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nekokatatsumuri
品川 力 氏宛書簡 その二十七
このハガキは行違ひになるかも知れない。
このあひだ、ひる春陽堂へ行ったが未だきてゐない。
いちど瀬川にさそはれて銀座へ行ったが、雨が降り
さうだったから、奥村はでてゐない。今夜憂鬱を
おかして、行かうと思ったが、また雨でよした。
「横浜消息」はでた。モーデル氏の本は大へんいい。
僕は温かい、淋しい人間を好きだ。厭生家なら大てい
好きだ。本もさういふ本を好きだ。むつかしい本はよみたく
ない。モーデル氏の最終の文字を好きだ。かへつたら、
すぐゐらっしゃい。僕は純粹な人間なのだがなあ。
[消印]14.?.? (大正14年)
[宛先]横浜市太田町1-22
品川ミルクホール方
品川 力 様
[差出人欄]
8-18夜 (■■■■■■■■■■)
菊池 与志夫
(日本近代文学館 蔵)
↑ペンでぐちゃぐちゃと消したあったので
黒い■で表しています。
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