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No,43.なぜ根拠もないのに自信満々な人なのか?(仮想的有能感)

他人を見下す(評価しない)自信満々な人についてつらつらと書いてみる。


背景

友人との会話です。

友人 「あの人、自信満々でよく人を馬鹿にしたり文句ばかり言うんだけど、なんなんかね~」

私 『自信ないからじゃない?』

友人 「えっ?そうなん?でも自信満々じゃん」

私 『いやいや、自分に自信のある人は、人がやっていることをバカにしないからね~』

友人 「ようわからんね?」と会話が終わった。

そのように答えたのは、仮想的有能感という言葉が浮かんだからです。

自信満々の理由


仮想的有能感とは、「自己の直接的なポジティブ経験に関係なく、他者の能力を批判的に評価・軽視する傾向に付随して習慣的に生じる有能さの感覚」と定義される(速水・木野・高木 2004)。

換言すると、他人の能力が低いと思い込んで、根拠もないのに自分をすごい奴と思いこむみ、自分自身の水準を上げる人。故に他人をバカにする。

他人をバカにすることによって根拠のない有能感を高め、自分の中にあるネガティブな感情を改善しようとする。

仮想的有能感が高いひとは、自意識や孤独感が高く、生活満足度や共感性が低い(速水他 2004)。
また、他者を批判することが多く、自分自身に厳しい目を向けることが少いと言われている。

つまり上をみては自信がなくなるため、下みて安心するほうを選んでいることになる。

筆者作成

なにを根拠に見下すのか?

そもそも何をもって他人を下と判断するのか?

年収? 学歴? 職業? 外見? 内面? 地域? 肉体的強さ? メンタルの強さ・・・?

たとえば、年収五億円の最終学歴が中卒の人と年収100万円以下の東大卒はどちらが上ですか?

ただの数字と肩書きにすぎないですよね。

年収、学歴、外見では人の価値なんて決められない。人それぞれの価値観が違うので、見下す理由もないだろう。

価値観

わかりやすい物(時計)で例えます。

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筆者作成

私が大切なのは左側のロレックスよりカシオのデータバンクの方。

娘が小学生の時にお小遣いを貯めて買ってくれた、とても大切なものです。

高い時計をつけているからといって、自分より安い時計をつけている人をみて有能感を持つことにまったく意味がない。

意味や根拠がないから、仮想的ということです。

考察

他人と比較することが仮想に過ぎないのなら、ライバルは他人じゃなく常に自分自身だと思った方が健全ですね。

最後まで読んでいただきありがとうございます(^^♪


参考文献

速水敏彦(2011)「仮想的有能感の展望」『教育心理学年報』第50巻、pp176-186

速水敏彦・小平英志(2006)「仮想的有能感と学習感および動機付けとの関連」『パーソナリティー研究』第14巻、第2号pp171-180

速水敏彦・木野和代・高木邦子(2004)「仮想的有能感の概念構成概念の検討」『名古屋大学大学院教育発達科学研究科紀要』第51巻、pp207-213

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