するよくある質問のページがあったので、そちらも見てみましょう。
![](https://assets.st-note.com/img/1702197536956-WkstOlRElv.jpg?width=1200)
ここでも、モデルのパフォーマンス向上のためにコンテンツを使用すると書いていますね。
なお、文中の「この記事」とは、1つ前に紹介した「モデルのパフォーマンスを向上させるためにデータがどのように使用されるか」のページでした。
MyGPTsのリスク
ここまで利用規約等を見てきましたが、MyGPTsに入力した情報はChatGPTの学習に使用されるということです。
学習に使用されるものの中には、冒頭で便利な機能として紹介した「Knowledge」と「Instructions」にアップロードしたファイルや情報も含まれているはずです。
学習に使用されるということは、アップロードしたファイルや入力した情報が第三者の元に出力される可能性があるということです。
そうだとすると、少なくとも以下のリスクが考えられます。
著作権の侵害のリスク
MyGPTsにアップロードされたデータに著作権で保護された内容が含まれている場合、これらの情報が第三者に無断で利用されることで知的財産権を侵害するリスクがあります。
GPTの作成者がGPTを利用した第三者を通じて著作権侵害をするリスクと、GPTを利用した第三者が著作権を侵害するリスクの両方があり得るでしょう。
機密情報の漏洩のリスク
MyGPTsに機密情報を含むデータをアップロードした場合、その情報が第三者に漏洩する可能性があります。これには、企業秘密や個人情報などが含まれます。
GPTの作成者が入力等をした機密情報がGPTを利用した第三者に漏洩してしまうリスクと、GPTを利用した第三者が入力等をした機密情報がChatGPTによる学習を通じて他のユーザーに漏洩してしまうリスクの両方があり得るでしょう。
法的責任のリスク
GPTを通じて、第三者の著作権侵害となる内容や不適切な情報、誤ったアドバイスが提供された場合、作成者が法的な責任を問われる可能性があります。
したがって、MyGPTsでGPTを作成して第三者に共有する場合には、上記のリスクがあることを踏まえて、どのようなデータを「Knowledge」にアップロードするのか、どのような情報を「Instructions」に盛り込むのかなどを決定する必要があるでしょう。
さらに、作成したGPTの利用者がどうGPTを使うのか、利用者が出力された結果を何に使用するのか、出力結果が誰にどのような影響を及ぼすのかなどについて、想像を巡らせリスクを理解した上で、第三者に提供する必要があるでしょう。
また、第三者が作成したGPTの利用者は、自身の契約プランが個人版(通常のChatGPT)であれば、GPTから出力される情報は安全に利用できるものという保障がなされていないこと、そのため出力された情報を使うかどうかを自己判断する必要があること、GPTに入力等をした情報が学習を通じて第三者に漏洩する可能性があること等を理解した上で、トラブルを生じさせないように利用する必要があるでしょう。
まとめとアドバイス
MyGPTsは非常に魅力的な機能です。
ついつい、便利な点や魅力に意識が行きがちですが、その利用には慎重な対応が必要です。
特に、プライバシー、個人情報、機密情報に関わる情報の扱いや、提供されたデータがどのように使用されるかを理解した上で、適切な判断をすることが重要です。
どういうGPTの設計にするのか、アップロードしたデータを利用者に外部出力されないようにする(プロンプトインジェクション対策)なども必要になるでしょう。
私たちは、技術の進歩を享受する一方で、それに伴う責任もしっかりと果たしていく必要があります。
便利さとリスクのバランスを正しく理解し、賢明な利用を心がけましょう。
その2もよろしければご一読ください。
*この記事は生成AIの支援を受けて作成しました。
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