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鮎も鰻も川魚だということ (沼田 鮎茶屋巴)

群馬県の利根川水系には、鮎を出すヤナ場がたぶん3箇所あります。今回沼田市の鮎茶屋巴さんに行ったので、全て制覇することができました。

ヤナ場と言っても、最近はヤナに落ちてくる鮎を捕まえることは多くはないようです。ここの鮎がどうなのかは確認していませんが、目の前の薄根川に放流されたものを生簀に移しているのではないかと思われます。

noteの別記事で書いていますが、私の最後の晩餐は鮎の塩焼きを予約済みです。とにかく鮎の、それも塩焼きが大好きなのです。今年2024年も4回食べに出かけて、スーパーでも5匹くらい買って焼いています。

エントランス
いい感じの座敷。川沿いではなくちょっと離れていて、エアコンはありませんのでそれなりに暑いです

13時に予約して行ったのですが、我々がその日最後の客でした。お盆休み明けの8月19日でしたから、空いていて正解だったと思います。

ではこの日の鮎料理をコメントとともに。

鮎の一夜干し。一夜干しは悪くないのですが、やはり塩焼きの香ばしさには勝てません。あくまでも保存食なのだと思います
刺し身、または洗いです。刺し身としては身がものすごく香ばしくて驚きました。鮮度は言うまでもなく生簀から上げてそのまま捌いているので抜群です。酢ではなく醤油で食べるように言われたのこの店の判断は極めて正しい、と私は思います
捌いた時に出た鰭と皮を揚げたもの。これも酒のアテには最高です
本来は事前予約が必要な鮎寿司を出していただきました。酢飯でした。美味しいけどやっぱり塩焼きがいい(笑)
お待ちかねの塩焼き4匹!見切れていますが藁を束ねたものに竹櫛に刺した状態で出てきました。演出的にも◎です
まずは2匹。もちろん頭から骨まで全部食べます。焼き具合も最高レベル
すみません、一人で3匹目いただきました。それくらい好きなのです
これは鮎釜飯。どういう調理方法なのはわかりませんが、釜飯の蓋を開けたらこんな感じ。それなりにグロいですけど、よく見ると焼いてはいません
お店の方が頭と骨を外してくれました。もったいないけどそれは回収されちゃった。そして混ぜていただきます。そしてこれが驚くほどうまい。出汁が甘辛い醤油系で、かき混ぜるとひつまぶしみたいなのです

特に驚いたのはこの釜飯です。炊き込むときの調味料というかだし汁というか、出来上がりがもう鰻なのですよ。よく考えれば鰻もジャンル的には川魚でありまして、そう言えばうちの母方(現役の鰻屋)でも、鰻と鮎は確かに同格の扱いで、店も川魚料理を名乗っていたことを思い出しました。

近所のここの鰻はとても川魚っぽかったのを思い出しました。

沈んでいますが鮎の味噌汁
刺し身から出た骨と頭を揚げてくださいました。ヤバいくらい香ばしいアテになります
店から15m位?の薄利川です


鮎茶屋巴さんの調理方法は最高レベルです。

ただ、鮎そのものは先々週行った日本一と言われた降草川の鮎が別格であることが分かります。ワタの苦みと深みがぜんぜん違うのです。利根川水系は全くランキングしないのはわかる気がします。苔がダメなんでしょうね。

とはいえ、ここの鮎はどの品もまさに「香魚」で絶品でした。

塩焼きする「マシン」
鮎の友釣り用におとり鮎も売っていました
おとりも食用もたぶん同じです

利根川水系のお店の中では、料理としての腕が抜きん出ています。相当素晴らしいです。と同時に、振草川の鮎のレベルの高さを知ることができました。


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