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【レビュー】Apple Vision Proの個人的に面白かった音楽系アプリ3選


この記事はMESONで実施中のApple Vision Pro 1ヶ月記事投稿チャレンジ2/17の記事となります。過去に公開された記事も併せて読んでいただけると嬉しいです!

前日2/16の記事はこちら:VisionProアプリの今後のUX・UIを推測😎

概要

みなさんこんにちは。MESONのディレクターをしているisleと申します。
Vision Proの発売から2週間ほど経ち、国内でも様々なレビュー記事が発信され注目を集めています。ローンチ時のアプリ数はわずか150個程度と噂されていたものの、ふたを開けてみると現在までに1000本以上のアプリがリリースされています。

常日頃から音とXR技術に組み合わせに関心があり、今回の記事はApple Vision Proの機能を活かしたアプリをピックアップし実際に体験してみた感想をお伝えできればと思います!

djay for Apple Vision Pro

Algoriddim社がスマートフォン/タブレット向けに提供しているDJアプリ"djay"がApple Vision Proにも対応しました。

Apple Vision Proの強みでもある高精度のハンドトラッキングやビデオパススルー、現実空間に3Dオブジェクトを配置できる機能を活かして、バーチャルのターンテーブルを現実世界に配置し、直感的な操作でDJプレイを楽しむことができます。

上部の四角い箱のボタンを押し、"Room"を選択すると現実世界にターンテーブルを配置できる

無料版ではいままでのアプリでおなじみの画面が表示されますが、Pro版へのアップグレードを行うことで今回の目玉である3Dターンテーブルを使うことができます。

弊社オフィスの机に3Dターンテーブルを配置してみました。現実世界でのDJプレイと同様に2台のターンテーブルとミキサーを駆使して音楽をつないでいきます。ターンテーブルは再生ボタンとテンポフェーダー、アームを操作することができ、レコードの盤面を触るとちゃんとスクラッチもできます。ミキサーについてはイコライザーを操作する部分に拡大表示された曲の波形情報やBPM、レベルメーターが表示され曲をつなぐ際は下部のクロスフェーダーを動かしてうまくトランジションさせていきます。
曲をモニターしたいときは、モニターしたい曲がかかってる側の手を耳に当てる(DJがヘッドホンを抑えているポーズ)ことで片方の曲だけを聞くこともできます。これは予想してなかった機能なだけに初見ではかなり感動がありました!

体験してて面白かったのがこの3Dエフェクター。枠の中に手を入れることで各種エフェクトやループを作動させることができ、上下の高さと奥行きでパラメーターを変更することができます。

FXの枠の中に手を入れるとボックスに変化し、3次元的なエフェクトプレイが楽しめる。
ハイパス/ローパスフィルタは押し込んだままにするとその位置で固定できる

従来のアプリのようにタブに表示されているアートワークをタップすることで曲の変更もできますが、後ろを振り向くとレコードがずらっと並んでおり、その中から使いたい曲を取り出してターンテーブルにセットすることもできます。

現実の機材を完全にシミュレートするのではなく、Apple Vision Proの持つ高精度なハンドトラッキングを活かした操作ができるのはこのデバイスでしかできないと思わせてくれる特別感があります。初心者でもDJプレイを楽しめるように機能についてはかなり絞られている感じですが、従来のアプリにあったようにより詳細な操作ができるモードも今後のアップデートで実装されるともっと楽しめそうです。

Animoog Galaxy

”Animoog Galaxy” はMoog Musicが提供するApple Vision Pro向けのシンセサイザーアプリです。同社からすでにリリースされている"Animoog Z Synthesizer"をベースに空間コンピューティング専用に感覚的な操作にフォーカスを当てています。

パススルーモード

パススルーモードではシンセサイザーの動きが3Dでビジュアライズされたものを楽しめます。演奏したいときや詳細なパラメーターを弄りたいときはタブの右下にある"GALAXY"を押すことで、背景が切り替わり没入モードへと遷移します。

没入モード。各種パラメーターを設定できる。

Animoog GalaxyはAnisotropic Synthesis Engine(ASE)という技術を使用したシンセサイザーです。アプリ内のオービット(白い点)に視線を合わせながらピンチ(つまむ)ことでオービットを3D空間内で動かし、ウェーブテーブル波形に様々な変化を与えることができます。X軸を動かすと波形の再生位置を変化させ、Y軸を動かすとあらかじめ設定しておいた8つのウェーブテーブルの間を行き来させます。そしてZ軸に動かすことで音に揺らぎを与え、より複雑な音を奏でることができます。

X軸にゆらぎを与えると、コメットも連動して軌道が変わる。

音を出したときに動き出す軌道はコメット(彗星)といい、音の動きをわかりやすくビジュアライズしてくれます。基本的にはコメットの動きを見ながらパラメーターを弄って理想の音に近づけていくといった感じでしょうか。

鍵盤部分をつまんだまま上下に動かすことでベロシティの変更ができる。

また、鍵盤での操作のほか、シーケンサーや外部MIDIコントローラーでの演奏もできるため、手持ちの機材とあわせて使ってみても面白そうです。
また、Apple Vision Proでは複数のアプリを同時に起動しておけるため、他社のシンセサイザーやドラムマシンアプリを立ち上げてセッションを行うこともできます。

シンセサイザーの知識は本当に素人レベルなため、今のところ機能の数パーセントぐらいしか使いこなせてないような気がしますが、この手の専門家の方に使ってもらってどんな感想が出てくるか個人的には興味があります!

Odio - Spatial Soundscape

オランダのスタジオ、Volstが作成した"Odio"はEscape noise polution(環境騒音からの脱出)をテーマにした3Dサウンドスケープ生成アプリです。空間上に様々な音を発する3Dオーナメント(装飾)を配置することで、自分の好みに合った環境音を構築することができます。

1つのオーナメントにつき1つの環境音が割り当てられている。このオーナメントには蝉の鳴き声が収録されている。

現在オーナメントは"H2O"と"alliage"の2つのパックが販売されており、今後のアップデートで新しく追加されていきそうです。

矢印が音の向き。手で触るとオーナメントを回転させることができる。

Apple Vision ProのSpatial Audio機能を使っており、オーナメントの音には指向性があります。向きを変えることで音の発せられる位置を変えたり、オーナメントとユーザーの距離によって音量の減衰も発生するため、向きや距離を調節しながら自分の心地よいと思う場所に配置していきます。

またオーナメントは複数置くこともできるため、例えば雨の音に加えてシンセパッドのようなアンビエントサウンドを加える・・・といった複雑な環境音を作り出すこともできます。
仕事や作業に集中したいときやリラックスしたいときに生活空間の片隅にインテリアとして配置する使い方はMESONで開発した"SunnyTune"と近しいコンセプトを感じます。音や天気に限らず、いろいろなアプリが形を変えて我々の住む現実空間と共存する未来もそう遠くない話なのではないでしょうか。

まとめ

今回は個人的に体験して面白かった音にまつわるアプリを3つ紹介させていただきました。Apple Vision Proが発売されてから間もないためそれらの機能を十分に活かしきれているアプリはまだそれほど多くない印象ですが、今後は既存の音楽系アプリが空間コンピューティング時代にどう変容していくか気になりますし、我々も想像できないようなコンセプトを持ったアプリが登場してくることを楽しみにしています。

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