マーケティング初心者向け・おすすめ書籍案内 第10弾 「お金と心を動かす会話術 浅川智仁・著」

さあ、ついにマーケティング書籍の紹介も10冊目! 自分が目標にしていた10冊に到達したので、この次のマニュアル用書籍10冊目を紹介次第、実践に入ります(わくわく)。いやー、けっこう時間かかりましたね。その一方で、こんなチャレンジをしなければ多分これらの本を読み通せることもなかったと思うので、本当にやって良かったです。自分で自分を褒めてあげたい(よしよし)。

というわけで、これまで紹介してきたマーケティング系書籍の最後を飾るのはコテコテのセールス本。どんな偉そうなことを言っても、最後は歩兵が戦場の勝敗を決めるように、最後は対面営業、電話営業が売り上げを決めるというもの! もちろんネット通販だけで商売が完結するビジネスもあるでしょうが、私が扱う「自分史作成サービス」という商売はもろにフェイストゥフェイスのビジネスなので、こういう営業スキルは絶対に欠かせないのです。それではご紹介しましょう〜!!


第1部 まえがき 奇跡の営業会話術

・売れる営業マンは「自分の提案はこのお客さまのためになる」と自信を持っている

・営業のトレーニング「3分で自分が大好きなレストランに、相手が行きたくなるよう話してみる」

・営業とは「目の前の人の願望実現のお手伝いを扱っているサービスを使って行うこと」である。こう定義することにより、「営業活動」はお客さまから喜ばれるもの、感謝されるものになる。したがって、全力で営業活動ができるようになる。

・お客さまと話をするときは、「お客さまはどんな願望を実現したいのか?」にアンテナを立てる。つまり、営業はお客さまのドクター(医者)である。

・医者は患者の治療に必要ならば、どんなに高価な手術でも薬品でも勧めるのが当たり前。営業もお客さまに必要だと思えば、どんなに高いサービスでも自信を持って勧めるのが、結局はお客さまのためになる。

・お客さまから感謝されるのが良い営業マン。

・浅川流9ステップセールスを自分史作成サービスに置き換えると、アプローチ、ディスカバリング、ビルディング、テストクロージングまでは電話対応。レビューイング、2度目のビルディング、2度目のテストクロージング、リゾルビング、ファイナルクロージングは対面営業となる。

・リゾルビング:お客さまの懸念を解決するステップ。「購入できない」と思い込んでいる障害を解決していく。普通なら「そのように」考えて前へ進めないところを、「このように」考えたら購入できませんか、という提案をする。お客さまの価値観を中和するイメージ。

・ファイナルクロージング:このステップでは、お客さまには願望実現した未来をイメージさせること。また、なぜこのサービスの購入を決めたのかニーズ(願望)を再度聞き取っていくこと(ファイナルクロージングでYesをもらった段階は、お客さまが最も心を開いている瞬間なので、心の奥底の本音の本音が出てきやすいため)。

第1部 第1章 相手との距離を縮める「アプローチ」

・笑わせることが大事=落語が参考になる

・冒頭で「ええっ!?」と思わせることが大事=「焼き鳥を〜4、5、6、7、8本持って来て!」→テストクロージング(ノリが受け入れられるか)にもなる

・自己紹介のコツは「現在(挨拶・どんな仕事を今しているか)」「過去(不幸な自分)」「未来(どんなふうに明るく変化したか・将来の夢)」「現在(まさに今、これからどんな話をしようとしているか)」という順番で話すこと。

・物語話法も効果的。(自分のことを「一人の男性の話をさせてください……」と語り始め、最後に正体は自分だと明かす)

・自己紹介や物語話法の目的は、自分に対して感情移入してもらうこと

・ラポールを築く方法は「とにかく相手と過去を共有する」こと。人間は自分と共通点がある人が大好きなので、とにかく相手に自分のこと(過去だけでなく、食べ物の好みでもなんでもいい)を話すことが大事。

・印象をよくする会話のコツは次の4つ
1.「相手の目を見る」
2.「ひんぱんに相手の名前を呼ぶ」
3.「相槌を打つ
・次の展開を手伝う「それで?」
・感情表現を使う「辛かったですね、ワクワクしますね」
4.「ビックリする(相手の話に心から驚いてあげる)」

・財布の紐は心の紐につながっている。ラポールを築き、印象をよくして心の紐を緩めよう。

・相槌「さしすそそ」は相手の目を見ながらバンバン使う。ただし、悲しい話題には声のトーンを落として、神妙な表情で「そんなことがあったんですね……」という。
1. さ:さすがですね
2. し:信じられないです
3. す:すごいですね
4. そ:そういうことなんですね
5. そ:そんなことがあったんですね

・アポ取りは絶対に「二択のクローズドクエスチョン」を使う(例:土日と平日ならどっち? 今週と来週の土曜日ならどっち? 来週の土曜日の午前と午後ならどっち? では来週の土曜日午後3時に伺います)

・クローズドクエスチョンを連続で使うと尋問になり、相手に嫌な印象を与える。そうしないためには、合間合間に「相手を褒める言葉・認める言葉・共感する言葉」を挟むと良い。

・アプローチで質問するときは、質問を横に広げない。「自分が欲しい答え」に向かって掘り進むように質問する。

・相手を褒めるコツは細分化。一般的に男は見えないものを、女は見えるものを褒めると喜ぶ。本人ではなく親族や家族を褒めるのも効果的。相手が子どもなど家族のことを謙遜してきたときは、同意せずにその点について別の角度から褒める(例:「うちの息子はクラブ活動ばっかりで」に対しては、「クラブ活動で大切なことをたくさん学ばれているんでしょうね」と答える)
1. 見た目(しかも「肩幅」や「黒髪」など体の一部分)を褒める
2. 声のトーン(説得力のある声ですね。リーダーの方ですか?)
3. その人のしゃべる言葉(哲学者のような言葉を使われますね)
4. 人脈(素晴らしい方たちとお知り合いなんですね)
5. 生き様(今までにいろいろなことがあったんじゃないですか)
6. 信念(すごく仕事に真正面にぶつかって、妥協しない方)

・相手に褒められたら、素直に「ありがとうございます」と受け止める。否定すると相手の見る目がないと言っているようなものになるので注意。

第1部 第2章 お客さまのニーズを発見し組み立てる

・このステップを飛ばして一方的にサービス内容を捲し立てると、反発をくらう。

・相手のニーズを引き出す質問テクニックはズバリ「褒めること」。人間は褒めるだけで自分の問題や悩み、不満について教えてくれる生き物である。そして褒めるポイントは、相手から引き出したいニーズから逆算した部分。(例:「上司として素晴らしいリーダーシップを発揮されてますね」「いやいや、なかなか成長してくれなくて……(社員教育のニーズを発見)」)

・お客さまのニーズを引き出し、背中を押す「よねの法則」(例:「成功したいんですよね?」「宿題やってきましたよね?」)

・相手のニーズを発見し、営業(売り込み)を始めるなら「スイッチングレーン」を意識する。具体的には次の言葉を使って、相手を真剣にさせる。
1. 少し厳しいことを言ってもいいですか?
2. ここだけは忘れないで欲しいんですけど

・必要性は高いけど今じゃなくていいサービスを売っている人は、お客さまに今買うことの意味を教えてあげる必要がある(その人が欲しくなったときには手遅れ、ということは保険や自分史作成サービスでは良くある)。そのための方法が次の「示唆質問」というテクニック。

・示唆質問で「買った時の喜び・快楽」と、「買わなかったときの恐怖・痛み」をイメージさせてあげる(例:買ったらどうなりますか〜、買わなかったときはどうなりますか〜。それぞれの方向について具体的かつ連想的な質問をしてイメージしてもらう)

・一般的な示唆質問では、人生の8側面について想像してもらう。自分史なら「人間関係」「精神(感情)」「仕事」というところか?

・この示唆質問をして初めて、お客さまはサービスに興味を持つ。このステップを飛ばしてサービスの説明をすると反発されるので注意!

・示唆質問は「そうするとどうなりますか?」で繋いでいく。内容に正確性は必要なく、たんなる妄想でOK。

・この妄想力を高めるために小説、お客さま世代が読んでいる本や雑誌を読むのはおすすめ。お客さまの思考パターンに近づき、妄想の精度がアップする。

・Yesを引き出すには、6回連続でYesと言ってもらう。5回は誰でもYesと言いそうなこと、6回目はクロージングの質問「それが今なんじゃないですか」「これで決めていただいた方がいいんじゃないですか」をする。

第1部 第3章 ここまでやろう! 「クロージング」

・クロージングに入ったら、「真剣モード」「プロモード」「医者モード」で話す。

・お客さまは「買おうかな、どうしようかな」と営業マンに背中を押してもらいたがっている。買う気がゼロならそもそも話を聞いていない。時が満ちたら、恐れずクロージングをかける。「自分の提案はお客さまの役に立つ」そんな熱意を持ってクロージングをかけよう。

・クロージングでは「価値観の中和」を行う。これは、「世の中の常識(またはお客さまの思い込み・価値観・常識)では○○だが、実はそうではありません」と専門家の見地から伝えること。

・お客さまに提案するときは3つの案を提案し、そのうちのひとつを「結論から言うと、プラン○はお勧めしません」「これはやめた方がいいですよ」と捨てる。(←お客さまは「えっ、持ってきたプランを捨てるの? この人、私のことを真剣に考えてくれてる〜!」と認知的不協和を起こし、クロージングできる)

・クロージングで買わない理由を消す(価値観の中和)には、第三者引用(過去のお客様のエピソード)を使うのも良い。お客様が買わない6つの理由(お金、第三者に相談、タイミング、販売する会社への不安、他社との優位性、成果が出るのか)に合わせて使う。←時間をかけてトーク原稿を作ってみよう

・テストクロージングをして、お客さまが買わない理由が上記の6つのうちのどれか把握する。また、お客様の買いたい意欲がどれくらいになっているかをチェックする(イメージはエレベーターの何階にいるかの確認)。ワンプレゼンテーションで5回はテストクロージングを入れよう。

・テストクロージングとは「買いたいと思うか?」というもの。ファイナルクロージングは「買いますか?」というもの。テストクロージングの反応が完全イエスならファイナルクロージングへ。完全Noが2回続いたら「ご縁がなかったようです……」とプレゼンを終了。イエスだけど……と懸念をいう人が8割。この懸念に対しては、相手の立場にポジションをチェンジして対応。「どうしたら買えるか一緒に考えてみませんか」

・テストクロージングに使える7つの言葉
1. ここまででご質問はありますか?
2. 第三者引用を使ったあとに「ここまでで共通点はありますか?」
3. スケジュールについて独り言を言う
4. 仮に買うなら私が担当になるんですけど
5. 仮に買うなら、どのプランが現実的ですか?
6. いずれにしてもやってみたらいいんじゃないですか?
7. やってみたいなとは思われました?→Yesの場合は必ず理由を聞く。そうするとお客様はその理由により、自分で自分を説得してくれる。

・「どちらが現実的ですか?」はアポ取りにも使える。

・「いずれにしてもやってみたらいいんじゃないですか?」はお風呂場で繰り返し練習する。

・お客様の懸念解消に第三者引用が使えない場合は、次の6つの質問を使う
1. どうしてそのように感じるのですか?
2. 私は何て答えると思いますか?
3. 私もよくわかります。ちなみにその中でなぜ多くの方が始められていると思われますか?
4. 仮にその部分が変わったとしたらいかがですか?
5. 仮にその部分が明確になったとしたらいかがですか?
6. 差し支えなければ、もう少し詳しく教えていただけますか?(相手が疑う、懸念を持つ理由を聞く)

・お客様の反論を和らげる場合、逆説の接続詞は使わない。「でも・だけど・しかし」は厳禁。接続詞は「その上で」「たとえば」「いずれにしても」を使う。文法的におかしい場合でもこの3つを使う。

・クロージングに入る前に、「この業界のプロとして本気でお話をさせていただいてもよろしいですか?」と言うのがいい。

・お客様の懸念が出てきたら、まずは全力で「受け止める」。「分かります。そうですよね。私だって高いなって最初思いましたよ。本当に成果が不安なところもあるし、すごく分かります。重々承知です」

・商談は最後が一番大切。断られた時こそ、これ以上にないくらいに丁寧に別れよう。また、成約したらピークエンドの法則に従い、偉人の格言で締めるとカッコいい。

・ファイナルクロージングで使えるテクニック。
1. 相談したいと言われたら、誰に相談するのか追跡するクロージング
2. 選択の教育クロージング
3. ノートを閉じてクロージング
4. ある教会にて死ぬ時に後悔することクロージング
5. 迷えることは実現できることクロージング
6. 人生はタイミングクロージング

第2部 売れる人はこう考えている

・結果は状態に比例するので、ポーズで良いので前向きな行動をとれば、勝手に心が前向きになってしまう。営業を断られたら、「おお、きたねぇ!」と自分を上げよう。

・「私は営業が得意だ! 私は人の心を動かす最高のプレゼンターだ! 私は絶対うまくいく!」と自信に満ちた錯覚を持とう。

・「『ダメ』と言われても素直に従わない」「こうなりたいという理想像を基準にする」「前例なんてくそくらえ」と考える。

・成長するにはコンフォートゾーンからストレッチゾーンにいくこと。「もらった仕事は全部イエスと言え、やり方は事務所に帰ってから考えろ。最悪、できなければ外注しろ(by ホリエモン)」

・夢や目標をしゃべる人に囲まれよう。売れてない営業マンとは目を合わせない。伝染するから。ネガティブワードは思ったり使ったりしない。ライバル企業も「頑張ってるな!」と喜んであげる。

・営業マンの4つの意識。
1. ノーニーズ。ノーセールス。(ニーズを見つけてもいないのに売り込むな)
2. 愛を持つということは感心を持つということ(自分はどう役に立てるかな、と想像する)
3. お客様の目の前とバックヤードで同じように行動をする。裏口でお客様の悪口を言うと、必ず伝わる。
4. お客様は自分の鏡。自分がレベルアップすれば、お客様のレベルもアップする。

・会話の主導権は聞き手(質問する側)にある。だからお客様を幸せにするために、自分の望む方向に導く質問で会話を誘導する。

・お客様の興味はただ一つ。「結局どうなるの?」ということ。質問によってニーズを掘り起こして、「買っていただくとそのニーズをこんなふうに満たしますよ」と伝える。

・「これで決めましょう」「これで行きましょう」「これで行ってみたらどうですか」「これでぜひ人生を変えましょうよ」「これが絶対に合っています」「これが私にお勧めできる最高のプランです」「これをぜひやるべきです」「私はこれをお勧めします」「やってみたいなとは思いましたか?」とお風呂場で練習する。

・営業するにあたって最強のメンタル的な柱になるのは、「目の前のお客さまに将来、『あの時やっとけば良かった……』と言われるのは絶対イヤ」というもの(自分史作成サービスも本人が亡くなったり、認知症になってしまったら書けなくなるのでおおいに当てはまる)。

(まとめ)

付録の音声動画も聞いてみましたが、著者のトークは物凄い説得力。最初はあまり好感の持てない外見だな……と思ったのが、聴き終える頃には、「信頼してついて行きます!」となってしまうという(笑)。このての本はたくさん読んでも仕方がないと思うので、この1冊だけを繰り返し読んで身に染み込ませて使っていきます!!

終わり


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