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【コラム】母の七回忌と孤独の道のり

今日は家族で集まって、母の七回忌の法要をした。

僕の母は「昭和の専業主婦」だった。料理は全部手作り。掃除、洗濯、家事すべてワンオペ。

商社マンの父を支え、家の端から端まで毎日掃除し、僕と妹を必死で育てた。

男の僕にも、包丁の握り方から簡単な料理のしかた、皿の洗い方まで教えてくたので、一人暮らしで自炊に困ったことなどただの一日もない。

その一方で、多趣味の人でもあった。

クロワッサンの焼き方や籐のカゴの編み方、花の生け方まで、いろいろな習い事をしては、それを家事に生かしていた。

30年間の社会人生活で、発達障害にもかかわらず50回以上の会社で仕事をし、100枚以上の履歴書を書き、1,000人以上のユーザ対応を行ってこれたのも、きっと母のDNAを受け継いでいるからなのだろう。

「お笑いモンスター」は明石家さんま、「ファッションモンスター」はきゃりーぱみゅぱみゅだが、僕の場合はすっかり「チャレンジモンスター」になってしまった。

「発明王」として有名なエジソンは、白熱電球のフィラメント材料に最適な「竹」を発見するまでに、10,000回試行錯誤を重ねたそうだが、「10,000回失敗したのではなく、うまくいかない方法を10,000通り発見したのだ」と言っている。

「コロナウィルスの時代」では、うまくいくかどうか考える前に、現状を打破するためなら何でもやってみる機動力が重要だ。

失敗を怖がっている暇があるなら、そして何が何でも生き残りたいなら、とにかくチャレンジしてみることだ。

しかし、チャレンジをやりまくるということは、日本人の組織では浮いた存在となってしまい、やがてだれもいない一本道をただひとり歩むことになる。

その孤独に耐え忍びながらプロフェッショナルとしての人生を歩んでいれば、いつしか同志が集まってきてともに歩める日も来るだろう。

そんな楽しく輝かしい日がいつか来ることを夢見て、母の七回忌の日に仏壇に手を合わせた。


関西在住のWebライター/文筆家のタマゴです。私の書く文章があなたの人生を豊かにすることができていれば、ぜひサポートをお願いいたします。