武田薬品工業(4502) 88点
1. 会社の概況と特徴(300文字以内)
武田薬品工業は、1925年に設立され、1949年に上場した日本最大の製薬会社です。主にがん、中枢神経系、消化器系、希少疾患を中心とした医薬品の開発・販売を行っています。海外事業の比率は89%と高く、近年の巨額買収により世界トップ10に入る規模に成長しました。主な収益は潰瘍性大腸炎薬やADHD薬から得られており、構造改革を進めつつ成長を図っています。株購入においては、世界的な医薬品市場の成長を背景に中長期的なリターンが期待できます。
2. 安定した成長の有無
武田薬品の財務状況は、総資産16兆2,768億円、自己資本比率48.1%と健全です。ROEは2.1%と低いですが、これは近年の買収費用や構造改革費用の影響を受けているためです。株主還元については、安定した配当を維持しており、配当性向も高い水準です。売上は2024年3月期で4兆2,637億円と増収傾向が続いています。
3. 直近の売上高、営業利益
2024年3月期の売上高は4兆2,637億円、営業利益は2,140億円でした。過去数年間は安定した成長を遂げており、将来的にはADHD薬や新興市場での成長が期待されています。時価総額は約6兆8,458億円、総資産は16兆2,768億円に達しています。
4. 現在の株価
武田薬品の時価総額は約6兆8,458億円、総資産は16兆2,768億円、自己資本は7兆7,984億円です。自己資本比率は48.1%と健全な状態を維持しています。現在の株価は約3,852円から4,406円の範囲で推移しており、配当利回りの高さが長期投資家にとって魅力的です。
5. キャッシュフロー、現金
営業キャッシュフローは7,163億円と強固で、投資キャッシュフローは-4,638億円、財務キャッシュフローは-3,544億円です。現金及び現金同等物は4,578億円あり、流動性も十分に確保されています。大規模な研究開発投資を行いながらも、キャッシュフローは安定しています。
6. 配当性向
武田薬品は安定した配当を維持しており、2024年度は94円、2025年度の配当予測は98円です。配当利回りが高く、株主還元の姿勢が強調されています。将来的にも安定した配当が期待され、長期投資家にとっては魅力的な企業です。
7. 採点
業績と財務(20点中16点)
売上は増加していますが、構造改革費用が利益に影響しています。株価の安定性(20点中17点)
株価は安定していますが、業界全体の規制や市場動向の影響を受けやすいです。成長性(20点中18点)
がんや中枢神経系の市場での成長が期待され、特に新興市場での展開に注目が集まっています。業界地位と競争力(20点中19点)
世界トップ10に入る規模と、特定領域での強い競争力を持っています。配当性向と株主還元(20点中18点)
高い配当性向と安定した配当が評価されます。
8. 総合評価(100点満点中88点)
武田薬品は、国内外で強力な競争力を持ち、特に医薬品分野での成長が期待されます。安定した配当と健全な財務状況に支えられ、長期的な投資に適した銘柄と言えますが、構造改革や新薬開発の進捗が今後の成長に影響を与えるポイントです。