【感想】BPL S3 IIDX ファーストステージを終えて リーグ3位チーム GiGOとROUND1

 BPLS3のファーストステージを振り返ります。今回は危険水域にいるGiGOと、戦略に謎が多いROUND1です。
 なお、ファーストステージ終了時点での他チームについても記事を出しています。合わせてどうぞ。


Bリーグ3位 GiGO

  順位こそ3位ですが、まだ勝ちがない上にNUCHIOのコストをほぼ使い切ってしまっており、ややピンチであると言えるでしょう。GiGOはエースのCORIVEがはっきりとSOF-LAN、SCRATCHに強いため決勝トーナメントを戦いやすいチームです。その強みを活かすためにもなんとかレギュラーステージを生き残らねばなりません。

評価点

・自選曲の負けが少ない。(NUCHIOとLOOTが1敗ずつ)
・CORIVEのコストが潤沢に残っている。おそらく大将戦に2度、中堅戦に1度出場するだろう。
・LOOTがNIKE.の自選曲でポイントを奪ったり、CYBERXがRIOOのストラテジーカードを跳ね除けたりと下位指名の選手に印象的な勝利がある。

懸念点

・NUCHIOのコストをほぼ使い切ってしまった。NUCHIOを☆12では起用しない決断をしたこともやや意外である。
・アピナは独走体制、TradzにはKKM*の脅威があると考えると東北をターゲティングしたいところだが、もう東北にストラテジーカードを撃つことはできない
・アピナはTradzとの真っ向勝負を避けるオーダーをすでに発表しており、東北も順位を考えるとvsGiGOは落とせないと考えてもおかしくない。強いオーダーを当てられる公算が大きい。

私感

 今シーズンでチームメンバーを入れ替えない決断をしたチームは2つあり、それがGiGOとレジャーランドです。そして、両チームともに非常に苦しんでいます。BPL全体の平均的な実力が上昇していることは間違いなく、メンバーチェンジをしないことに相対的な地位の低下のリスクがあったことは否定できないでしょう。
 最近X(Twitter)に上がってくるCORIVEのリザルトは恐ろしく、”成長し続ける主人公”の姿を示し続けています。巻き返しを図るには彼の活躍はマストでしょう。”S乱サイボーグ”CYBERXも確かな実力を持っており、チームを救う勝利をもたらすだけの力があると筆者は見ています。

Wリーグ3位 ROUND1

 昨年度の王者ROUND1ですが、ここまではまさかの3位に甘んじています。勝ちを拾いつつも思うようにゲームを進められていないと見るべきか、想定外の負けがあっても2勝を拾えるのが王者の底力であると見るべきかは難しいところ。

評価点

・U*TAKAの強さは相変わらず。VELVETに刺されかけたがそれでも最後に勝つのが王者の風格。
・新メンバーのNAGACHも問題なく試合に適応できているように見える。

懸念点

・コスト消費が激しい。☆12の試合が3試合あるがU*TAKAを使えるのは1度のみ。
・KUREIやI6VVが☆12で2タテを取る展開は考えにくく、そこまでにどうやってリードを取るか頭を悩ませそう。
大将がU*TAKAでない試合はストラテジーカードも怖い。シルク戦とゲーパニ戦で可能性がある。(レジャランはROUND1にカードを使用済み)

私感

 U*TAKAの力で2勝をもぎ取っているものの、他のメンバーが勝ちきれていない印象がぬぐえません。試合後にシリアスな反省会をする様子も放送されており、選手自身もイメージ通りにはゲームを進められていないと考えていそうな雰囲気です。2021シーズンで大暴れしたKUREI選手でしたが、その狂気的な練習量にリーグ全体が追いついてきたような印象もあります。
 大正義であるU*TAKAを☆12では最大1試合しか起用しない決断をしたのも興味深いです。この点についていくつか仮説を提示します。

・仮説① BPLは「先行逃げ切り作戦」のメリットが大きいから
 
リーグ戦は最下位にならないことが最も重要で、後半戦になればなるほど下位チームはターゲティングされる。(強いオーダー、ストラテジーカード等)先に勝利数を増やしておくと他チームのマークを弱くする効果がある。

・仮説② ファーストステージのうちに劣勢のチームを作っておきたかった。
 ファーストステージでゲーパニが遅れを取る展開はまず考えられない。シルクとレジャランを蹴落としておけば、「Wリーグ全体の共通敵」を作ることができる。

・仮説③ ジャンル都合
 U*TAKAが出場した大将戦はTRENDとSCRATCHだった。SCRATCHは実力差が非常に出やすいジャンルで、強者を出せば2タテを取りやすいだろう。TRENDは厳密に言うと譜面ジャンルではないので武器の差し合いになりそうだが、だからこそ圧倒的強者のU*TAKAの出しどころだったかもしれない。
 まだ公開されていないセカンドシーズンの試合にKUREIやI6VVにとって都合の良いジャンルがあるのだろうか。

・仮説④ チームイメージの刷新?
 
あまり考えたくない穿った見方である。すなわち「どうせU*TAKAが☆12で無双して勝つんだろう」という聴衆のやや冷めた視点を裏切りたいと考えていたということはないだろうか。
 ROUND1が勝ち方のバリエーションや試合の評判を気にしている可能性はかなりあると思っている。というのもVELVETにU*TAKAが投げた『いつかオトナになれるといいね。』が勝率を最大化する選曲にはどうしても見えないからだ。有名楽曲で、地力による圧殺ではなく精度で勝利する姿を見せたいと考えたのではないだろうか。

 以上が筆者が思いついたU*TAKAを☆12で多くは起用しない理由です。①~③は戦略上合理性の話ですが、④はチームの見られ方の問題でありやや異質でしょう。強者ゆえの悩みが存在し、時に冷めた目線や誤解に苦しむこともあると思いますが、それでも真っ直ぐに勝利を目指すROUND1を見たいと私は思います。

※以上がすべて筆者の妄想に過ぎない可能性ももちろんあります。念のため。

文責:ユキジ X(Twitter) @isuzumi_BPLFan


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