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「真剣なうなずき」のサインを見逃すな 『ISO通信』第66号(2021.12.30)

頭の中ではいろいろと考えているのに…
心の中には熱い想いがあるのに…
大勢の人の前でそれを言葉にしようとするとうまく伝えられない。
そんな風に思ったことはないでしょうか。

10代の頃の私は、いつもそうでした。
20代になって人前で話すことに少し慣れ、今では頭の中が整理されていない状態でも言葉が先に出てしまうことがあります。
感情が高ぶったときにその傾向があり、もう少し言葉を選べばよかった、と思うこともしばしばです。

人前で話すことが苦手な人は会議でも黙っていることが多いようですが、ある経営者から次のように聞いたことがあります。
「黙っていてもちゃんと考えている人と、ただボケーっとしている人の違いはすぐに分かる。話したいのだけど発言する勇気のない人からはその気配を感じる。そんな人に厳しい顔で『何か意見はないか』と尋ねると『特にありません』で終わってしまうので、優しく発言を促すようにしている。すると今まで発言していた人がハッとするような意見が出てくることもある。会議のファシリテーションでは、自信はないけどしゃべりたそうにしている人の気配を感じることも重要です」

この発言を聞いたのは数年前ですが、最近、ある会社の人事マネージャーが「オンライン会議では、ビデオ機能をオフにしての参加を認めるケースもありますが、それだと『真剣にうなずいている人』の顔が見えない。プロジェクト会議で発言がなかったとしても、真剣にうなずいている人はメンバーに加えたいのですが」と言っていました。
確かにそうだと思います。みんなの前で発言することが苦手でも、真剣にうなずいている表情を見ると共感してくれていることは分かります。

話は変わりますが、久しぶりに英語だけで話す会議に参加し、スピーキングの力が落ちていることを実感しました。相手の面前で話すときは、言葉がたどたどしくても身振り手振りでなんとか伝わっているような気もするのですが、オンラインだとジェスチャーで一生懸命さをアピールしようとしても、伝っていないように感じて不安になります。
英語会議における私のジェスチャーには「真剣なうなずき」と同じような効果があると期待しているのですが、相手がどこまで汲み取ってくれているかは定かでありません。
国際会議においては「何も発言せずニコニコと笑っているだけの日本人は薄気味悪い」と言われることもあるので、しっかりと発言することが大切です。そう思ってオンライン英会話を再開したのですが、世界各国の人々と会話していると「JAPANブランドには、まだ賞味期限が残っている」と感じる発見がありました。

JAPANブランドの賞味期限ってなに?と思ってくれた方がいたら、次号をお待ちいただければ幸いです。

本年も『ISO通信』にお付き合い頂き、ありがとうございました。
来年もよろしくお願いいたします。


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