売女の端っこ

※全てフィクションです。

売女の端っこ

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最近の記事

恥として生きる

恥の多い人生でした。 そう綴った有名な作家のように、私の人生も文字通りそこそこ恥の多い人生であった。 中学から始めた援助交際、高校卒業とともに足を踏み入れた水商売に、風俗。そしてアダルトビデオにまで出演した。 勘違いしないで欲しいのは、それを後悔しているかと言われたら私はしていないし、これから出てくる恥というのは所詮“世間一般でいう恥”、“世間一般では胸を張って言えない人もいるであろう”というだけで私の中ではただの職業としか思っていない。 思えば物心ついた時から人のな

    • この世から去ろうとした話 2

      朝起きると母がリビングで朝食を食べていた。 自殺未遂のことにはなにもいわず、いつものようにおはよう、とパンを齧りながらいうだけだった。 ベランダに出て、タバコを吸う。 都内にはない風の冷たさの中、震えながら空を見上げる。 死ねなかった。何度も頭で考え、実家の5階からまた飛び降りようかと考えたが流石に母親の手前、することはできなかった。 家に入り19の頃無くした兄の遺影に手を合わせ、目を閉じる。 「なんで誰よりも多くの人間に愛されていたお前が死ねて、私が死ねないんだよ」

      • この世から去ろうとした話 1

        12月28日自殺未遂をした。 遺書を書いて、同居人が寝たら死のうと思った。 8階から飛び降り、終わりにしようと。 その日は愛鳥の月命日だった。 酒もとくに飲んでないにも関わらず当日のことはあまり覚えてないが、同居人に遺書を破られて食べられたのは覚えている。 ああ、最期に笑えてよかった。そう思った。 と同時に早く寝ないかなと思った。 私は死にたかったのだ。 唯一感謝を綴った遺書を食べられたので友人と母親にラインで感謝の気持ちを綴ったのを覚えている。不思議と気持ちはすっき

        • 仕方ない

          たかだか売女の思い出話 生まれた時、すでに私には一つ上の兄がいた。 どこの家庭もそうだろう。長男とは嬉しいものだ。 母親、父親、祖父母、親戚すべての愛情が兄と私と差があるのは、不思議と物心ついたときから気づいていた。 まだ6歳にも満たない時、母親に「なんで私だけ扱いがちがうの?なにかいけないことがある?」と泣いたのを覚えている。母親はただ「そんなことで泣かないで」と怒っていた。 七五三のときも叔父に「おまえはなにをきてもブスだな」と言われ泣いた。 当然誰も庇ってはくれず

        恥として生きる

          犬が家族になった話 終

          自然、動物の多大なるエネルギー 迎えてあっという間に時間は過ぎていくもので、私といったらまだ鳥のことが癒えず遺影の前で泣く日々。 無情にも誰に何を言われても傷は癒えるわけでもなく、それでもお散歩に慣れてきた犬や年がら年中部屋の中で飛び回る元気の塊の様なうさぎに起こされる。 動物のパワーと私の精神が反比例し、いっぱいいっぱいになる時だってあった。それでも命を預かっているからと、重たい体を動かして、鳥の遺影にキスをし、朝晩と散歩に出かけ、うさぎの世話をする。 しかしやはり

          犬が家族になった話 終

          犬が家族になった話 3

          むかえると決めた日 最初は二週間のトライアルだった。 しかしこの子は私以外に貰い手どころか問い合わせすらないと聞き、不安から一カ月に伸ばしてもらう事にした。 その間、活字が苦手な私も流石に5冊以上の本を読み漁り、犬に対する距離感の測り方や身体や視線で示す反応、お散歩の仕方、ご飯の作り方まで調べ、そしてこの子はどんな子か、好きな食べ物はなにか、安心する場所があるかをよく観察し、それはまるで子供を育てるかの如くだった。 この子は生まれてから6年間なにがあったかわからないが、

          犬が家族になった話 3

          犬が家族になった話 2

          出会い 事前に友人に紹介してもらった仕事をこなし自宅に帰ると、サークルが届いていた。 翌日にはもうトライアルにくる。 急いで自分の荷物の荷解きをし、きちんとお留守番をしていてくれたうさぎに寂しくさせてごめんね、と謝り、甘やかし、世話をしていてくれた友人にお礼を言い、友人が帰った後一人でサークルを組み立てた。 中型犬用のサークルはおもったより大きい。 こんなにも大きな動物がくるのかと思うとより一層プレッシャーがのしかかる。 うさぎと仲良くできるだろうか、という心配4割

          犬が家族になった話 2

          鳥を殺した

          2021年3月28日から29日にかけて。多分。 鳥を殺した。 死んだではなく、殺した。死に方は想像に任せるが、故意ではなくいわゆる事故だった。自分がネットや本で見て絶対にしないと思っていたことをしてしまった。 死んだ瞬間はわからない。気づいたら息を引き取っていて目を開けてくれなくなってた。綺麗な状態で、まるで寝ているかと思うほどだった。 急いで手に乗せて絶対に開かないとわかっているが目を開けてほしくて沢山名前を呼んだが勿論動き出すこともなく、虚しく泣くしかなかった。

          鳥を殺した

          犬が家族になった話 1

          私の家には現実、私以外の動物が2匹いる。 うさぎと犬。今回はその犬について話そうと思う。 2021年6月某日。うちに犬がきた。 同年3月に愛鳥を自分のミスで亡くしてから立ち直れず、抜け殻みたいになっていた私に友人から「以前から考えていた保護犬、もう一度考えてみたら?」と慰めるように何度も言われ、「ペットのおうち」というサイトを覗いたのがきっかけだった。 (気になる方も多いと思うので、愛鳥の話はまたいつか、気が向いたらしよう。) ペットのおうちというサイトを開くと犬猫だ

          犬が家族になった話 1