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「知る」を極める

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文化人類学は200年以上にわたり、「知る」を極めようとしてきた学問です。このマガジンでは、そんな学問の背景をもとに「知る」ことについて考えてみます。 相手を「知る」ってどういう…
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2018年3月の記事一覧

枕の数を数えたら、人類学者に褒められた―<世界>は細部に宿るから

2008年の夏、ラオス。 「私たちが行った家には、枕が23個ありました」 夏季集中授業で、現地の文化を知るために、ラオスの農家を訪ねた学生のグループが、大真面目な顔でこう言った。 それを聞いた引率の西村正雄先生(文化人類学者)が、応じる。「それはいいところに目を付けた。そういうところが大事なんです!」。 手放しの絶賛である。 え......そこ? と人はふつう思うかもしれない。でも、文化人類学はまさに「そこ」を見る学問だ。 フィールドトリップのアシスタント