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DALL-E 3の画像生成と商用利用に関する注意点

はじめに:DALL-E 3による画像生成の進展

OpenAIが提供するChatGPT(DALL-E 3)による画像生成機能が注目を集めています。
この機能は、日本語で伝えたイメージをもとに、画像を生成するものです。
非常に手軽に多くの方が画像生成を楽しむことができるようになりました。
しかも、「商用利用可能」という点がしばしば強調されているように感じられ、多くの方が魅力を感じている様子をうかがうことができます。

しかし、「商用利用可能」というのは、どこまでのことを意味しているのでしょうか。
何も気にしないで利用して問題は生じないのでしょうか。
*本noteは、2023年11月13日時点の情報をもとにしています。

OpenAI利用規約の解釈

OpenAIの利用規約(Google翻訳を使用)を見てみると、以下のように記載されています。

「お客様が本規約を遵守することを条件として、OpenAI は、アウトプットに関するすべての権利、所有権、利益をお客様に譲渡します。これは、本規約に従う場合、販売や出版などの商業目的を含むあらゆる目的でコンテンツを使用できることを意味します。OpenAI は、コンテンツを使用してサービスを提供および維持し、適用される法律を遵守し、当社のポリシーを施行することがあります。あなたは、コンテンツが適用法または本規約に違反していないことを保証することを含め、コンテンツに対して責任を負います。」

これを読むと、OpenAIは利用者に対して、生成されたコンテンツの全ての権利を譲渡する、故に商用利用も可能であるとしています。
確かに、商用利用可能であるとされています。

しかし、その後の文章が重要です。
適用法や利用規約に違反しない範囲での使用が条件となっていることがサラッと記載されています。
これは何を意味しているのでしょうか。

ここを考える上で大切なのは、一体だれとだれの関係のことを言っているのか、という点です。
生成AIには複数の関係者がいます。
サービスを提供するOpenAIのような会社と、その利用者はもちろんですが、学習に使われた素材を作った人がいます。
商用利用するとなると、例えば、利用者から画像を買い取った人も出てくるでしょう。

OpenAIの利用規約は、このうちのだれとだれのことについて取り決めているのでしょうか。
いうまでもなく、OpenAIと利用者とのことについてです。
つまり、OpenAIは、利用者との関係で、著作権を含む全ての権利をあげますよ、法律や利用規約を守ってくれる限り、自由に使っていいですよ、と言っているだけなのです。

ポイントは、学習に使われた素材の著作権者との関係に直接は言及していないという点です。
学習に使われた素材の著作権者との関係については知らないよ、自己責任で使ってね、ということです。
考えれば当然のことで、OpenAIが、第三者である学習に使われた素材の著作権者に代わって使用を許したり、勝手に著作権を譲渡できるはずがありません。
OpenAIの利用規約は、学習に使われた素材の著作権者との関係で、問題ないとは一言も言っていないのです。

第三者の著作権との関係・責任を負う者

では、学習に使われた素材の著作権者との関係はどうなるのでしょうか。

この点について、利用規約では、「あなたは、コンテンツが適用法または本規約に違反していないことを保証することを含め、コンテンツに対して責任を負います。」とされています。

要するに、生成したコンテンツが著作権侵害となったときはあなたが責任を負ってね、だってOpenAIはあなたに適用される法律と利用規約を確認するように言っているんだから、これらに違反する利用をOpen AIは許していないんだから、と言っているわけです。

したがって、もし生成したコンテンツが、第三者の著作権を侵害する場合に責任追及されるのは、画像を生成して利用した者である可能性が高いということです。

Open AIの著作権侵害への対策

だからと言って、Open AIが著作権について何も考慮していないわけではありません。
一定の対策を施しており、例えばとある漫画風のキャラクターを作って下さいと言うプロンプト入力しても、作成できませんと言う答えが返ってきました。
要するに、著作権等の第三者の権利侵害する可能性のあるプロンプトには応じないように設定がされているものと思われます。

DALL-E3が生成した画像は第三者の著作権を侵害しないのか?

では、そのような対策があるならば、生成されたコンテンツが第三者の権利を侵害する可能性は、実際のところはほとんどないと言えるのでしょうか。

残念ながらこの答えもNOです。

実例からの警告

こんな事例を聞いたことがあります。

とある漫画の名前も、その作者の名前もプロンプトで1度も入力していないにもかかわらず、とある漫画のキャラクターそっくりの画像が生成されたと言う事例です。
その画像は、おそらく誰が見てもそのキャラクターだとわかる位の類似性を持っていました。
そのような画像が出力されるということは、ChatGPTがそのキャラクターを学習していることは明らかです。
その意味では、生成された画像は、第三者が著作権を有する画像に依拠していると言えるものでした。
したがって、その画像が著作権を侵害する可能性は高いと思われます。

恐ろしいのは、プロンプトで、とある漫画の名前も、その作者の名前も一切入力していないにもかかわらず、著作権侵害する可能性が高い画像が生成されてしまったということです。

意図せずして第三者の権利を侵害することがあり得ることが実例として示されたということになります。

したがって、ChatGPTが一定の対策をしているからといって、ChatGPTを使って生成された画像は著作権侵害をしていないはずだからと考えることはできません。
不用意に使うと責任を追及されたり、トラブルとなる可能性があるということです。

DALL-E3で生成した画像を商用利用する場合には、あなたが画像を提供したお客様にも迷惑をかける可能性があるので、利用する前に、著作権侵害の有無を調査することが望ましいと言えます。

どうやって著作権侵害をしていないことを確認するか

実際に、著作権侵害の有無を確認するのは容易ではないと思います。
以下で述べる方法は、現時点で私が思いついたものというだけであって、これらの方法で調べれば大丈夫といえるものではありません。
が、何かの参考になればという趣旨で2つほどご紹介します。

①Microsoft Bingに聞いてみる

1つは、Microsoft Bingに聞いてみるという方法です。
画像のアップロードができるので、生成した画像をアップロードした上で、これと類似する画像があるかを尋ねるというものです。

カンガルーと記載したのはシカと勘違いされるからです。
こんな感じで回答がありました(カンガルーと指定しない方が良かったかもしれません)。
このように表示されるので、類似するものの有無を確認していきます

②Googleレンズで調べてみる

もう1つの方法は、Googleレンズで調べてみるというものです。
スマホのGoogleアプリからスマホ内の特定の画像を選択すると、類似したものが表示されます。

動物を問わず、ムキムキで検索されているようです。

どちらの方法でも、著作権侵害の調査に一定の効果は見込めると思いたいですが、絶対に著作権侵害がないことを確認することまではできないと思いますので、ご注意ください。

まとめ:慎重な商用利用を

このように、ChatGPTのDALL-E3を使って生成された画像は、必ずしも著作権侵害をしていないとはいえず、不用意な利用はトラブルの原因となる可能性があります。
商用利用を考える際には、少なくとも、著作権侵害の有無を自ら調査することを含め、慎重な判断が求められるでしょう。

なお、私がアップした画像は、知り合いが店長を務めるイタリアンのお店のマスコットキャラクターです。
頼まれたわけではありませんが、趣味の範囲内で勝手に提案して没になったものです。
ムキムキのカンガルーをモチーフにしたのは、体脂肪率2%といわれるカンガルーのお肉を食べられるお店だからです。
ご興味ある方はご賞味ください。割引等はありませんが、店長さんに「プチIT弁護士のブログを見ました」と言うと、何かしらの反応があると思います(?)。
https://tabelog.com/aichi/A2301/A230103/23046210/

*この記事は生成AIの支援を受けて作成しました。

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