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ヒント-001

「どうやって、ああいう舞台(作品)の発想をしているんですか?」
若いダンサーとか、パフォーマンス等にあまり関わりのない友人に、こう聞かれることが結構ある。

その際に、自分はクリエーションの手順を話したりするが、「はぁ...なるほど...」みたいな反応で、伝わりづらい部分がかなりあるようにも感じている。

確かにダンサー/プレーヤー向けの教育は、数多くの種類/機会が日本にはあるような気がするが、それに比べて、振付/演出・構成については、考える機会が少ないのかもしれない。これはあくまでも、石山の肌感覚にしか過ぎないが。
しかも理論というか、「机上」の話ではなく、より具体的なアプローチを知る機会となると、さらに数は減ってしまう感じがするが、どうなのだろう。

アートパフォーマンスや、明確な「物語」がないショウを強靭なものに仕上げるのは、やはり振付/演出のチカラ無しではあり得ないと自分は思っている。

映画に例えると、分かりやすいのではないだろうか。
俳優だけを集めても、映画は完成しないだろう。映画監督(もしくは演出家)という役割の人が必要になるはずだ。そうでなければ、60分や90分の時間の経過に耐えうる「大きな流れ」は組めないと石山は考えている。
そこをうまく仕立てないと、すぐに観客が「寝る」作品になってしまう。

これは自明の理だと思っているのだが、特に「ダンス」や「アートパフォーマンス」いうカテゴリーになると、なぜか急にそこが不明瞭になってくる印象が石山にはある。これは本当に不思議だ。
「俳優」だけを集めれば何とかなる、と思っている人が多いのだろうか。


そういう経緯で、『こういういう風に「流れ」って組み上げることもできるんじゃない?』とか、『こう考えてみると、フレーズのバリエーションって出てくるかもしれないよ?』みたいなヒントを、いろいろ書いていこうと思っている。

タイトルに『振付〜』とあるが、本コラムはダンス・アーティストばかりではなく、ミュージシャンのクリエーションにも通ずるものになるだろう。
後々触れるが、両者とも「時間の経過と格闘」しており、見方を変えれば、深いところで同一の作業をしているとも言えるからだ。

ただ最初に断っておくが、こちらは、きちんとした「理論」に精通している訳では全くない。あくまでも、ポケットから出せるのは、経験に基づく「ヒント」だけだ。

(文責・石山雄三)

次回は6月3日、掲載予定。

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全てのサポートは、次のクリエーションに有効活用されます。 アーティストとしては、これが本当に大きな力となるのです。