2021-05-06 ウーロン茶と健康

朝起きてすぐ文章を書く習慣を身につけたいと昼に書いている。朝のなにがいいかというと、その日がどうであれ朝はなんの色もついていないまっさらな時間だからだ。これが夜だと、一日がんばったとか一日怠惰に過ごしてしまったなどの生活の雑念が入ってくる。ぼくは実生活とは切り離したところで文章を書きたい。文章を書く営みそれ自体は生活の一部であるけれど、文章が文章のなかだけで完結しているというのが理想だ。

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昨日書いたステーキロッヂでクーポンを使いウーロン茶をもらったときのこと。一口飲むとカラオケ店に来たような気分になって驚いた。ウーロン茶は自分ではほとんど買わない。もっぱらカラオケの飲み放題で飲む。香りは記憶と強く結びついているからたまにこういうことが起きる。

読んでいた大山顕の『新写真論』で、ちょうどこの思い出す行為について書いていたので引用する。

思い出すという行為は身体的なものだ。音楽や匂いによって強烈に思い出がよみがえることがあるだろう。つまり、それは自発的な行為ではなく、襲われるものなのだ。そのトリガーとして「場所」はとても優れている。記憶は自分の中に記録されているのではなくて、いろいろな場所に保管されているのではないか。ぼくらの身体はその再生装置なのではないか。(大山顕『新写真論』p.294)

「身体は記憶の再生装置」という着想がおもしろい。また、場所は記憶のなかで特別な位置をしめている。記憶術に場所法というメソッドがあるほどだ。

外出が少ないこの2年間は、のちのちどんな思い出され方をするのだろう。「孤独は1日にタバコ15本を吸うのと同じくらい健康によくない」とだれかが言っていた。健康でいたい。

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