マーケティング初心者向け・おすすめ書籍案内 第9弾 「コンバージョンを獲るランディングページ 相原祐樹・著」


「自分史作成サービス わたしの物語」という私が運営しているサービスでは、これからもホームページの問い合わせだけで顧客を獲得していきたい、と考えています。そして、このホームページだけで自分史の集客ができるノウハウが固まれば、それを販売して「自分史ライター養成講座」のコンテンツとして売ったり、サポート料をいただくこともできるだろうと目論んでいます。(ちゃんとしたノウハウやコンテンツ、実績がなければ売れませんからね!)

そんなわけで今回読んだ本は、まさにホームページで営業するためのノウハウ本。著者も述べている通り、ぶつ切りにされたり、精神論や方向性が示されるだけで肝心の「売れるホームページの作り方」が書いてない類書が多いなかで、この本では必要なノウハウがみっちりと書かれていました。では、さっそく内容を紹介していきましょう。

セクション01-01

・マーケティングは一言で言うと、「商品を販売するためのあらゆる活動」。これをWeb上で行うことをWebマーケティングと呼ぶ。

・Webマーケティングで考えることはシンプル。「誰の何をどうやって解決する商品だっけ?」

・売れるホームページを作るために大切なのは、「どこからユーザーが来たか」。すなわち、「キーワードを検索してきたユーザーは買う気マンマン(=モチベーションが高い)」「バナー広告を見て、たまたま来たユーザーはそれほどまだ買う気がない(モチベーションが低い)」ということ。それぞれについて、いうべきこと、話の持って行き方は違う。だから本書では、それぞれに違うホームページ(1枚ペラのランディングページ)を複数作れということになるのだが……私がやっている自分史作成サービスは信用・信頼感が大切なビジネスなので、1枚ペラのランディングページより、サイト型(普通のホームページ)の方が良いと本書の後半で書かれていた。結局、私の場合は「キーワード検索してきたユーザー向けのホームページを作れ」ということになるだろう。

セクション01-03

・超重要ポイント:Web集客に費用をかける前に必ず完璧だと思えるホームページを作っておこう。自社のサイトが水をすくえないザル(来訪したお客様に購入・問い合わせをしてもらえないサイト)の状態では、せっかくの広告予算は無駄になる。1件の成約にかかる集客単価は大きくなるばかり。だから「最適化したホームページを軸にして、効率的な集客方法でホームページに集客し、成果を上げる」という「取り組む順番」が超重要。

セクション01-05

・Google Analyticsは必ず導入しよう!(やばい、うちのサイトには導入してない! サイトリニューアル時に必ず導入しよう)


セクション02-01

・サイトを作る際には「お客様を知る作業・お客様のことを考える作業」にサイト制作時間の8割を使おう。具体的には「ニーズリサーチ・3C分析・ペルソナ設計」の3つの作業に8割の時間を使う。

セクション02-02

・「ターゲットのニーズリサーチ」とは「商品(競合製品でも可)にどんな印象を抱いているのか」「なぜ買ったのか」「商品(競合製品でも可)に関する不満や不安は何か」「どういう条件なら買うのか」の4つを調べること。

セクション02-03


・ターゲットのニーズリサーチは「お客様に直接聞く」のが一番良いが、ウェブを使ってもできる。(むしろ一番簡単かつ定量的なウェブからやるのがいいのでは?)

・方法は「キーワード検索のサジェスト」「キーワード検索の検索結果(シークレットモードを使おう)上位10位」→これらのことから、たとえば「自分史を作ろう」「自分史を業者に依頼して作ってもらおう」としている人は、どんな悩みや不安を感じているかがわかる。

・売れるホームページを作る上で大切なのは「売る」ことではなく、「解決策を提示してどういう変化が起きるのかを明確にする」こと。

セクション02-04

・ウェブを使ったターゲットニーズリサーチの方法としては、私の自分史作成サービスの場合、「アマゾンの関連書籍のレビューを読む」「アマゾンの関連書籍のタイトルを見る」「Googleのキーワードツールを見る」なども使えそう。

セクション02-05〜02-08

・3C分析はPEST分析とファイブフォース分析、それから競合チェックシートを使う。

セクション02-09

・ペルソナを作る時は、外面(年齢、職業、年収、住居地域)より、内面(抱えている悩み、そのサービスでどうなりたいと思っているか、どんなきっかけで検索しそうか、どんなキーワードで検索するか、どんな気持ちで検索しているか、いつ検索しているか、など)を時間をかけて考える。

セクション03-01

・ホームページは人が行動を起こすものでなければならない。私のリニューアルするサイトであれば、「問い合わせ」をしてほしい。

・人が行動を起こすサイトは以下の条件を満たしている。
1. ユーザーの得られる結果が提示されている
2. ユーザーの得られる体験が提示されている
3. なぜ必要なのかが訴えかけられている
4. 今すぐ買う理由が訴えかけられている

・売れるホームページのポイントは、「あなたの伝えたいメッセージ」より「ユーザーの欲しいもの、知りたいこと」を伝えること。自分の言いたいことは抑えて、みんなの欲しがるものを書く。

・具体的には「あなたはこれを使うとこうなりますよ」「こんな悩みが解決しますよ」「友達に羨ましがられますよ」「収入が増えて時間が自由になりますよ」このような顧客が得たい変化に関するメッセージを込めたサイトを作ろう。

セクション03-03

・本書によればサイト型ランディングページ(普通のホームページ)は、縦長ランディングページより信頼性が重要な商品に強いとのこと。個人情報を扱う「自分史作成サービス」はこちらが良さそう。

セクション03-04

・売れるホームページを作るために、常に「私の商品を必要としている人は、何を思って検索しているか、何に悩んでいるのか、どうなればいいと思っているのか、それに対して私の商品はどう問題を解決できるのか、なぜその問題が解決できると言い切れるのか」を考えよう。そして売れるホームページの鉄板の構成は次の通り。

セクション03-05


・冒頭は「喚起」パート(一瞬で心をつかむ「キャッチコピー」)

・ホームページを訪れたユーザーは3秒で自分に必要なサイトかどうかを判断する。3秒以内にユーザーの心を掴まないと離脱される。

・ユーザーは「これだ」と思ったサイトからだけ問い合わせをする。いろいろなサイトに問い合わせをせず、ドンピシャか比較的いいなと思ったサイトにのみ問い合わせをする。

・「人間の根源的な8つの欲求」に訴えかけるキャッチコピーにすることで、ユーザーの反応は良くなる。自分史作成サービスに関連しそうなものは……

1. 人生を楽しみたい
2. 他人に勝りたい、世の中に遅れを取りたくない
3. 愛する人を気遣い、守りたい
4. 社会的に認められたい

・キャッチコピーは「連想ゲーム」で作る。

1. 商品の特徴をあげる
2. 「だからなに?」をあげる(例:レンズが薄いメガネ→だから「軽い」)
3. 上記の「だからなに?」をユーザーに関係のあるところ(これを「ベネフィット」と呼ぶ)まで掘り下げる(例:レンズが薄い→だから「軽い」→だから「疲れない」)
4. サービスの複数の特徴を掘り下げて、上記「ベネフィット」を複数集める(これを「ベネフィットリスト」と呼ぶ)。一つの特徴から複数のベネフィットが見出されることもある。
5. ターゲットのニーズを踏まえて、ベネフィットリストをもとに「全部合わせて何なのか」ということを表したキャッチコピーにする(例:「あなたの為に開発したオシャレで疲れない老眼鏡」)

・悪いキャッチコピーは次の2つ
1. 商品を中心にしたもの(例:フレームもレンズも薄い老眼鏡!)
2. 聞こえの良さを重視しすぎたもの(例:こんなメガネ、探してました)

1.は商品の特徴はわかるが、ユーザーが置いてけぼり。2.は漠然としていて興味が引かれない。

・ユーザーの目に留まるキャッチコピーのポイントは、
1. 一瞬で必要だと思ってもらえる
2. 自分に関係があると思ってもらえる
3. 使うとどうなるのか、結論を先に言う

→キャッチコピーでは、「商品の特徴」を「ユーザーに与える変化」「商品を使ったユーザーがどう変化するか」まで落とし込む

セクション03-06

・次にくるのは「結果」パート。(キャッチコピーを受けて、要するに「どんなことが起きるのか」を書く)

・たとえば喚起パートで「寝起きの髪でお出かけできる」と書いたなら、結果パートでは、「髪が綺麗になります」と書く。キービジュアルに入れても良い。(綺麗な髪の写真?)

セクション03-07

・次に来るのは「証拠」パート。(ここまで述べた結果を出せる根拠、理由を書く)

・効果的な証拠は次の5つ。
1. 数値的根拠(満足度○%など)
2. 客観的事実(官公庁の統計データなど)
3. 科学的/医学的根拠
4. 特許
5. 動画やデモンストレーション

セクション03-08

・次に来るのは「共鳴」パート(お客様の声)

・お客様の声は「実名+動画」が最強

・アマゾン風レビューも最強

セクション03-09

・次に来るのは「信頼」パート(権威づけ)

・ここでは権威ある第三者の意見(第三者機関からの認定、マスコミ出演・掲載、有名人・権威者の推薦、受賞歴・会社の設立年数、受注・取引先企業など)を載せる

・業界で有名な人が顧問、監修をしているのも有効

セクション03-10

・次に来るのは「ストーリー」パート(この商品を売る側の想いや背景を語る)

・ストーリーを語ることで、ターゲットユーザーの感情を動かせる。(具体的には、「この人は嘘を言ってなさそうだ」「この商品を買っても良さそうだ」「信用して良さそうだ」「どうせ買うならこの店から買おうかな」「ここから買えばちゃんとしてそうだな」「同じようなものばかりだから、共感できるところに頼もう」と思ってもらえる)

・ストーリーは「自分が何者で、何をやってきて、どういう失敗をして、どうやって乗り越えたのか、そしてターゲットにどうなって欲しいのか」で構成する。

・ストーリーの最後には、必ず「買って欲しい(わたしの場合は、「〜なので、お問い合わせが欲しいです」)」と明確に意思表示すること。(例:全国の皆さんにこの私の無農薬のりんごを食べてもらいたいと願います。)ストーリーパートでは、サイトを訪れたユーザーに、「自分は今、問い合わせをするかしないかを決めなければならない」と明確に認識してもらう必要がある。

セクション03-11

・次に「クロージング」パートが来る。(今すぐ買わなければならない理由を提示する)

・「クロージング」パートには、返金保証、期間限定オファー、特典をつける。

セクション03-12

・最後に必ず「PS.」パートをつける(クロージングを補強する)

・問い合わせをするべき理由をしつこいくらいに説明する。

セクション03-13

・各パートが当てはまらない業界用に、各パートの入れ替え用パートが列挙されている。

セクション03-14

・できあがったサイトは次のポイントをチェック。
1. 一番伝えたいことが伝わっているか?(例:「くせ毛が治る」と言いたい場合、キャッチコピー、お客様の声、追伸パートの3カ所で繰り返す。「大事なことは3回言う」の原則)
2. 行動を促す要素は入っているか?(例:ベネフィットはリアルに想像できるか? オファーは欲しいと思えるものになっているか?)
3. 他社より優れていると思わせているか?(例:他社比較の打ち出し、実績・事例・ビフォーアフターなど)
4. 他との違い、新しい驚きは入っているか?(例:元々持っていた商品イメージと、この商品・サービスは違うと思わせる要素は入っているか? 知らなかったことを知ることができた驚きはあるか?)

セクション03-15

・「購入(問い合わせ)ボタン」はサイトの一番上、真ん中、一番下の3ヵ所に設置。

セクション03-16

・メールフォーム(お問い合わせページ)は、以下の通りにする。
1. メールフォームの上と下にメッセージを入れる。
2. メールフォームのページにはリンクを貼らない
3. 入力項目は極限まで少なくする
4. 平仮名や漢字、大文字小文字、ハイフンの有無などを指定しない
5. 入力ボックスの角は丸くする
6. 入力ボックスは大きくする(文字も!)
7. 送信ボタンは大きくする
8. 個人情報保護をつける

セクション03-17

・サイト型ホームページの場合も、ここまでの順番を守る。ただし、トップページが長くなりすぎないよう、各パートはサマリーにして、「続きはこちら」とリンクを貼る。

セクション03-18


・とにかく売れるサイトを作成するために、「お客さんのことを考える」。何が好きか、どうなりたいと思っているのか、何に悩んでいるのか、どうしたら喜んでもらえるか。だからこそ、リサーチに8割の時間を使う。

セクション04-01

・本書ではWebマーケティングにおける広告はいろいろあげられていたが、「自分史作成サービス」で使いたいのは以下の通り。

1. Google、ヤフーの検索連動型広告
2. リターゲティング広告
3. Google、ヤフーのディスプレイネットワーク広告
4. Facebook広告

セクション04-02〜04-06

・リターゲティング広告は意外と嫌われない

・ディスプレイ広告は無料のオファーを表示する

・ディスプレイ広告はクリック料金が検索広告より安い傾向

・広告は「運用状況のチェック→内容の修正」という調整(チューニング)が大切!

・ソーシャル広告(Facebook広告など)などは、ユーザーの属性に絞って配信できるのが最大の特徴(例:既婚者のみ、東京都在住のみ、スポーツ関連の投稿にいいねしている人など)

・Facebook広告は小口で運用するところから。

セクション04-10

・広告を出す場合、常に費用対効果を最大化することを意識する。「販売コスト/反響獲得コスト/受注単価/ライフタイムバリュー」など、広告効果はきっちり追うこと。

・検索広告は、商品やサービスを探している人に表示されるので、ホームページで刈り取り。

・ディスプレイ広告とFacebook広告は、なんとなく見ているときに表示されるので、無料オファーが効果的。フロントエンド商品を用意した方が良い。→自分史作成サービスは「サイト型ホームページ」が適しているが、「ライター養成講座」は「縦長ランディングページ」が適していそう。

セクション05-01〜05-08

・コンテンツマーケティングは長期的に広告費を下げられるが、メディア運営なのでかなり労力がかかることを覚悟する必要がある。またコンテンツマーケティング集客だけに頼らず、広告集客も両立した方が良い。

・コンテンツを無限に作るのではなく、ある程度(50? 100?)の記事を作成したら、反応を見て内容を改善する方が効果的かもしれない。なお、自分史のキーワードは検索数が少なすぎるので、この本のコンテンツ作成のノウハウは使いにくいかもしれない。家系図やエンディングノートなど、もっと検索数の多いキーワードまで取り扱いを広げた方がいいだろう。

・将来的には「自分史作成サービス わたしの物語」でもコンテンツマーケティングに取り組みたい(現時点では戦力分散)。まずは「ホームページ改善」と「広告集客」で事業の基盤を築く。

セクション06-01〜06-05

・メールマーケティングは戦力分散になるのでやらない。

・ABテストは下記の部分についてやる。
1. キービジュアル部分(キャッチコピー、デザイン)
2. オファー部分(オファーの内容、デザイン)

・ランディングページの量産は「自分史ライター養成講座」でやりたい。

(まとめ)
この本、すごくいいんですけど、タイトルがイマイチ。もうちょっと売れるタイトルにしたら、もっと売れたんじゃないかと思いました。しかし、内容は本当にオススメです!

終わり


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