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No,179.組織が苦手なので組織について勉強(復習)してみました。

はじめに

「組織に属さないで1匹狼で稼いでやる!」かっこいいと思いますが、多くの人は会社などの組織に属している。

組織とは、共通の目標を有し、目標達成のために協働を行う、何らかの手段で統制された複数の人々の行為やコミュニケーションによって構成されるシステム のことである。(出典:Wikipedia)

多くの人が集まるということは、それをまとめる組織システムが必要だろう。

そこで、家にあったこの本をもとに👇勉強(復習)してみました。

1.組織づくりの基礎

組織トップは組織目的を達成できるよう枠組みを作っていくことを組織設計と呼び、具体的には組織で働く従業員の役割分担(分業)し、組織における分業と調整のあり方は組織構造とよばれるため、組織構造を経営者が主体的に設計する仕組みが組織設計となる。

2.分業(役割分担を決める)

分業とは全体としての大きな仕事をいくつかの部分作業に分割して効率よく仕事ができるようにすることである。
製造業など作った製品を販売するには(研究開発、製造、販売)の最低限3つが必要になってくるはずである、そのそれぞれのステップが製造業での基本的役割(この役割を職能と呼ぶ)。
これらそれぞれの基本職能は、さらに細分化することができ、細分化されたうえで各従業員に割り当てられた仕事のことを職務(job)と呼ぶ。

2.1 分業すると作業に慣れてくる

経済学者のアダム・スミスは分業には3つのメリットがあると述べている。
① 各労働者が道具や場所を変える際に必要となる作業の中断が分業によって不要になる。
② 割り当てられた特殊な作業のみ専念することによって労働者による作業の熟練度合いが高まること。
③ 分割りされた特殊な部分作業用に単純化された労働用具の開発・改善が促進せれること。

アダム・スミスの考えによると、分業によるメリットを最大限に得られるような組織構造とは、

①段取り換えが必要となりそうな、違った種類の作業との切れ目の箇所で仕事を細かな要素作業へと分割りしておき、

②その個々の要素作業に1人の労働者を長く従事させることにより学習効果を高め、

③作業を確実に仕上げて期待していた成果を得るため、できれば人間の手によるのではなく、道具や機械を導入できるように準備しておく、ということになるであろう。

2.2 分業すると人件費が節約できる

スミスが主張した分業のメリットに加え、分業のもう1つの重要なメリットを発見したのがバベッジ(babbage,C.)である。バベッジは1人の熟練作業員がある仕事に従事しており、その仕事はA、Bの2つのプロセス(要素作業)から構成せれていると仮定しよう。
この2つのプロセスは、それぞれ異なった技能が必要とすると仮定し、作業Aは高い熟練度が必要、作業Bは低い熟練度でも可能な作業であると考えてみる。Aには熟練作業員(高賃金)1人を、Bには非熟練作業員(低賃金)1人をそれぞれ配置して分業する。
このように、仕事を分割することによって、作業員を雇う際に能力の多様なより多くの候補者が得られ、支払い賃金の総額を節減できる効果のことを、バベッジ原理と呼ぶ。

キャプチャ

筆者作成

3.分割した仕事の間を調整する

調整とは分割された仕事の間を、組織全体としてうまく機能するように取り持つことでる。

3.1 コミュニケーションを取り合う

最も素朴で簡単な調整方法は、当事者同士でお互いにコミュニケーションを取り合うことである。組織の規模が比較的小さい場合は機能するが、大きくなるにつれ、困難になっていく。

3.2 権限関係を決める

大規模組織の場合には特に、分割された個々の仕事の間をうまく調整する作業が不可欠になっていく。大規模組織における仕事の調整には、まず細分化された仕事、役割の間の指揮命令系統をきっちり定め、誰が誰に命令する権利を有するかを決めなければならない。このように、組織上の職務を遂行させるために命令を発することができる権利のことを権限と呼ぶ。

3.2.1 集権化、分権化

会社組織の中ではさまざまな意思決定が行われ、非常に重要度の高い戦略的な意思決定はトップクラスの経営者が行う必要があるが、それ以外の意思決定については、その重要度に応じて、組織のより下位に委譲した方が望ましい。この場合何が重要であるかという判断は組織によってさまざまで、できるかぎり多くの意思決定権限を上位に集中することを集権化(centralization)と呼び、なるべくそれらを現場に委譲しようとすることを、権限が分割されるという意味で分権化(decentralization)と呼ぶ。

3.2.2 ピラミッド組織、フラット組織

意思決定権限を上位集中するか下位委譲するかの程度を決める際に重要な点は、1人のマネージャが管理できる部下の数には限界があり、1人のマネージャーが管理することのできる部下の人数のことを管理の幅(または「統制範囲」、スパン・オブ・コントロール、span of control)と呼ぶ。
組織全体の管理の幅を狭くすると縦長のピラミッド組織(階層組織)が出来上がる、狭く設定すると、部下の管理は十分行うことができるが、その分多くのマネージャー必要になり、調整コストが増大するという欠点がでる。逆に管理の幅を広くとると、相対的に背の低く横広のフラット組織が形成される、管理の幅が広いと、マネージャーの数をすくなくすることができるというメリットがあるが、他方で個々の部下の行動を十分に把握できなくなり、調整が困難になるという欠点がでてくる。

➤ ピラミッド組織

メリット・・階層末端に至るまで綿密な管理が可能

デメリット・・マネージャーの数が多く意思決定に時間がかかる

※分業の程度が高くトップダウンの情報の為モチベーションが下がりやすい。このような作業組織形態を機械的組織と呼ぶこともある

➤ フラット組織

メリット・・マネージャーの数が少なく現場からトップの距離が短く意思決定が速い 

デメリット・・トップの統制が末端まで行き 届きにくい

※分業の程度がそれほど高くなく、末端の従業員のモチベーションが湧きやすい。チーム全体としての目標達成をチーム・リーダーを中心に柔軟に決めて行く、有機的組織と呼ばれグローバル化によりスピード化が求められるためフラット化に変更しようとする企業が増えている。

3.3 公式を作っておく

公式化とは組織である一定の状態・問題が発生した場合に人々がとるべき行動をあらかじめ定めておくことを指す。
公式化の程度が高いと、管理者による調整は少なくて済み、組織全体のコストは削減できるが、あまりにすべての事象に対して公式化してしまうと、かえって逆効果になる。

4.仕事の効率を上げるには

4.1 分業の行き過ぎ

アダム・スミスの主張するように、分業をすればするほど、作業員は非常に単調な作業を長時間従事することになる。

作業をするのに、全く何も考える必要がない

モチベーション低下 ※目的を失い金銭を得るためだけに作業する可能性が高い

対策・・既存の組織構造は前提としたうえで職務のあり方のみに変更を加えることを、職務設計(ジョブ・デザイン、job design)と呼んだり、あるいは既存の職務のあり方を再び設計し直すという意味で職務再設計(ジョブ・リデザイン、job redesign)と呼んだりする。

4.2 分業を緩める

➤ 職務転換(ジョブ・ローテーション、job rotation)とは、職務設計の1つの方法として、仕事を、構造的に固定しておくのではなく、別の従業員と交代すること。仕事に従事する作業員にとっては新奇性があるのでおもしろくなる⇒モチベーション増大

➤ 職務拡大(ジョブ・エンラージメント、job enlargement)とは、2つ以上の複数の職務を1人の従業員に担当させることにより、どの職務を遂行するのかなど自身で判断させることにより⇒モチベーション増大

➤ 職務充実(ジョブ・エンリッチメント、job enrichment)とは、若干難しめの職務も併せて従事せることによって職務を豊かにすること。

4.3 日本の会社の分業は緩い

➤ 分業についてのアメリカと日本の違い

アメリカ・・1人1職務と呼ばれ、職務は非常に細かく分割され、1人の従業員は1つの職務だけ担当するという発想のもとで運営されてきた。

日本・・日本の企業では、分業はあまり徹底されていない、理由は諸説あるが、日本では長らく集団主義文化のもと、みんなで一緒に仕事してきた伝統があるので、分業を厳格に決めてしまうのには心理的抵抗が強いためという説が有力である。

日本の会社の作業員は、このように1人1職務ではなく、1人で複数職務を担当できるので、多くの技能を有している作業員という意味で多能工であると呼ばれる。

この緩い分業という特徴こそが、日本における人的資源管理の諸制度(雇用管理・キャリア開発・賃金制度など)のあり方をアメリカのそれらからことならせている基礎となっている。

考察

➤ 日本の特徴である「緩い分業」のメリットとデメリットを考察してみた。

メリット・・緩い分業は、分業の細分化と違いさまざまな作業内容の理解と技術がつきやすく持ち場に担当がいない場合でも他の作業員がフォローにまわることができ、全体の組織機能に対して支障が出にくい。

デメリット・・個々の作業に対しての責任感が薄まり「誰かががんばってやってくれるだろう」「休んでも変わりの人がやってくれる」などのケースが出てくる可能性がある。
(ルーチン・ワークに近い場合)

周りとのバランスを考えるあまり改善・対策などを言いにくいだろう。

➤「緩い分業」を選択することにより管理者に求められる行動にはどのようなものが考えられるかについてについても考察してみた。

個々の従業員の管理状態は細分化の分割くらべ目を配らないといけないだろう。
理由として、緩い分業によりモチベーションが上がる作業員ばかりではない。個人に任せられる幅が広がるということは手を抜く可能性も出でくる。結果的に、組織全体の作業効率や生産効率が細分化に比べ落ちる可能性もある。管理者は全体的な部分と個々の作業員のバランスを常に考えると同時に、柔軟性が求められる組織形態だといえるだろう。

最後まで読んでいただきありがとうございます( *´艸`)

引用文献

奥林 康司・平野 光俊・上林 憲雄(2010)『入門 人的資源管理』中央経済社





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