Log_2023.07
これは時は平安、文化が花開いたこの時期から日本には四季というものがあり、そのどれもがクソということを簡潔に示した有名な一説である。
そのなかでも雅と教養を身に着けた文化人の代表と名高い清少納言すら「シンプルにくたばれ」と切り捨てるのがこの夏という季節。陰キャ文化人の僕も、体質的には相当この季節が苦手。
……なんだけど世間的にはイベントに適した季節とされているこの季節、少しでも好きな夏を見つけるために一歩外に出て、見つけた夏の思い出を書いていこうと思う。
・7/1 at 秋葉原
本来の予定が曲がりに曲がりまくった結果こうなった。1ヶ月ぶりに、折角会えるチャンスだったのになぁとは思いつつも同じくらい行きたい現場があることは良いことなのか悪いことなのか。
そんな軽めに落ちた気分くらいはものともせずに吹き飛ばしてくれるのがさとりモンスター。インスタライブで何度も見せてくれたつきちゃんの音楽に対する幅と、幅の広い曲の手札を持つさとりモンスター、他の視点から曲を投げてくる対バン相手、それらの相性が悪いわけが無い。神話級2回、ゴーイン締めの中にサトリンゴや春が踊るといった久々のレアトラックも観れて満足。全てが終わったあとのフロアは雨模様の日の廊下の如くツルツルツールツルだった。
春が踊るでのマイクアクシデント、そっともりおさんにマイクを手渡すあすさん、手渡したことを忘れて飛んだ音を何も言わず補うまりなちゃん、そういうとこがこのチームの良いとこ。
この日は縁あってわれプワのオタクさん達に混ぜて貰って飲酒。場数をたくさん踏んできた人たちの話は面白さも重みも一味違った。
・7/2 at 新宿
予定には無かったけど行くことにした一日。
登場の瞬間病気になった。ポニテと低めツインのときはマジで前もって予告してよ……
この日は5/24以来の星降るがなかった一日。
この現場での視点を自覚してから1ヶ月以上も彼女の見せ場と言ってもいいシーンを味わえたことも、それがないこの日のセットリストも、同じくらい楽しんでいる自分に気づいて初心者期間の終わりを察するなど。
行ったら保健委員長のくだりイジられた。泣いていいかな、、、
・7/7-8 at 福岡
お前、九州だけは絶対に来いよ(意訳)
と直接言われたので火のついてない爆弾を全て上司にぶん投げて前日入り。
それなりに福岡を満喫してお楽しみタイム、北海道と静岡のアイドルによる対バン・in福岡。普段以上に情緒があっちこっち行ったり来たりの80分。
・タイトル未定
久々に涙腺が耐えられなくてダメになる感覚があった。
学生のとき、何度も授業とバイトの隙間にねじ込んでバスに乗り込んで遊びに行った、何かに熱心にのめり込むオタクとしての第一歩を踏み出したきっかけの街に、思い出に新しい層を重ねるタイミングで聴く「僕ら」、あまりにもクリティカルヒット。4人が上手向きに並んで構えた瞬間にめちゃくちゃ視界が歪んでしまっていた。居ることはその時点でバレバレだったから、見られていなかったのだけが救い。
・fishbowl
そんなセンチを吹き飛ばすようなセットリストは多分脳内を覗かれてた。たくさん踊れる曲+風花でお願いしますのオーダー通り、大変ありがとうございました。
隔月で観るたびどんどん魅力が増してる木村日音さん、大拍手
思い出の土地で過ごしたセンチと爆発の一日の終わり。
アイドルを追っかけて2年ぶりにやってきた思い出深い地で刻まれた100の数字と、2回目の「これからもよろしくな」の関係の証明を手に、足取りは軽く宿を探しに消えていったのであった……
・7/9 at 渋谷
上記の画像のせいで完徹のグロッキーな表情で福岡から渋谷直行のムーブ。
エアラ爆踊りしようとしたら全身が運動を拒否して二日酔いの二日の部分が口から出ようとしたので泣く泣く健康ライブ鑑賞モードに移行。さすがSOVAと言わんばかり、揺れてて気持ちの悪くなる音は無い。
ある種の病気のような気持ちを自覚して以降、意思と反して冷静な気持ちで観た星降る、あからさまな気持ちの表現として前に踏み出さなくても黄色い光を見つけてくれるのが嬉しいみたいなところ、ある。
・7/15 at 下北沢
メンテナンスしたらしい髪の色良、その浴衣でデカい紙パックのオレンジジュース飲んでるの想像するといろいろとはかどる(直接言わない)(出禁)
冗談はそこまでにしておいて、この人ってやっぱり自分にとってリスポーン地点みたいな人なんだな、とこの2週間久々に接して思った。悩みや闇を得たときに他愛無い会話やちょっと踏み込んだ相談、そしてライブでの立ち振舞いで前を向こうと思わせてくれる。
ちょっと気持ちが走りがちな今日この頃に相応しい、原点に帰るかのようにリリース早めの曲を並べたライブを浴び、心は安全運転を心がけて、身体は2週連続の西へ向かうのであった。
・7/16-17 at 大阪
しばらく来ないだろうなと思っていた大阪、割と早めのご帰還。旅のお目当て?そんなの、ひらがな1文字で充分だよ……
・Quubi
お目当ての心斎橋に向かう前に本場のキツネさんを観測しに。リリースから「え、この曲、あまりにも好きすぎる……」と話題の新曲「Dear my…」の回収に成功しニコニコ&クネクネ。
Quubi、「メインでは聴かないけど、たまに聴く好きな曲を集めたプレイリストに入ってる曲」の集合体みたいなとこある。たまに聴くラルクとかワンオクとかめちゃくちゃ良い、あの気持ち。ご理解いただきありがとうございます。
ふにゃふにゃ面白人間さん、喉はご自愛ください
・airattic
お目当て前準備運動2セット目、上手の段差の上でダンスしてたら終わってた。っぱエアラなんすよ、フィルムリールを回しての「リールを回しての部分」チェキを撮らなかったのだけ後悔してる。←そんな理由で顔面を軽率に増やそうとするな
・Kolokol
初手上手端に位置取ったお目当ての「あ」を観測し、「Deeper Deeper」で床余裕。Kolokolのことが好きすぎて全部のイントロで叫んでいたらしい。
はじめて見た日以来の「Hello」だったり新曲だったり盛りだくさん、ホントに来てよかったし観れてよかった。ふと気付いたけど隔月ペースで大阪で観てるのはなんというか……観たいと思う気持ちがしっかり動く証拠だとポジティブに考えましょ。
最後、見つかったときあからさまに「お前おるんかい!」みたいにビックリした顔を見逃さなかったので、なんか得した気分になった。
・situation
BLOOPで振り向いたときの「あ」さんの新色の髪、似合いすぎてそのあとの1988一生マサイしてた。ワンマンまではそのままの君でいてほしい。21歳おめでとうございます。
・tipToe.
この「あ」を追いかけて遠くに行くって決断をするまでのスパン、とても早かった。ひとつひとつをできるだけ、無理しない範囲で逃さないようにしたい。そんな気持ちの加速が行動に直結してる。ライブの楽しみ方もそう。昔からの付き合いのモグラさんに「ぴぃ高ちゃん/tipToe.のすがた」をはじめて目撃されて笑われて、「あ、人から見ても明らかに変わってるんだな」と思うなど。
そんな現場、2日間通して魔法がかかったみたいに楽しかった。予想外の「My Long Prologue」から始まった初日、どんどん洗練されてる印象を受けた。2日目はあいりちゃんパートを真っ直ぐな目で歌う表情が良すぎてルーブル美術館に飾りたい気持ちになった。
それはそうと、「あ」の子に2日連続でヘアゴム渡したの誰?中2〜3にかけての放課後の記憶がホントにフラッシュバックして良くないんだって言ってるでしょ、、、
・さとりモンスター
前にこの「あ」を見たくなって遠征したときは、ヤツはスーパー清楚モードに突入してて、それを補うようなチームの動きになにがなんだか分からないくらい感動してしまってはじめてチェキ券を全員分買って回るなんていう行動をしたんだよな。(そのせいで半分くらいに名古屋住みって思われてたらしいことを今月の定期で知ることになる)
そんなことを思い出して少しセンチになって、ゴーインマイウェイの一音目で「あ」がしっかり歌えることを確認して、すぐ忘れた。楽しくて。
あのときの忘れ物はさとりモンスターのライブに行く回数を重ねて拾い集められたから、モヤモヤなく楽しめる場所として大阪でも振る舞えたんじゃないかな、そんな気がする。
最初の下北沢も含めれば異様に濃い「あ」の密度で過ごした週末。ホントにたまたまなんだよなぁ……、ホント……
〜番外編〜
実は珍しく観光を嗜んだというお話。
折角だからと遠出して京都も巡ったいい旅行。なかなか遠征はライブ以外を目的にしない人種なので物珍しい目で同行者に見られた。
・7/20 at 下北沢
【定期】第3木曜日
スレタイの通り。
熱中症まっしぐらセトリ、前半ちょっと静かだな、と思ってたら最後に頭の悪い並びが飛んできてフロアでグルグルグールグル。多分NHK教育テレビの子どもたちより回ってた。わんわん、うーたん、正直疲れたよ……
ギャル、たいへんよいもの。
ギャル、たいへんこわいもの。
ギャル、たいへん、萌えなもの。
・7/22 at 日比谷
身体で、目で、口で浴び続けた夏を耳で感じられる特別な場所。流行り廃り、興味関心、移ろいゆく気持ちのなかで揺らがずに聴き続けた音楽を心ゆくまま味わう時間。
Base Ball Bear・日比谷ノンフィクションⅩ。
この日のために7月を生きてきたみたいなところある。
20年の集大成ともいえる武道館ライブの前哨戦と言わんばかりに多くの要素を詰め込んだ祭りのような前回に引き続き、大きなコンセプトを押し出したライブ。そのコンセプトとはズバリ、「夏」。
小出祐介氏自らが「サザン、TUBEの次に夏曲が多い」と称した手札を、武道館、ツアーとより一層骨太になった演奏で披露してくる。
「神々LOOKS YOU」「星が欲しい」といった3ピースでどう演奏するか期待していた曲や、定番の「short hair」の「やっぱりこれなんだよな」感、座席の妙でしっかりと見届けられた新曲「Endless Etude」の変態的な演奏ギミック、「試される」以降の「古き良きBase Ball Bearのテンプレート」を感じられる畳みかけ。
見どころ聴きどころをあげればキリがない2時間、アンコールの「senkou_hanabi」で水色の浴衣を着て大人っぽくなった彼女との存在しない淡い記憶を引きずって巨大な余韻のまま日比谷を後に。
年に一度の祭りはかくあるべし。100年の歴史を経た日比谷野外音楽堂の改修後もまた、この場所でBase Ball Bearを浴びたい、そう思うばかりだった。
浴衣、ねぇ……ふぅん……(何かを買う音)
・7/27 at 渋谷
ご招待をいただき真っ白なキャンバスの橋本美桜さんの生誕祭へ。昔からの顔と久々に話せて良かったねの顔。ピンクの生誕衣装、なんとなく大阪の人を思い出した。
・7/29 at 代官山
行くつもりが無かったはずなのに追加で北海道の人を後出しされてぐぬぬ……と言いながら行ったら観たグループ全部楽しかった日。TOKYOって書いてるグループ?特典会だったから今日も東京では観てない^^
2ヶ月ぶりのリンワンは身体が(花琳ちゃんを)覚えていたし、バトルモンスター・シルバー同期のダルフォン、タイテの噛み合いが悪すぎてずっと見られなかったミラミラも回収。この日の最後に観たsituasionは大阪で覚えたばかりのBLOOP再演。全て終わったと見せかけてJAPANESE HORRER STORYを捩じ込んできて、お前なんのオタクだよってくらい動いてた。いや、杏優ちゃんだけど
・タイトル未定
なんだかんだ5月以来聴いてなかった「最適解」、回数を重ねるごとにモノクロに色が付いていくように華やかになっていく、そんな歌だというひとつの結論を得た。
初めて聞いたときに感じた悲壮感みたいなものは徐々に和らいでいき、この日、前向きなポップとして聴くことができたように思う。全員がパワーアップしないとここまでのものは作れないし、そのパワーを途切れずに「栞」以降に繋げていく幸せな30分。大胆なイメチェンをした女性の余韻で暫く拍手しかできなかった。
・tipToe.
30分ポニテ観て耐性つけたのにポニテで発症(今月何回目だよ)
意識しないままに消化してきた曲を改めて浴びるのが、初見のときよりもより突き刺さる、というのが持論。この日は「Letter」が気持ちよくてずっと音に身を任せながら続く「レゾンデートル」までキリッとした表情を眺めていた。カッコよく、そして楽しくまとめ上げるこの日のセットリスト。これが翌日の対比になっているとはいざ知らず……
・7/30 at 渋谷
楽しさを知っている場所と、気持ちが変な熱を帯びている場所。それが重なる今月最後の一日。かつて「好きと好きをぶつけるのはキャパオーバー」と言っていた自分が嘘のようにこの日が楽しみで、楽しんだ。
いつからか後ろではしゃぐのがお決まりになっていたから、久々に前で観た気がするさとりモンスター。折角だしちゃんと目合わせてみるか〜と思ってたけどなんか自然と逸らしてしまっててなんか不思議な気持ちになるなど。あ、普段後ろで大声を出すFF内外のおともだちがいなくて3人分くらいのデカい声出してすいません……呪文の始動はじめてやった鴨試練
そんな人間が急にストン、と釘付けにされて動けない。この日のtipToe.がぶつけてきたライブをまとめるなら、こんな感じ。
何が何だかわからない、勢いに任せて通い詰めた、そんなここまでの総仕上げ。ひとつひとつが全力で、必死で、真っすぐなあの子がこんな表情を見せるなんて、と息を呑んでしまったワンシーン。それに引き続いたのがシンプルに好き!聴きたい!で行き始めるきっかけになった曲「ユナイト」。あのときのようにステージ全部を見つめる余裕なんてものは無く、視点は一点に注がれ、その一点に複雑な気持ちがどんどん積まれていく。最後が星降るだったから気持ちをいい具合に弾けて散らせたけど、そうじゃなかったらどうなっていたんだろう。
その答えが出てくるのは、まだまだ(と、言えないのかもしれない)先の話なんだろうな。少なくとも、3日じゃわからなかった実績はある。
「あんな顔でライブ観てるのはじめて見たよ」
そう言いながら手渡された一枚、いつもより短いハンネという些細な変化に頭を抱えて今月は終了。
名前の縮みは距離の縮み、ってことでいいですか?
・総括
7月、原点を思い出して地固めするような月。育った九州でみたアイドルを追っかけはじめるきっかけの人との思い出だったり、大好きなバンドのライブだったり。「はじめまして」という言葉を使わずに、今の自分に直結する人やものから得た気持ちを「嫌いな夏の、いいとこ探し」の過程で拾っていった。
そして固まった地面の上をどう走りたいかという気持ちも一緒に固まった気がする。7月も真ん中になったときに書き直した先月の日記の最後の一節がその片鱗。流石に遠征後の朝五時前に足跡がついたのは予想外でしたが
今回は重たいあとがきはなし。
夏、なんだかんだ楽しんではりますなぁ。
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