No,246.関係性のややこしさ‥関連性と因果関係が混同してる
世の中なんでもこじつけることができるもんだな~と日常会話でも感じることがあります。
特に問題なのは2つデータを使い、あたかも関係性があるように提示することは罪深いな〜と思っています。
陰謀論もその1つだろう。
農薬と癌の関係
例えば、少し前に問題になった農薬(グリホサート)と癌(甲状腺癌)の関係である。
農薬に関するデータは2000年から2017年のアメリカ合衆国農務省(USDA)
公式サイト: USDA National Agricultural Statistics Service を使用
癌に関するデータは2000年から2017年の米国国立がん研究所(NCI)のSurveillance, Epidemiology, and End Results(SEER)
公式サイト: SEER Program
をもとに折れ線グラフで示してみました。(図1)
図1 農薬使用量(ガロン)と甲状腺癌の発症率(十万人あたり)
確かにこのグラフを見ると関連性がありそうです。
では今度は、携帯電話の利用者数と癌の関係をグラフにしてみます。
携帯電話の利用者数はChatGTP4(国内の通信省・通信委員会/国際連合(UN)/市場調査会社/電気通信事業者の協会や団体)を使用
携帯電話の利用者数と癌の関係
携帯電話の利用者数と癌の関係を図にしてみました。(図2)
図2 携帯電話の利用者数(百万人あたり)と甲状腺癌の発症率(十万人あたり)
グラフに表すと関係があるように見えますが、この図を見てどう思いますか?
携帯電話の普及に伴って、電波が癌を発症させているのだろうか?
関係性は何でも言える
ここで示した図は年代ごとに高くなっているので関係があるように見えます。
実は縦の2軸の数値を変えればいくらでも関係があるように示すことができます(図3)
※フィットネスクラブの業界誌「FITNESS BUSINESS」から2013年~2018年までのデータ
図3 フィットネスクラブ数と癌の発症
つまり、癌との関係性は農薬であろうと携帯電話であろうと、フィットネスクラブの数であろうと、増えている事柄(減っていることも使えます)と合わせばいくらでも騙せます。
単に縦軸の数値(最小値や単位)を変更してグラフが重なるように作っただけですm(__)m。
関連性と因果関係について
以上、グラフで示した関連性を恣意的に相関関係として考えると、相関関係(関連性)と因果関係の違いを理解しているのかが重要です。
相関関係とは、雨が降る日に傘を持っている人が多いですよね。つまり雨降る日と傘を持っている人は互いに関わりあっていることです。
因果関係とは、種を土に植えると、花が咲くのは種を植えたからです。種を植えなければ、花は咲きません。
相関関係の例でいえば、傘を持つから雨が降るわけではありませんよね。
要するに、相関関係は2つの事象(癌と農薬や携帯電話の利用者)が一緒に起きることを示すだけで、因果関係は一つの事象が他の事象を引き起こす関係を指します。
大切なことは【本当に農薬が癌を発症さすのか?】
といった因果関係を示すことです。
すごい労力が必要ですが‥
仮に因果関係が実証されても、全ての人に理解してもらえることも同じくらい難しい問題です。
最後まで読んでいただきありがとうございます(^^♪
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