「一億総審査員時代」がきてるね【THE SECOND感想】

結成16年以上の漫才師No.1トーナメント
『THE SECOND』
先日ついに放送されましたね!

とにかくどの組も面白く、話術レベルの高さが圧倒的だったのが印象深い大会でした。
各組を観ての感想を残しておこうと思います。


ギャロップ

優勝おめでとうございます!!
決勝ネタ面白すぎた。くるぞ…くるぞ…からの「パンが一番うまい」はアホほど笑いました。

以前M-1グランプリでこき下ろされたハゲネタでしたが、今回は全然違った印象を受けました。
前は自虐の空気が強かったけど、今回はハゲが完全に【武器】になっていたので、もはや感動すら覚えました。トレンディエンジェルもこういう路線ですよね。

喋りも上手いうえに人間味があふれるネタだったので、愛されキャラとして昇華されたような感じがあります。

3本目のネタはもはや芸術でした。面白かったです。おめでとうございます。

マシンガンズ

紙を見ながら漫才するのは、『エンタの神様』時代のマシンガンズを知っている身からすれば「うわ!なつかし!」と思ってテンション上がったんですが、たしかに違和感を覚える人はいるかもしれません。私は松本さんの指摘で気づきました。

会場にいたのは『お笑いファン』の方々なので、2本目のネタは紙を出そうとあまり低評価に結びつかなかったのかな?ただ普通にネタとしてみたら、たしかに漫才中に紙(小道具)を出してくるのは評価されにくいかもです。
あと3本目の序盤で自虐が強かったのももったいなかったかな……。

ただネタを用意してないのに、きちんと6分ステージに立ったのはマジですごいと思います。他のコンビのファンからはいろいろ言われてそうですがね(笑)

さらに2人とも緊張してるのがめっちゃ伝わってきたので、逆に可愛い!いい歳したおじさんなのに!と思ってしまい、今後もテレビでの露出が増えそうな愛らしさがありました。テレビにもっと出て、滝沢さんのゴミ清掃員の仕事も減るかもしれないですね。

テンダラー

間違いなく優勝候補だったと思います。
年の瀬は必ずTHE MANZAIに呼ばれ、その度に爆笑を誘うテンダラー。
正直負けてしまったのが残念すぎ。ただ、どうして漫才中テーマが何度も変わるネタで勝負しにきたのかな?とは思いました。
1本の漫才中に恋愛ドラマ、駅伝…と、話のテーマが何度も変わっていました。テーマが変わるとそこまでの笑いがリセットされちゃうので、わりと難しい構成だと思うんですけどね……。

ただそんなハンデを抱えた構成でもボケ1個1個がめちゃくちゃ面白く、すごく笑ったのでやっぱテンダラーつえぇぇぇぇぇ!!!!!やっべえぇぇえええ!!!!!
って思いました。M-1グランプリファイナリストのカベポスターも「あれどうやってんの?未だに理解できてない」ってラジオで言ってました。熟練されすぎて芸人さんでも理解が追いついてないよ。
テーマが一貫してる漫才だったら、確実に8組中1位だと勝手に思っています。

ちなみに一緒に観ていた彼はテンダラーゴリ推しだったので、終始ゲヒャゲヒャ笑ってました。たぶんテーマ統一してる構成だったら3倍は笑ってたよ。 

囲碁将棋

面白かったです!一番ちゃんとした「ネタ」で勝負してる感がありました。好感が持てます。
「初心者なのに調子乗ってるテーマでショートコントに挑戦しようとする」というネタで玄人向けっぽさがありつつ、あるある要素も感じられました。結果万人受けする絶妙なバランスで練り上げられた、センスが際立つ面白さだったと思います。

「3点を入れた人が多いほうが勝ち」というルールに則り残念ながら敗退してしまいましたが、準決勝で1点勢が0人だった結果は今大会一の評価に値すべきでしょう。

超新塾

面白い!面白いんだけど……!!
なんでしょう、以前の5人時代が好きだったので、個人的に物足りなさを感じてしまったな……。
いや、どっちかというと時代の流れですかね(笑)これは無視してください。完全に個人の感想なので。
漫才はテレビで披露する場がまだまだ少ないですが、超新塾のような「超新塾にしかできないローテーション漫才」を観る機会が増えて欲しい。

スピードワゴン

観たことめっちゃあるネタだと最初は思いましたが、話術のせいで既視感もなく面白かったです。

井戸田さん「好きになった女がたまたま女優だった!!そういうことだよなぁぁあ!!」
小沢さん「説得力がすごい!!」

このやりとりの爆発力がすごかったです。
これだけ長い芸歴を積んできた今だからこその、「観る意味」や「ザセカンドに出る意味」を感じられました。

あと単純にスピードワゴンの2人がネタをしている姿を見ると嬉しいですね。長く続いているコンビのネタを久しぶりに観るともはやエモいです。
またテレビで漫才してほしい!!

三四郎

個人的には、一番笑いどころが少なかったです。流れ星☆のたきうえさんがひとこと言いたくなる気持ちもわかるな〜と。
あ、一応言っておくと私はキンコメも佐久間さんのネタもわかりますよ。

まあ戦略としてそういった闘い方も、もちろんナシではないと思います。でもだとしたらコメント中に、ボケでも1点つけた人のことに触れないで欲しかったな。
確実に評価する人を選ぶネタですし、「低評価もありうる」とした上で勝負しにきてると思うので、1点つけられるのもわかったうえでネタ選びしてるんじゃないの?と思っちゃいました。

「客がお笑いを語るな」という意見もわかりますが、私は逆も然りで「芸人が客を語るな」も成立するものだと思っています。結論、ほっとこう。(自戒)


金属バット

「やっと金属バットがテレビで見られたー!!」という、お笑いファンの喜びが聞こえてきそうなくらいの追い風でしたね。
たぶんお笑いファンの方々は、M-1グランプリ敗者復活戦とかでもっとガチガチに尖った金属バットを見てるから、少し物足りなさもあったんじゃないかな?いや、それにしたって面白すぎるけどな。

あの力の抜けた雑談感、見てて安心しますね。またテレビに出て漫才して欲しい。「思想つっよ!!」のツッコミ、毎回見たいです。

ところで

なんでみんなあんなに早口で聞き取りづらいセリフが多かったんでしょう?(笑)
M-1グランプリのほうがもっとセリフが聞き取りやすい漫才師が多いですね。全体を通してそこだけ少し残念でした。

一億総審査員時代が来た

一般の人である審査員の方々のコメントにも注目が集まった今回。

最初は「この時間どうなの……?」と多少ヒヤヒヤしましたが、
「全員が自分の目線で、お笑いと真摯に向き合っている」
と途中から気づきました。
それゆえの熱い分析コメントだったんじゃないかと。

第一回目なので改善点ももちろんあるとは思いますが、M-1グランプリとはまた違う評価方法として今後も続けられていく気がします。

お笑いファンって、たぶんですけど
一人ひとり自分の中に「お笑いを語るための言葉」というものを持っているんだと思います。だから、コメントを求められた多くの人がすらすら自分の考えを言えたんじゃないかなぁ。

お笑いが好きであれば好きであるほど、私たちは「なぜ笑ったのか」「今のネタのどこがどう面白かったのか」を言語化しようとします。
笑いって形がないものですから、少しでも確かなものとして記憶するためには「言葉」にするしかないんですよね。
たしかに幸せに近い「笑い」という行為に、自分の中で確かな意味を持たせるためにお笑いファンはお笑いを語るのだと思います。
お笑いファンはファンであると同時に、全員がお笑いの審査員なのです。

その結果、音楽好きは音楽を語るための言葉を多く手に入れるし、お笑い好きはお笑いを語るための言葉を沢山手に入れるようになります。

プロの方々が「お笑い語る素人ウザイ」となる気持ちも大変よくわかりますが、誹謗中傷でない限りは延々語らせていただけると幸いです。素人なりにお笑いを愛している、大多数の人はただそれだけです。たぶん。

一億総審査員時代。
まさにその時代の真ん中にいるなと、ザセカンドを観て感じました。楽しい時代ですね。

個人的には、来年の開催も楽しみにしたい大会となりました。
願わくば応援している磁石に決勝行って欲しいです。


以上、書きたいこと書いたのでおわり!




日々の思うことを綴ります。エッセイ大好き&多めです!