見出し画像

ブランド名とロゴの意味

ISSENKAになるまで

「ISSENKA」の原案は「菓匠一煎」でした。そこからクリエイターの北川さんにロゴの案を用意していたなかにあったものがISSENKAです。

最初の頃は抹茶を扱うということで、和菓子的な感覚に近い構成が良いかなと思っていたので、店名は漢字にしようと思っていました。
しかし、この案をもらったときにローマ字の表記がとても綺麗に見え、文字のバランスにも美しさを感じたのでローマ字でいこうということに転換しました。さらにローマ字にすることで「一煎菓」「一煎花」「一煎華」など、色々と意味も想像してもらえるのではないかということもあります。
ISSENとKAを分けるか、繋ぐかどうかは非常に悩みます。私は最初「いっせん」と「か」という意味で離したほうが良いのではないかと思っていましたが、北川さんはひとつの単語としたほうが新しいものとなって面白いのではないかということでした。
確かにこれから新しい抹茶スイーツのブランドとしてスタートしていくのには、それがぴったりだと思いローマ字のISSENKAを採用しました。
自分のイメージだけで考えるとすごくお堅いものになってしまっていたところを、どういった層の方にどういった方法で伝えていくのかまで考えた上で、一番良い構成を生み出していく発想はとても面白いと感じました。
ロゴとローマ字の線は非常に細いもので描かれています。普通に考えるとやはり店名はしっかりアピールできるように分かりやすく描くものだと思っていました。
今まで見てきた商品もそういったデザインがされているものが当たり前でした。
しかし、テリーヌショコラという商品やブランドの特性も反映するという考えのもと、商品シンプルさ、それゆえの美しさ、エレガントさを伝えるということ。あえて細い線で描くことでブランドとしての美さをもさらに高めてくれるものになっています。
ISSENKAの「I」も書き始めがしずくのようになっていることでお茶のしずくにも見えるようになっており、ロゴマークに波紋にもつながります。
さらに数字の「1」にも見えたり、漢字の「一」にも見えたりと、はじめのしずくがつくだけで色々なものを想像させてくれるようになっています。

ロゴマークの意味

ISSENKAのロゴはお茶を淹れているときの表面の波紋を表しています。お茶を美味しく淹れるためには、最後の一滴まで絞りきることが大事です。最後の一滴は「ゴールデンドロップ」とも呼ばれ、旨味が凝縮されていると言われています。その模様を表すために波紋で表現しています。
一煎目をしっかりと淹れきることによって、二煎目も美味しく飲むことができます。二煎目も最後まで絞りきることで美味しく飲める。このようなお茶を美味しく飲むための方法を、パティシエとしての仕事にも投影している形になります。
商品づくりにおいて一切の妥協なく最後までやりきり、最高のものを提供する。それがきっとお客様にも伝わってくれると信じています。
さらに波紋が重なりあってつながっているのは、ISSENKAのスイーツとお客様のつながり。そしてISSENKAのスイーツを通して新しい形の抹茶の楽しみ方を知っていただきたい。上質な抹茶を飲むということを身近に感じてもらいたい。抹茶を提供していただいている出島園のコンセプトである「人はお茶でつながる。」という考え方、「ひとしずくからの輪の広がり」そういったつながりが花開いて欲しいと願いを込めています。
お茶は禅の世界とも関係があり、その禅のこころを表すものに円相というものがあります
円を組み合わせて形づくることはお茶の心に通じる大事なコンセプトにもなっています。

根底にある想い

洋菓子の一部として抹茶を使うという感覚ではなく、抹茶を最大限に生かすための洋菓子をつくるということを考えて製品を考えるようにしています。
華やかな幾層にも重なってつくりあげられるような洋菓子も美しいと思いますし、素晴らしい技術だとも思います。
しかし、ISSENKAとして伝えたいものはシンプルに抹茶ってこんなに美味しいんだということをスイーツを通して伝えるということにあります。それを感じてもらうために細部までこだわりぬき、妥協は一切なく製品をつくっていきます。
この想いを、ブランド名とロゴに込めました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?