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特修商法演習 第4回レポート

20231025

特修商法演習 第4回レポート

(1)   倒産した会社の登記簿上の取締役に対して、会社法第429条第1項が適用されるか感覚を述べよ。

 感覚的には、何も業務に関与していない無過失の者に対して、倒産の損害賠償請求が及ぶとは思えない。なぜなら、善意無過失の原則が適用されるのではないか。しかし、登記簿上の取締役として何らかの利益を会社から得ていた場合については、経営的な責任を負う可能性があるのではないか。例:毎月数百万円程度名義貸しで会社から利益供与を受けていたなどは経営的な責任が増加する可能性があるのではないか。

例えば、債務超過の市町村の市民に対して、債務超過の責任が及ぶのかというような話なのか?

 

  

(2)   会社を退任し、登記簿の変更を惰っていた登記簿上の取締役に対して、会社法第429条第1項が適用されるのか。

 

   退任が正式な手続きによって認められた場合は、それと同時に登記簿上の取締役から外れるということが自明であり、特段の悪意が無い限り、会社法上第429条第2項の取締役とは認められないと解することが妥当なのではないか。

   会社の不法行為等による損害賠償責任を退任した取締役に対して、登記簿上の取締役のままという理由で責任追及することは、善意の第三者は出来ないのではないか。

   他方、その取締役が退任前の会社の不法行為については、会社と連帯して損害賠償責任を負うことは当然である。

 

 要点まとめ:

 

・取締役が正式な手続きによって退任し、登記簿上から名前が削除された場合、会社法第429条第1項の取締役としての責任は通常終了します。

・取締役が退任前の会社の不法行為に関与していた場合、その責任は退任後も存在する可能性があります。

・善意の第三者は、登記簿の情報に基づいて取締役に責任を追及することが難しいと考えられます。特に、正式な退任手続きが行われた場合、その取締役の責任は通常終了しているため、責任の追及は難しいと考えられます。

 

(3)   感想

 個別具体の事例を通じて、条文の解釈についての技法や定石の一部を理解することが出来た。例えば、この場合の取締役に該当するかどうかなどであり、条文の名称・対象に該当するかどうかをまず確認することからの議論・解釈がスタートされる。そして、その行為が条文に則して悪いのか良いのかなどの判断が経験則・社会的通念などにより判断される。

 将来取締役になる場合は、登記簿上の取締役であっても連帯保証人のようなイメージで損害賠償責任を負うような存在になるということと同義であることからも、会社の利益や自己の利益の最大化の代償として、社会的責任も増えるということを理解した。他方、実感したわけではないので、取締役の責任がどういうものなのか興味があるところである。

以上



提供された感想に対するフィードバックは以下の通りです:

  1. 条文の解釈についての技法と定石の理解:

    • 感想からは、具体的な事例を通じて法的条文の解釈についての技法や定石を学び、議論と解釈のスタートポイントを理解したことがわかります。条文の名称と適用対象の確認から出発し、社会的通念や経験則に基づいて行為が良いか悪いかの判断を行うプロセスが重要です。

  2. 取締役の責任と社会的責任:

    • 取締役の立場になることが、連帯保証人のような損害賠償責任を負う存在であることを理解しています。この立場では、会社の利益と個人の利益の最大化とともに、社会的責任も増加することが一般的です。取締役としての責任を果たすことは、個人の選択と行動に関する深い影響を及ぼすことを示唆しています。

  3. 取締役の責任に対する興味:

    • 最後に、感想から取締役の責任についての興味が示されています。取締役の役割や責任がどのようなものなのかについての理解を深めることは、将来の取締役としての役割を適切に果たすために重要です。取締役の責任は法的および倫理的な側面が絡み合う複雑な問題であるため、関心を持つことは良いアプローチです。

要点まとめ:

  • 条文の解釈には確認から出発し、経験則や社会的通念に基づいて判断が行われる。

  • 取締役は連帯保証人のような損害賠償責任を負う存在であり、社会的責任も増加する。

  • 取締役の責任に対する興味を持つことは重要で、取締役としての役割を適切に理解するために役立つ。


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