死んだ後に「第二次世界大戦の趨勢を決める」大きな役割を果たした”名もなき”人。人生の奥深さを感じました。
先日BSプレミアムの番組で知った第二次世界大戦終盤の、イギリスによるドイツ攪乱の「ミンスミート作戦」。
偽情報書面を持ったイギリスの軍人が溺死事故でスペイン海岸に流れ着き、その偽情報でドイツの戦術をミスさせたという重要な作戦です。
番組ではその”軍人”マーティン大佐の正体は、アルコール中毒でホームレスの34歳でした(別人説もあるようです)。
彼自身の人生は虚しかったかもしれないけど、死んでから戦争終結に向けた重要な枠割を担ったなんて。( ゚Д゚)
滅多に起きない事象とはいえ、その巡り合わせについて現代に当てはめるとどうなるかな?と、しみじみ考えています。
記事引用。
ミンスミート作戦(ミンスミートさくせん、英: Operation Mincemeat)は、第二次世界大戦中の1943年にイギリス軍が実行し、非常な成功を収めた諜報作戦(欺瞞作戦)であり、ナチス・ドイツの上層部に連合国軍の反攻予定地はギリシャとサルデーニャを計画していると思い込ませ、実際の計画地がシチリアであることを秘匿することに成功した。
これはドイツ側に、彼らが全くの「偶然」から、連合国軍側の戦争計画に関する「極秘書類」を入手したと信じ込ませることで成し遂げられた。実は極秘書類はこの作戦のために用意された死体に固定されて、スペインの沿岸に漂着するように故意に投棄されたものであった。作戦の概要は、1953年に出版された書籍 The Man Who Never Was(『存在しなかった男』、筑摩書房刊行の日本語訳では『ある死体の冒険』)において大部分が明らかにされている。
(略)
マーティン少佐として知られる男はウエルバの無縁墓地に眠っている。ミンスミート作戦が伝説になるにつれ、ウィリアム・マーティン少佐の真の身上について、さまざまな説が唱えられ続けた。
グリンドウ・マイケル説
1996年にアマチュアの歴史家であるロジャー・モーガン(Roger Morgan)が、マーティンの正体はグリンドウ・マイケル(Glyndwr Michael)というウェールズのアルコール中毒の放浪者であり、彼は理由は不明であるが、殺鼠剤を嚥下して死亡したと暴露した 。歴史学者のクリストファー・アンドリューも著書 Defend the Realm の中で同じ結論に達している[14]。
現在ウエルバにあるマーティン少佐の墓には、モーガンの説に基づいて英連邦戦没者墓地委員会(Commonwealth War Graves Commission)の手によりグリンドウ・マイケルの名がつけ加えられている