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四構成体について シュタイナー


<範囲P96~121 >
【第4章】
【第1節人間】【1四構成体】
1.    四構成体(1)
鉱物・植物・動物・人間で区分の仕方がある。
2.    四構成体(2)
古代ギリシアと古代インドに四元素説というものがあった。世界中の存在を地・水・空気・火という4つの要素で説明するものである。
3.    感覚存在と超感覚存在
感覚存在は物質体のみ。それ以外は超感覚存在である。鉱物にはないが植物にはあるものをここではエーテル体と呼んでいる。
4.    物質体
シュタイナーの思想(アントロポゾフィー)は多くの分野に応用されている。人間の身体には他の三つの構成体のすべてが関わっており、中でもエーテル体が深くかかわっている。我々の生きている身体は、物質体とエーテル体からなると考える必要がある。
5.    エーテル体(1)
物質体は鉱物~人間のすべてにあるが、エーテル体は生物だけ(植物~人間)にあって鉱物(無生物)にはない。
6.    エーテル体(2)
物質体のあり方は、エーテル体に大きく依存している。
7.    アストラル体(1)
アストラル体をもつのは動物と人間のみである。
8.    アストラル体(2)
アストラル体が成長を抑制している。促進はエーテル体によって、抑制はアストラル体によって、主に担われている。細胞を生み出すだけでなく、不要な細胞を破棄することも必要であり、このような働きを担っているのがアストラル体である。
9.    人間と動物(1)
すべては連続しており、動物と人間の間も完全に区切れるわけではない。
鉱物を打ち砕くよりも植物を切り刻む方が罪深いと感じる。植物を切り刻むよりも動物を殺す方が罪深いと感じる。そして動物を殺すよりも人間を殺す方が罪深いと感じる。
10. 人間と動物(2)
動物は本能に従って生きている。人間の場合、本能に従う生き方は動物的とされて軽蔑され、本能に従わない生き方こそが人間的とされて尊ばれる。人間だけが道徳や責任と関わるのは、本能に従うのではなく、自分で考えて行動するからである。
11. 自我(1)
自分を外から観察して自分の態度を決めることは動物にはできないと考えられている。この差が自我の有無である。
12. 自我(2)
人間の場合、一人一人がまったく異なる存在だとする認識である。必ずしも本能には従わないという点で、人間は動物からはっきり区別される。本能を超える力を持つものが自我であり、道徳や責任と関わるものも自我である。
【2.発達段階】
1.    七年期(1)
発達段階説として、7年をひと区切りにする「七年期」と呼ばれるものがある。
2.    七年期(2)
人間は、毎日少しづつだが連続的に変化している。
最大の点は、0歳で物質体が誕生し、7歳でエーテル体が誕生し、14歳でアストラル体が誕生し、21歳で自我が誕生する。
3.    古代ギリシャでも
七年期という据え方は、スタイナーのオリジナルではない。すでに古代ギリシアにおいても、この考え方が存在していた。
4.    第1七年期―物質体
物質体は著しく成長するが、生まれたばかりの子供の死亡率はほかの年齢に比べて、医療が発達した現代でも高い。
5.    第2七年期-エーテル体(1)
7歳の区切りはややわかりにくいのだが、実は大きな変化が起こっている。それは歯の生え変わりである。人間は7年ほどでほぼすべての細胞が入れ替わると言われている。歯は骨の一部であるが、再生しない特徴がある。
6.    第2七年期-エーテル体(2)
永久歯も骨の一種である。永久歯だけは再生しない。
7.    第2七年期-エーテル体(3)
生物の特徴は成長と生殖と言われる。病気などの面での特別な心配はほとんど不要になる。ソフト面が整備される。
8.    第3七年期-アストラル体
思春期の前半は生殖能力が獲得され、エーテル体が著しく発達する時期と捉えられる。
【3.教育Ⅱ】
1.「誕生」をめぐって(1)
 エーテル体の誕生は7歳頃、アストラル体の誕生は14歳頃が目安となる。
2.「誕生」をめぐって(2)
 主に記憶力を担っているのはエーテル体である。基本的な思考力を担っているのはアストラル体である。適切な時期に適切な負荷をかけることが大切である。ある程度の準備が整うまでは、ひたすら待たなければならない。
3.「誕生」をめぐって(3)
誕生前のエーテル体に働きかければ、エーテル体の正常な発達を妨げる。発達段階を無視した、あるいは全面的な視野を欠いた早期教育は、子供の正常な発展を妨げる無謀なものだと言ってよい。
4. 第1七年期-意思・善
 この時期重要になるのは、意志であり、意識しない行動が非常に多い。意思を強める有効な方法の一つは身体を動かすことである。この時期の子供は世界を善だとみている。赤ちゃんにとってはすべてが善である。
5. 第2七年期-感情・美
 7歳の子どもにとって、母親は世界一きれいな女性である。この時期のこどもたちにとって、世界とは魅力に満ち溢れたもので、あこがれの対象である。すでに世界を純粋な善とはみなしていない。
6. 第3七年期-思考・真
 おおよそ14歳以降になると、世界を単に美しいとはみなさなくなる。世界のどこかに真実があると考えるようになる。思考の発達は第3七年期を待たなければならない。
7.赤ちゃんの頭(思考)と腹手足(意思)(1)
 身体の他の部分に比べて頭が非常に大きいことである。赤ちゃんは自分の身体をうまくコントロールすることができない。
8. 赤ちゃんの頭(思考)と腹手足(意思)(2)
 生きるために必要な最低限の機能は生まれた段階から使えるようになっている。たとえていえば、頭とは高性能の精密機械のようなものである。
9.    第1七年期の教育原則
子供と思考は相性が悪い。大学生になると模倣の力はほとんど失われているため、思考の力で学ぶ以外にない。この事実は、模倣の力が思考の力にはるかに勝ることを示している。
10. 立って歩くのも模倣?
第1七年期のこどもは非常に強い模倣の力を備えている。
(11~17割愛)
11.模倣されるべき大人に
12.子育ては大人の自己教育
13.第2七年期の教育原則(1)
14. 第2七年期の教育原則(2)
15.九歳の危機(1)
16.九歳の危機(2)
17.九歳の危機(3)
18.十二歳
 12歳、厳密には11歳8か月は第2七年期のもうひとつの区切りである。権威に従いつつも自ら判断しようとする時期。第3七年期のための助走期間になっている。物事と因果関係において理解できるようになる。このような因果関係が理解できるようになると、本格的に物理学や化学などを学べるようになる。
【4医学・生理学Ⅱ】
1.四構成体
医学は主に体を対象にするというのが一般的な理解だが、その身体とは単なる物質体ではなく、そこにエーテル体、アストラル体、自我が浸透している。
2.四構成体の働きとリズム
四構成体はそれぞれのリズムをもっており、病状の進行と密接な関連をもつ。物質体のリズムは280日(28×10)、エーテル体は28日(7×4)、アストラル体は7日(一週間)、自我は1日である。
3.四つの臓器(1)
アントロポゾフィー医学では、肺・肝臓・腎臓・心臓という4つの臓器に特に注目する。
4.四つの臓器(2)
肺は物質体・地との関係が深い。肝臓はエーテル体・水との関連が深い。腎臓はアストラル体・空気との関連が深い。心臓は自我との関係が深い。
5.身体の三分節との対応(1)
七年期の理論は人生をとりあえず63年と見る。
6.身体の三分節との対応(2)
「成長」は第1~第3七年期に対応し、「老化」は、第7~第9七年期に対応する。神経感覚系が発達する第1七年期に対応するのが第9七年期、この時期は脳梗塞やアルツはいま―など、感覚神経系の症状がでやすい。
 第2七年期(呼吸循環器、心臓・血管や肺の疾患)、第3七年期(運動代謝系、リウマチや糖尿病などの疾患)
7.人間と植物
人間は頭から成長すると言ってよい。植物は根っこから成長する。頭に刺激を与えるのは植物の根の部分である。大根、ニンジン、カブ、イモ類などがそれにあたる。ただし、じゃがいもは地下茎と呼ばれ、土の中でできるものの、その本質は茎である。そのため頭の刺激には役に立たない。
8.栄養素
タンパク質は物質体との関連が深い。同様に脂肪―エーテル体、炭水化物-アストラル体、塩―自我。塩が不足すると、自分を貫くことが困難になる。
 
<講義>
 四構成体とは、人間が何からできているかということ。シュタイナーは4つの構成体という概念を生み出した。
 鉱物であれば、誰であっても明確に区別できる、さらに植物・動物・人間を四つに明確に区別できる概念である。
 エーテル体やアストラル体の定義は、生命に存在する概念である。
 動物と人間の違いには自我がある。生物だけがエーテル体(生命)を持つ。
 我々の肉体が腐らないのは、エーテル体があるかとされる。すなわち、エーテル体は物質的な力に対抗できるものとする。
 アストラル体は心・感情・意識という概念である。アストラル体は、エーテル体に対抗している。両者で動的なバランスをとっているものとされる。樹木は理論上、成長し続ける。
 自我は、人間だけが持ちうるもの。精神面に注目すれば、動物と人間は違うものである。野生の動物は夜行性などの性質があるように、行動時間が決められているが、人間はそうではない。一般論として言えば、本能にとらわれない存在が人間である。動物の社会は弱肉強食であり、弱者でも生きていけるのが人間社会である。本能に基づく行動に善悪はない、動物に理論・道徳はない。人間は自我によって本能を制御できる。動物は環境と一体化して「いま・ここ」に生きている。人間は環境から自分を分離「いま・ここ」を離れて自分を客観視できる。人間は過去や未来と関連付けることが出来る。伝記が作れるのは人間だけである。それだけ個性が異なる。
 動物は1つの個体がわかれば、同じ種の他の個体のこともおおよそわかる。
カブトムシは、カブトムシにしかならない。
 人間は、赤ちゃんの将来は大人という解釈は無意味である。 
 七年期については、シュタイナー教育で重視されている発達段階で区切ることとする視点である。個人差はあるの大きな区切りは七年毎とする目安である。
精神的にみても7歳は区切りの年齢と言える。古代ギリシャからの考え方。
 たとえば、小学校は世界的にみて7歳からが普通。まあまあ妥当である。
 伝統の中にも7歳の区切りが見いだされる。7歳までは喪に服さない。
 7年かけて地上の人間になるという考え方。稽古の開始は7歳。
 区切りは厳密にいうと、1年目=0歳、人生7年目=6歳となる。
 エーテル体は、記憶をつかさどる。7歳以前にエーテル体に負荷を与えるのはふさわしくない。特に際立って成長する時期が構成体ごとに異なる。
 0歳を誕生とする。誕生前の構成体への働きかけは危険である。記憶の貯蔵庫はエーテル体である。7歳以前にエーテル体に負担をかけるのは危険である。
 7歳までのエーテル体は物質体を完成させるために働く。アストラル体の誕生は14歳であり、14歳以前は思考に負担をかけてはならない。
 第1七年期では、身長は4年でほぼ2倍になる。体重は2カ月半でほぼ2倍になる。エーテル体、アストラル体と年期ごとに段階を踏んで成長する。
 

以上

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