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『兒なき女の歌へる』品川陽子詩抄 (No.14)

兒なきひとの歌へる

花咲くことを知らず
されど匂ほやかに
時來なば
實りゆく無花果よ

この日われ
乳房をいだき
ついに熟れることなく
地に落ちし無花果の
なえしほれゆくをおぼえぬ

          『獨唱』昭和5年3月 獨唱詩社(若杉雄三郎)発行



      『獨唱』昭和5年3月 獨唱詩社発行 日本近代文学館 所蔵


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品川 陽子(明治38年(1905)12月6日―平成4年 (1992) 12月12日)
本名は品川 約百よぶ
新潟県柏崎町納屋町に生まれる
詩人
佐藤春夫に師事
兄に、本郷の古書店「ペリカン書房」の品川力、弟は、版画家の品川工

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