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サービスの質

何かを始めるときに、カタチから入る人が、ある一定数いる。まさに僕だ。
今回僕が、カタチから入ることに決めたジャンルはバイク。

カタチから入ることを、なんとなく悪い意味で使う人もいるが、僕はこの「カタチから入る」ことは非常に重要だと思っている。
これについて語るとまた別の記事ができるぐらいになってしまうので、今回は端的に述べるが、カタチから入ることが重要な理由のひとつが、「テンションの上がり具合が別次元」ということだ。

何かを始めたい、新しいことに挑戦したい、そして続けたい、と思っていることなら、カタチから入ることでテンションが上がっている方が楽しいし長続きすると思っている。
妥協して買った適当なギア、ダサい(気に入ってない)ウェア、それでは自分が好きになれないじゃないか。自分のお気に入りのギアとウェアで揃えることで、それを使っている自分が好きになれる。それだけで、そのジャンルの上級者には遠く及ばなくても、楽しい。
まずは、そのジャンルを楽しんでる自分を好きになることから始めるのが、長く楽しむコツなのではないかと考えている。


さて、そろそろ本題に入ろうと思う。
僕が今回バイクというジャンルにおいてカタチから入る最初のアイテムに決めたのが「ヘルメット」だ。

ただ、バイクは無い。

20年ぶりにバイクに乗ろうと決めて、着々と購入の準備を進めているところだ。(もちろん中型ではあるが免許はある)

先日、ヘルメットを買いに行った時のことだ。
僕は家から一番近い「2りんかん某店」へ向かった。店内に入ると目の前にヘルメットコーナーがある。各メーカーのヘルメットや安売りのヘルメットなどがこれでもかと並べられている。

なんせ僕は20年ぶりぐらいにバイクに乗るんだから、今のヘルメット事情なんて全く分からないし、バイクに乗っていた当時のヘルメットは友人から譲ってもらったものだったので、ヘルメットを新品で購入した経験がない。
だから、何を基準に選べばいいのか、サイズとかどう合わすのか、なんてことが全然わからない。
SHOEIとAraiという有名なメーカーは知っていたので、そのどちらかかな〜なんてぼんやり考えながら商品を見ていても、まあ、よくわからない。。。

どうしようか、、、と悩んでいた時に「無料フィッティング」というポップが目に入ってきた。これはもう、フィッティングしてもらうしかない!ということで、近くにいる店員さんに声をかける。

「あー、フィッティングはOGKしかやってないんですよ〜。SHOEIとかでしたら大阪の方でやってる店舗はあるんですが・・・」とのこと。
このままでは引き下がれない僕は、「久しぶりにバイクに乗ろうと思ってヘルメット探してるんですが、ここにあるのって自由にかぶってみていいんですか?」と聞くと、
「はい、もちろんご自由にどうぞ〜」
・・・で会話は終わってしまった。

これ、どう思いますか?
失礼も無いし、普通のやり取りと言えばそうなんだけど、僕が何を言いたいのかと言うと「サービスの質」だ。
結論から言うとこのお店は、その日のヘルメット1個分の売り上げと、一人の顧客がこの先使うであろう売り上げを、そして信頼を逃してしまったのだ。

こんな時、どうするのが正解なのだろうか。正解はないかもしれないが、僕が望んでいたのは、ヘルメット選びに関するアドバイスで、一緒に探そうとしてくれる「気持ち」だ。
「久しぶりにバイクに乗ろうと思って・・・」と言う僕の言葉を聞き逃さない敏感な店員なら、想像力が働くだろう。
この人は今、バイク用品を何も持っていない。もしかしたら当店でバイク用品などこれから揃えてくれるかもしれない。常連になってもらえるチャンスだ!と。

断っておくが、別にクレームとか文句を言いたいわけではない。事実僕はその後すぐ、何も言わずに何も買わずに店を出たから。


僕は「お客様は神様」なんて全く思っていない。自分がサービスを提供する側でもされる側でも同じくそう思う。店員と客は対等な関係で良いと思っている。だから、「俺のヘルメット選べよ!」なんて上から言うことも当然あり得ない。

ただ、この店員さん、残念だなあ〜、と。この先僕はこのお店には来ることが無いんだろうな、と。


店をでた僕は、ネットで探して近くの「バイクワールド」と言うお店へ向かった。

そこでも同じように店員さんに声をかけると、対応が全く違うじゃないか。

「どんなバイクに乗る予定ですか?」「どんなカタチをお探しですか?」とか、ヘルメットを選ぶ上での情報を色々と僕に質問してくれる。
そしてその店では、SHOEIのフィッティングもしてくれるから尚更良い。
「このヘルメットはココがこんなにすごい、けどあっちはこの機能が無い。」とか色々と説明してくれる。

単純な僕は、すっかりその気になってフィッティングもしてもらい、満足がいくSHOEIのヘルメットを気持ちよく購入することができた。
無事に「カタチ」から入ることの一つを達成した。

おそらく僕は、この先バイク用品を購入するならこの店に行くと思う。


サービス(接客)ひとつでこんなにも差があるということを、自分にも置き換えて忘れずにいたい。
ヘルメット自体は、当初の予算を大幅に上回るものだったが、それでも購入した。人が何か購入したり契約したりする時の決め手となるモノは色々とあると思うけど、「サービスの質」というのも大きな要因の一つですね。


次のカタチは何にしようかな・・・




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