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ISO22000(食品安全)とは?ISO勉強中のわたしがISO22000にもっていた固定概念

休日は、外で運動したあとにマクドナルドに寄って、朝マック限定のマックグリドルを食べるのがルーティンになっています。マックグリドルは、メープル風シロップ入りのパンケーキにソーセージのパティが挟まっていて、この不思議な味がやみつきで幼少期から大好きなメニューです。

マクドナルドの多くのメニューで使用されているパティが、地元の工場で作られていることを知りました。
知ったきっかけは、パティを製造している工場が利用している、洗浄・衛生会社が食品安全マネジメントシステムであるISO22000を取得したことです。「食品工場の生産ライン洗浄・衛生作業サービス」でのISO22000認証取得は日本初になります。

今までISO22000は、食品関連業者が取得するものだと思い込んでいました。今回食品業界に関わるサービス業がISO22000を取得したことでその固定概念が崩れました。

今回は、食品安全マネジメントシステムであるISO22000をわかりやすく説明していきます。また、ISO22000にもっていた固定概念が崩れたことで、食品安全についてあらためて思ったことを話していきたいと思いますので、ぜひご一読ください。


ISO22000とは?

ISO22000は、国際標準化機構(ISO)が策定した食品安全に関するマネジメントシステム規格です。この規格は、食品に潜む危害要因(食中毒菌など)を理解し、リスクの低減や除去をするための仕組みづくりをしていきます。

食品安全のリスク低減以外にもISO22000取得には以下のようなメリットがあります。

◎取引先や顧客からの信頼感向上
国際基準で食品安全の取り組みを対外的にアピールできます。
安心・安全な製品やサービスを提供するための仕組みづくりを確立することで、消費者や取引先から信頼されるようになるのです。

◎取引先、顧客の拡大
企業によっては、ISO22000を取得している組織を取引先として選択する会社もあります。実際に、取引先から取得を求められたので認証取得に至ったという企業も少なくないです。認証取得することで取引先が増えたり、機会損失をせずにすむかもしれません。

◎工程管理の可視化
マネジメントシステムを構築するには、「工程管理」を行うために作業工程を可視化する必要がでてきます。工程が可視化されると、工程トラブルの減少、顧客クレームへの迅速な対応、食品安全リスクの予防処置につなげられるため、事業の持続的発展を可能にするのです。
また、工程が可視化されることで、工程上の問題も見えてくるため、これらを洗い出すことで作業効率の改善にもつながります。

◎従業員の意識改革や教育改革
企業としての方針を明確にし、その理念を社員全員に浸透させます。企業全体として食品安全に対する意識の変化や教育による力量向上を期待することができるでしょう。


ISO22000は、ISO9001のHACCPを組み合わせ

食品安全マネジメントシステムのISO22000は、食品の生産から販売までのすべての工程において”食の安全を守る仕組み」として品質マネジメントシステムのISO9001と食品安全管理のガイドラインであるHACCPの考え方が融合した規格です。

・ISO9001とは
製品やサービスなどの品質に携わる国際標準化機構による規格。製品やサービスの品質を継続的に改善していくことで顧客の要求に応え、顧客満足度を向上させることが目的。

・HACCPとは
食品製造される全行程を見える化し、7原則12手順に沿って進めていく衛生管理手法です。食品安全を脅かすハザード(食中毒菌など健康被害を起こす原因)が混入するリスクを作業工程の分析をすることで見つけ出し、管理・記録します。
「危害分析」の“Hazard”、“Analysis”と「重要管理点 」の“Critical”、“Control”、“Point”の頭文字を組み合わせてHACCPと呼びます。


ISO22000は、厳密な食品安全管理、そして品質向上を目指すことができるのです。2021年6月からHACCPが完全義務化され、食の品質も問われるいま、HACCP運用とISO9001の両方を管理できるISO22000を取得する意義は大いにあると思います。

また、ISO22000は、他にあるメジャーな食品安全マネジメントシステム規格(FSSC22000など)と比べて、中小企業でも認証取得しやすいように構築されているので、検討してみるといいでしょう。


食品安全の今後

食中毒は飲食店にとって致命的です。
わたしが飲食店でバイトしていたころは、HACCPの認知度がほとんどなかったため食品の工程管理がされておらず、料理人の感覚で作ったものが提供されていました。
「ノロウイルスにかかった」という連絡がきたこともありますが、食中毒の連絡が入っても、「本当にうちで起きたことなのか?」「どの食材で引き起こしたのかがまったくわからない」ため、店側が適切に対応できません。学生ながらにこんな管理体制で大丈夫なのか?と食品安全について不安になりました。
学生のころ実際にバイトして感じたのは、消費者は食品の安全や品質にとてもシビアだということです。

日本でもHACCPが完全義務化されたことで、曖昧な工程や管理体制がなくなります。先ほど説明したようにHACCPで工程が見える化することで、どの工程で問題が起きたか、どの食材から食中毒が起きたのか。がわかるようになるため、問題が生じた場合に事後分析がスムーズに行えます。

いい感じの色がつくまで加熱するはHACCPでは通用しません。重要管理点を科学的根拠にもとづいて設定された管理基準によって管理します。管理基準とは「90度で90秒間加熱する」などで、食中毒菌のほとんどは、ある一定の温度で一定時間加熱し続けることで死滅すると言われているからです。

HACCPである程度食品の安全は保たれるようになりましたが、消費者は食の品質にも目を向けています。ただ安いから食材を買うのではなく、産地・鮮度・食品添加物の有無など食材の品質が重要視されてきているように感じます。

飲食店でも値段より品質「どんな食材をつかっているのか」を気にする人が増えています。バイトをしている際も、使っている食材の産地を聞かれることが結構ありました。
このことから、HACCPをベースとした食品管理、ISO9001の品質向上の両方を目指せるISO22000は、今後の食品業界にとって重宝される規格だと思います。

消費者にとって、管理体制がわからない飲食業者は不安です。ISO取得を対外的にアピールできれば消費者に安心感を与えられます。とくに外国の方は知らない土地の料理を食べるので、食の安全や品質は非常に気になるところだと思うのです。国内外のお客様が訪れる大手ホテルでは、ISO22000の取得が進んでいます。

ここまで話してきて、食品の安全や品質を守るのは、飲食業界の使命だと思っていました。
しかし、冒頭で説明したように向上生産ラインの洗浄・衛生サービスを提供する会社がISO22000を取得したことを知り、食品の安全を守るのは飲食関連業界だけではないことを知りました。

飲食業に直接関係していなくても、間接的に関わる業種で飲食業に配慮した動きがでてきています。
食品業界に関わるサービス業などのISOの取得が進んでいけば、消費者の食品安全に対する不安の払拭や取引先の信頼度を高められるなど、飲食業界に与えるメリットは大きいと思いました。


まとめ

今回は、ISO22000についてお話していきました。
洗浄・衛生サービスを提供する会社がISO22000取得したことを知ったことで、食品安全についてあらためて考えなおすことができました。

何事も固定概念を持たずに、広い目線でモノゴトをみることは大切だと感じます。他のISO規格についてももう一度振り返ってみようと思いました。

最後まで読んでいただきありがとうございます。今後ともISOプロ、わらがい紗羅@ISOプロをよろしくお願いいたします。


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