見出し画像

「ファミレスを享受せよ」にずっと居たい

ここのところずっと、自分に合ったゲームがないなあと思っていました。最近はスプラ3をやることが多いのですが、まあまあ疲れるし1時間もやるとコンタクトがカピカピになってしまいます。歳のせいもあるんだろうなとか思いつつ、なんかもっと自然に入り込めるようなゲームってないのかなあと。

そんな時に偶然見つけたのが、「ファミレスを享受せよ」という1,500円のゲームです。

『ファミレスを享受せよ』は、永遠のファミレス『ムーンパレス』に迷い込むアドベンチャーゲーム。なんとドリンクバーもあります。

説明を読んでも、どんなゲームなのか見当もつきません。ファミレスでアドベンチャー??ドリンクバー??

でもサムネイル画像のテイストがどうしても気になって、自分の直感を信じてダウンロードしてみることにしました。

…正直、こんなゲームには今まで出会ったことがなかったです。もうずっとこの世界に居たいと思いましたし、何なら二つめのエンドロールを見たときにはちょっと泣きました。


影のある住人たち

それぞれに不思議な魅力を持つ、ファミレスの先輩?たち。私が一番気になったのはガラスパンですね。彼女が放つミステリアスかつ影のある雰囲気、この作品のテイストを形作っていると言っても過言ではないと思います。好きすぎる。


心を打つフレーズ

このゲームが小説だなあと思うのは、すごい日本語にたびたび出会うところなんですよね。ラテラとガラスパンの対話、スパイクとクラインの対話。読んでいるだけでその世界に引き込まれてしまうような、心を打たれるフレーズが現れるたびに、溜息をつきながら進めていました。


つい笑ってしまう小ネタ

要所要所に、ふっと笑ってしまうような場面が用意されています。だいぶおかしいことをしてるんだけど、そもそも非現実的な空間にいるから自然に受け入れられている、ちょっとシュールなユーモアが散りばめられているのが良いですよね。


誰にも悪意がない世界

私がこの作品で一番すごいと思った点です。こんなにみんなが困ったり途方に暮れたりしているのに、誰一人として悪意を持った登場人物が出てこない。でもちゃんとミステリーとして成り立っている。

この作品全体を覆う、静かでゆらゆらした雰囲気。もちろん絵とか音楽の素晴らしさもあるけど、「悪意のなさ」があって初めて存在しうる雰囲気なんだろうなと思いました。そしてこの世界観こそが、私に今までにない居心地の良さを感じさせてくれたのだと。


このゲーム名をGoogle検索すると、「ファミレスを享受せよ  似たゲーム」という検索候補が現れます。これめっちゃ分かる。私だけじゃなくて、みんなこういうゲームをずっと探してたんです。読んだあとに心が少し温かく、柔らかくなる小説のような。今後の作品も楽しみに待ちたいと思います。

サポートしてくれたら、私が美味しいものを食べます笑