【旅行記】1泊2日・弾丸で青ヶ島(と八丈島)に行って東京の秘境を感じてきました。
こんにちは、最近離島にハマっているいそかわです。
今回は12月10日(土)〜11日(日)の土日で伊豆諸島の青ヶ島(と八丈島)に行ってまいりましたので、報告させていただきます。
離島って良いですよね(唐突)。のんびり流れる時間、気さくで優しい人たち、島特有の特産品、一般にイメージされる離島というのはこのようなものでしょうか。島は大体陸地に比べて言葉や文化が独自に発達しているので、島の外から来た人はその特異性に驚かされるのです。
かくいう私も、私自身は大阪出身なので離島出身ではないのですが、父方の祖父母が熊本の天草諸島の出身です。天草も離島の中では大きい方ではありますが、人と人の繋がりがとても強いです。ある方に「私の従兄弟は貴方の祖父の弟さんに名古屋で演歌を教えてもらって、演歌歌手になれたんです」という理由で年末のとても忙しい時期にも関わらず天草南部の牛深の観光に連れて行ってもらったりしていました。どんな縁だよと。都会でそんな縁を出されたらほぼマルチですよ。
日本には数多もの離島があり、有人島に限定しても416島(日本離島センター発表)あるそうです。もちろん離島も十人十色、様々な特徴がそれぞれにあるのですが、「日本で一番行きにくい有人島はどこか?」と聞かれたら多分「青ヶ島」と答える人が多いと思います。
その理由は圧倒的なアクセスの悪さです。青ヶ島へのアクセスは隣の八丈島から船もしくはヘリコプターの2択なのですが、どっちもクセが強い。
まず、船は1日1往復(およそ週5日出航)・料金2,670円なのですが、その就航率はなんと脅威の約50%です。半分ですよ半分。朝の田園都市線が半分くらいの確率でしか来なかったら大暴動が起きますよ。青ヶ島近辺は波が強くて接岸が難しくこのようになっているようです。「条件付き就航」といってとりあえず青ヶ島の近くまで行って接岸しようとしてできなかったら蜻蛉返りするとかもありますからね。青ヶ島の港の目の前まで行って帰ることも多いそうです。
一方のヘリは就航率約80-90%くらいらしいのですが、ヘリはヘリで1日1往復(毎日出航)でなんと9席分しかありません。9人とか選ばれし精鋭ですよ。ポケモン金銀のジョウト四天王&チャンピオン&カントー四天王みたいな感じです。就航率は船よりは高め(特に冬場は95%近くとなる)のため予約は常にいっぱいです。1ヶ月前から電話予約できるのですが電話予約開始の9時に予約を取りたい人たちが一斉に電話をかけるため全然つながりません。それでしばらくしてやっと電話が繋がったと思ったら売り切れ、なんてことも多いみたいです。しかもヘリは片道11,750円しますからね。ヘリは本当にどうしても行きたい人用だと思います。
(そもそも東京から八丈島までのフェリーや飛行機も欠航しがちなんですけどね笑。ここでは言及しませんが…)
アクセスはこんな感じです。控えめに言ってヤバいです(深刻な語彙力の欠如)。いかに青ヶ島が行きたくても行けない島なのか、これでご理解いただけたかと思います。青ヶ島に行くなら必死に電話かけてヘリを取るか、一か八かで船に乗るか、です。
ただ、私の場合は社畜であるということもあり、一か八かの賭けで船で青ヶ島に行くなんてことは考えられませんでした。また、最悪仕事を休めても1日だけ、と考えたらもう1泊2日で行くしかない、この時点で青ヶ島へのアクセスを選ぶとしたらヘリ一択でした。船は日曜日には出ないというのもあるんですけどね。
以下、私がヘリを予約するまでの流れを説明しますね。
遡ること11月11日。ヘリの予約サイトを見ていれば12月10日の八丈島→青ヶ島のヘリは予約が余っておりました。これなら11日の青ヶ島→八丈島の帰りの飛行機を必死に取れば青ヶ島に行けるんじゃないか、と朝9時から必死に電話をかけるも繋がらず。それでも諦めずにかけ続けて9時20分頃、なんと電話が繋がり無事八丈島と青ヶ島の間のヘリを往復分確保することができました。そこから急いで羽田〜八丈島までの飛行機、青ヶ島の宿・レンタカーを予約しました。
そして予約した日から旅行までの一ヶ月間は青ヶ島に関するYouTubeを観て青ヶ島への欲求を高めていました。
↑青ヶ島ちゃんねる。青ヶ島出身で実際に青ヶ島で生活されている佐々木加絵さんが日常などをYouTubeで公開されているチャンネル。人口170人弱の青ヶ島にYouTuberがいるなんて大変驚きである。
↑旅行チャンネルの「しげ旅」チャンネルで青ヶ島に行った際の動画。帰りの青ヶ島→八丈島の船が欠航になってしまった際のことも後編の動画で上がっているので、気になる人は前編後編観てみても良いかも。
1ヶ月経って青ヶ島に向かう当日(12月10日)。現地の天候は曇りながらも風も弱く視界も良好。これはヘリは間違いなく出るな、と安心して羽田空港へ向かい、まずは八丈島まで向かいました。
テンションの上がっていた私は、景気付けに八丈島名物の島寿司の弁当を食べました。カラシ入りの醤油に漬けになっており、ガッツリ辛かったです。
そしてヘリの搭乗手続きでございます。搭乗手続きでは名前と体重を言わなくてはなりません。まさか自分の体重を申告することになるとは思っていませんでした。
ヘリに乗る前って飛行機同様に荷物検査等をするんですよ。あの金属探知機も通るんです。そして、そうこうしているうちに時間がきてヘリに乗りました。向かうは青ヶ島…!!
スマホは電源を切らなくちゃいけなかったのでヘリの中の画像はありません。申し訳ございません。ただ、とても中がガタガタ揺れており、会話できないほどの轟音でした。滅多にできない経験だと思います。
そして、ヘリで八丈島から揺られること20分、青ヶ島まで来てしまいました。
ヘリポートでレンタカーの方に声をかけられ、レンタカーのお店まで直行。他愛もない世間話をしながらレンタカー屋まで向かいました。ただ、私の心の中は「明日しっかり帰れるのか」でいっぱいです。「明日ヘリ出そうですかね?」と聞いたら「多分出ると思うけど…まあいつかは帰れるから大丈夫だよ」というとんでもない回答。こりゃ参った。事実ではあるけどさ。
そして車を借りてすぐに車でお宿まで直行。と思ったのですが島の道路が狭いのなんの。よくこんなところ運転してるなって本当に思ってしまいます。ただ原付や自転車だと起伏の激しい青ヶ島では役に立たないそうで…車頼りの生活のようです。
また、青ヶ島は一部道路が土砂崩れなどで通行止めになっていたりするので、基本はこのマップを元に移動しなくてはなりません。ある程度観光地までの行き方は教えていただけるので、渡された地図とにらめっこしながら目的地まで向かうことになります。なお、Google Mapは通行止めなどの情報が反映されていないので、絶対信用してはいけないようです。天下のGoogleも青ヶ島には歯が立たなかったか…
11時にお宿に到着し、名前を伝えると部屋に通されました。その際に「お昼は12時ですからね」と伝えられました。青ヶ島では飲食店が無いため、お宿は基本3食付きです。飲食店が無い島は流石に初めてだったのでこの事実に結構戸惑いました。
昼食までの1時間で行けるところはあるかななんて思っていたら、青ヶ島最高峰の大凸部(おおとんぶ)なら片道20〜30分で登れると言われていたことを思い出しました。ちょっと時間大丈夫かな?なんて思いながらもとりあえず大凸部まで登ることに。
左の東台所神社への参拝道なんかに比べれば全然マシなのですが、大凸部へのルートも結構ハードでした。人の出入りが少ないせいか、苔が地面に生い茂っているのでツルツル滑るんですよね。山道に慣れていない人1人で行くのは危険かも。
そして10分ちょっと歩いていたら、ついに眼前に絶景が現れました。登山の醍醐味ですよね。嬉しくて普段絶対しないのに自撮りとかしてました。
思ってたよりも早く11時30分ごろにお宿に戻り、15分くらいして昼食ができたようで昼食をいただきました。なおこの日の昼食は「かき揚げうどん」でした。島唐辛子を入れたせいかかなり辛かったですがとても美味しかったです。
また、昼食の際に青ヶ島を紹介するパンフレットが置かれていたのでもらいました。こちらのデザインも青ヶ島ちゃんねるの佐々木加絵さんがされているらしいです…多才すぎる…
昼食を食べてさあ午後も観光するぞ!ってことでさっき「絶対登れないだろ」ってなってた東台所神社まで別ルートで向かうことに。また、途中に尾山展望公園もあるのでそちらでも島を眺めてみることにしました。
尾山展望公園を抜けて、東台所神社まで向かいます。東台所神社は「縁結びの神社」らしいのですが、「悲恋の末に島民7人を殺して自らも入水した」人物を祀っている神社なので、それを縁結びの神社ってしてしまうのすげーなとか思ってしまいました。発想の転換ってやつでしょうか。(多分違う)
正直、東台所神社ってこのルートが推奨されているんですけど、さっきのシダの生い茂っている急斜面を登ってきたら来れないことはないみたいなんですよ。実際崖の下みたいなところから男2人組の話し声が聞こえてきたんで、急斜面を登った人がいたみたいです。私には到底できません。なかやまきんに君レベルの超人だと思います。心なしか下の方から「パワー!」とか「ヤー!」とか聞こえていたような気がします(そんなわけない)。
一旦下山したら、お待ちかねのサウナに行くことにしました。東京の特に城南地区のサウナにたくさん通っている私にとって青ヶ島にサウナがあると知ったら行くしかありません。
ただ、サウナは集落から離れたところにあるので、レンタカーを走らせて30分ほどでカルデラの内部まで行くことにしました。
なんで青ヶ島なんかにサウナが、というと、火山の地熱で地面が温められたり水蒸気が出ていたりしており、その地熱を利用したサウナがあるということなのです。サウナブームで出来たとかではないようです。
とりあえず入館料300円を支払い、サウナに入ることに。シャンプーやボディソープは備え付けのものがあり、タオル1枚と水分補給用の水だけで行くこともできます。
サウナに入ってみると、意外と暖かい印象。温度としては60度くらいらしいのですが、湿度があるためしばらく入っているとしっかり汗が出てきました。そしてサウナから出たら水シャワーで体を冷やして風呂椅子に座る、という流れを何回かやっていたらしっかりととのうことができました。
サウナ上がりに、地熱の水蒸気を活用した蒸し機があったので、私も使うことにしました。蒸すのはこの日のためにわざわざ東京で買ってきたジャガイモ。うまくできるのでしょうか…
サウナ・地熱釜を体験した頃にはもう夕方になってきていたので、集落に戻ることに。お宿に帰る途中でレンタカーをお借りした十一屋酒店さんでお土産を買いました。
宿に戻ってきたのですがまだ少しだけ夕食の時間まで時間があったので徒歩で集落を散策することに。
さて日も沈み、待ちに待った夕食です。夕食はたくさん小鉢があって刺身もあってとても美味しかったです。
この日はお客は3人しかいなかったのですが、私以外の2人は警察官の方で、仕事で来られていたようです。それで地熱釜で蒸したサツマイモをもらったり八丈島のことをたくさん教えていただいて、本当に楽しかったです。ありがとうございました。
一応お宿の設備を紹介しておくとこんな感じです。新しいお宿なのでとても綺麗です。綺麗で食事も美味しいためとても人気で時期によっては満室になることもあるのだとか…
1日目は朝早く起きたこともあり、青酎にノックダウンされそのまま9時30分ごろには寝てしまいました…星見たかったけど曇ってたし仕方ない。
2日目。気付けば朝7時になっておりました。どんだけ爆睡してたんだ。久しぶりの爆睡に焦りながらも身支度を済ませて朝食をいただくことに。
チェックアウトを済ませたらレンタカーを返しに行って、ヘリポートまで戻ってきました。レンタカーを返した時もお店のおばあちゃんに色々話しかけていただいて本当に人と人の距離が近い島なんだなと再認識させられました。
ただ、私は心にずっと「本当に今日帰れるのか?」というモヤモヤが引っかかっており、朝からずっとビクビクしておりました。ただ、「就航」の文字が見えたので一安心。
ヘリポート付近の散策も終わり、帰りのヘリの搭乗手続きを済ませて待っていると帰りのヘリがやってきました。
そしてこのヘリに乗って、八丈島まで戻ってきました。
八丈島は本当に数時間ほどしかいなかったこともあり、ダイジェストで画像とその説明だけ上げていきます。
青ヶ島って私みたいに1泊2日で要所要所を回ることはできるんですけど、正直私は2泊3日したかったです。お宿の方にもレンタカー屋さんにも「あれ?今日帰るの?1泊2日で島を回れた?」と聞かれました。回ることはできるんですよ。でも島旅の醍醐味である「人と人とのふれあい」という点においては、1泊2日じゃやはり足りません。本当は居酒屋にも入ってみたかったですし、もっとたくさんの方とお話ししてみたかったです。
次行く時はなんとかして2泊3日で行きたいですね。この記事をご覧いただいた皆さまへも青ヶ島への旅程は2泊3日以上をおすすめします。
こんなに長い記事になるとは…すみません言いたいことがたくさんあって…最後まで読んでいただきありがとうございました。
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