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Keto (糖質制限)ちゃんぽんカレー対決!

はじめに、長崎で有名なちゃんぽんのカレー風味というのではなく、ごった煮カレーという意味です。そんなんあったら私も食べてみたいけど。

夫が糖質制限の食事に変えて、はや半年あまり。二人とも日本のカレーが好きで、昔は毎週のように食べていた。糖質制限の食事をお試しでやったり、米を減らしたりして、しばらくカレーを食べていなかった。ある日、久しぶりにカレーを作って食べたら、食後に口が脂でコーティングされた感覚が気になってしまった。お鍋に残ったカレーの薄い膜を熱湯で洗い流しているとき「私の口の中にもこれと同じことが起こっているんだ」と思った。でも私の口は熱湯では洗い流せない。どうしたもんか、と思った。

それが理由ではないと思うけれど、さらにしばらく食べる機会がなく、久しぶりに食べると、もうときめきがなくなっていた。ときめきがなくなった方が、ショックだったかもしれない。あんなに好きだったのに。 

ある日、夫が「日本のカレーが食べたいなぁ」と言った。そこで「よっしゃ、糖質制限カレーを作るぞ!おー!」とレシピを探した。

にんにくとしょうがを炒めて香りを出して肉を炒め、バターと小麦粉代用を炒め、カレー粉を混ぜてルーを作る。野菜を炒め、炒めた肉を入れ、チキンスープを入れ、ルーを入れ、「かくし味」のメドレー(ワインにチョコレートにウスターソースなどなど)の後、ちゃんぽんカレーが完成した。念のため1日寝かせてみた。

作ったその日はカレーの味がした。しょうががピリっと効いていた。翌日には、味はまろやかになっていたものの、もはやカレーなんだか何なんだかわからない代物になっていた。

まずくはない。しかし、うまくもない。しょうがの入れすぎか、渋味が口に残る。ワインを入れるときに「このワイン必要?このまま飲んだ方がお互いのためにいいんじゃ?」という迷いがカレーの味に出たような、なんとなく残念な味に仕上がった。

「こんなもん、まずくて食えるか!」ちゃぶ台ばーん!ドンガラガッシャン!そんな夫でなくて、本当によかった。「悪くないよ、悪くない」。そう言ったっきり、もくもくと食べているのはおいしくないという意味だ。そのへん、日本人みたいに気を遣えるよくできたお方だ。私だとそうはいかない。私のカレーは「改善を要する」ものだった。

後日、「日本のカレーのレシピを見つけたよ。今度はぼくが作るね」と。「私のカレーに挑戦状ってこと?」と思いながら、一人で作りたいというので、そっとしておきました。私はやっぱりカレーは白いごはんでいただきました。夫はカリフラワーライスで。

「まずくはないよ、まずくない。カレーの味もちゃんとするね。渋味もないね、というか、まろやかだね。でも甘いね。みその味がする?」何が入っているのか気になってしようがないので、答え合わせをした。カレー粉にだし、みりんとしょうゆとみそ。これまた違うタイプのちゃんぽんカレー!しかし、あろうことか、こっちの方がいつも食べていたカレーに近い味だった。アメリカ人の夫に日本のカレー対決で負けてしまったのだ。あぁぁ。

その後、だしをチキンスープに、みりんは省き、みそを減らしてカレー粉を増やすという改善案を提出して2度目の挑戦。「私が作ろうか?」と言うと「これはぼくのレシピだから」と丁重に断られた。ムッ。そしてちゃんぽんカレーの完成。うむ。普通においしい。みそで食感がまろやかになり、ほんの少しだけ香るけど、悪くない。「できた!」と微笑んだ顔を見て、なぜか映画タンポポを思い出した。

 



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