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ISOを導入すると教育体制が確立するという話

こんにちは編集部のやまぐち@ISOプロです。今回はISOと教育について語っていきたいと思います。
ISOのマネジメントシステム規格は、組織の構成員の力量に関する要求事項があり、組織は必要に応じて労働者が力量を身につける処置をとる必要があります。これはISO9001やISO14001でもISO27001でも同様の要求事項です。

つまり、組織は労働者が必要な力量を身につけられるように教育体制を整備する必要が出てくるのですが、マネジメントシステムの他の要求事項との相互作用もあり、有効な教育体制の確立がしやすくなります。今回は、なぜISOを導入することで教育体制が確立するのかということに突いて解説していきたいと思います。

ISOにおける教育って何?

ISOにおける教育とは、労働者が必要な力量を身につけるための訓練や指導のことをいいます。一般的に言われる「教育」と意味はほとんど変わりません。

ただし、ISOの要求事項内で求められている教育の実施は、以下のような人たちが対象になるものです。

・マネジメントシステムの有効性に寄与する人
例えばISO27001ならリスクアセスメントを行う人材はセキュリティに関してある程度の知識を持っている必要があります。さもなければ適切にリスクを評価することができなくなってしまいます。また、ISO27001の場合はリスク発見というプロセスにおいても知識が必要になりますね。

・内部監査員
内部監査員はマネジメントシステムの規格適合性や有効性を評価する必要があります。つまり、マネジメントシステムが規格の求める基準を満たしているか、また、PDCAサイクルが回っており、ちゃんとした状態にあるのかということを評価することができる必要があります。この内部監査員も育成の対象で、「内部監査員育成セミナー」は頻繁に行われていますね。

この他にも、ISO14001では著しい環境側面に関連した業務を行う人やISO9001では製造部門の人材など、規格によって別途教育を行う必要がある人達はいますが、上記のような人々はどのような規格であっても教育が必要になってきます。

ISOの導入によって教育体制が確立される?

ISOのマネジメントシステムを導入することで、様々な理由から教育体制を確立することが可能になります。例えば、以下のような理由が挙げられるでしょう。

・マニュアルや手順書を整備する必要がある
品質マネジメントシステムの規格であるISO9001などでは顕著ですが、品質マネジメントシステムの構築にあたっては、マニュアルや手順書の作成・整理を行う必要が出てきます。組織によっては、マニュアルや手順書は軽視されがちですが、こういったものがあれば「何を教育する必要があるのか」ということが明らかになるため、労働者の教育を行いやすくなるのです。

・達成すべき目標が明確になる
ISOのマネジメントシステムでは、数値に基づいた具体的な「目標」というものを決定する必要が出てきます。ISO9001なら品質目標、ISO27001なら情報セキュリティ目的、ISO45001なら労働安全衛生目標というものを決定しますが、その後にその目標の達成を確実にする計画を策定していきます。

もう少し噛み砕いて言うと、現状何が足りないのかということを明確にした上で、「目標の達成にはどのようなことが必要か」ということを検討して計画を策定するのです。このため「現時点で力量がどの程度足りなくて、どの程度の教育訓練を行う必要があるのか」というのが明確になります。

・文書化が必要になる
ISOのマネジメントシステム規格では様々なものを文書化する必要が出てきます。こういった文書は教育時に大きく役に立つものです。過去の実績、マネジメントレビューの結果、是正処置の内容…様々な文書は教育のために非常に有用です。

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まとめ

今回は、ISOのマネジメントシステム規格と教育というものについて解説してきました。効率的に教育を行うためには「何をどの程度まで訓練する必要があるのか」「どのような内容をもとに教育を行うのか」ということを定める必要があります。こういった要素はISOの他の要求事項を満たしていれば確立されていくものなのです。

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