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トラックって、なに?(3)
前回は、使用するトラック数が多くなる理由を書きました。
何も考えずに、ただトラック数を増やしていくと、もしかしたら16ポートでは足らなくなることがあるかもしれません。
それに16ポートをフルに使うよりも可能ならばなるべく少なくして10ポート以内にした方が、音源にとっても処理が楽になって出てくる音もスッキリでテンポも一定。クリエイターなら、こちらを目指したいものです。
例としてトラック6にオーボエのパート、トラック7にクラリネットのパートを入力したとします。最後の音量調整も済んでバランスも整いました。
当然、分かりやすくオーボエを6番ポートへ、クラリネットを7番ポートへと割り当てます。
どんどんと入力が進んでストリングスまで入れて16番ポートまで埋まってしまいました。フルにポートを使ってしまってから、今まで使っていないフルートのパートを使いたくなったとします。
でも、もうポートは余っていません。さて、どうしたらいいでしょうか?
トラック数は、まだ余裕があるので、20でも25でも、好きなところへフルートパートを入力できますね。
ここからが少しテクニックを必要とする場面となります。加工で面白い作業でもありますが。
曲全体を見渡してみたら、ABAという3つの部分からなる構成になっているとします。
で、なんと幸運なことにオーボエはAの部分だけに使われていてBの部分は、お休みしてます。クラリネットは、逆にBの部分だけに使われていて、Aの部分はお休みしてます。
この場合なら、オーボエもクラリネットも、強さの調整まで済んでいるので、もう加工する必要はなくなっているのを前提にすると、トラック6とトラック7を合体させて新しいトラック30にでも入れておきます。
こうしておいて、トラック30を6番ポートへ割り当て、フルートのトラック20を空いた7番ポートに割り当てます。トラックを削除するのは、いつでも出来るのでトラック6とトラック7はミュート(消音)させておきます。
問題は合体させたトラック30。トラックの最初ではオーボエの音色を指定しておきます。Bの部分でクラリネットが活躍する1つ前の小節で、プログラム・チェンジという命令を使って音色をクラリネットへと変更します。
2回目のAが始まる1小節前で、今度はオーボエへとプログラム・チェンジして戻します。
これで、フルート用のポートを作りながら全部で16ポートに収めることが出来ました。
このような工夫を重ねて10ポート以内にすることができれば、もっと軽いMIDIデータにするのも可能です。
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