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【カベポスターへ】東の地から愛をこめて【8千字超え】

12月24日日曜日、M-1グランプリ2023が幕を閉じた。

去年からの約1年間、私の注目コンビはカベポスター一択だった。5日間が明けて、SNSに溢れるM-1の感想を摂取しすぎて窒息しそうだったので、私も自分の今思うことをつらつら語ろうと思う。

先に言っておくとこれはラブレターです。カベポスターへの思いに耐えきれないので吐き出そうと思っただけの、クッソ重い愛です。


カベポスターと私・出会い編

知らない人のためにいちおう紹介しておくと、カベポスターはボケの永見大吾さんとツッコミの浜田順平さんのふたりで2014年に結成されたお笑いコンビ。


M-1グランプリ2022、M-1グランプリ2023のファイナリストで、関西の賞レースでも多数の好成績を残している注目の漫才師である。あとはこちらを読んでくれ。

私がカベポスターを初めて見たのは一昨年・2021年の敗者復活戦。そのときから静かに始まり後半に進むにつれて大爆笑をボカン、ボカンと何度も起こしていく漫才が良いなぁ、好みだなぁと感じた。でもまだ「好き」になるかは微妙な頃で、「なんか面白いコンビだな」くらいの感覚。

グッと引き込まれたのは、昨年2022年の決勝ファーストラウンドの「大声大会」のネタ。去年はトップバッターで登場したカベポスター。漫才における一発目の笑いどころ、いわゆるツカミが最高だった。

永見「確かにお前の言う通り、糸電話って数分後にはめっちゃゴミだね。」
浜田「言ってないわ」

2022年M-1グランプリより

その後も「子どもの頃に大声大会出たんやけど、そのときもトップバッターで(要約)」と、トップを引いたことをネタに組み込む肝の座りよう。落ち着いた気品すら感じるカベポスターのおふたりに、かなり引き込まれた。

2023年、M-1審査員からカベポスターに下された評価は、主に「4分(競技漫才)に向いてない」というもの。
カベポスターを応援していた身として、この評価は少し新鮮だったかもしれない。去年はそういった評価はあまり聞かなかったからだ。静かめに始まる構成はそこまで変わっていないが、昨年は時間のハンデを感じさせなかった。初登場にもかかわらず、それだけクオリティが高かったのだと思う。たぶん知名度が今ほど高くなかったので、ツカミの「確かにお前の言う通り……」がバカウケしたのも大いにあるのでは。

ここからはM-1グランプリ2023・カベポスターの漫才の好きだったところをつらつら書いていく。注意しておきたいのは、私はただのお笑い好きな一般人なので、当たり前だが芸人さんのネタに意見するなど本来はご法度だということ。

ただ「このネタの面白さを噛みしめたい、同じように感じている人たちと共有したい」「自分が何に『面白い』と感じたのか、そのときの感性をなるべく残しておきたい」だけなので、あくまで一人のお笑い好きとして感想を書いていこうと思う。

ネタバレ不可避となっているので、本編を見た人のみ読むことをおすすめする。というか見ていないとマジで意味が分からない文字起こしがたくさん出てくる。あと漫才全文の文字起こしは控えさせていただくので、あしからず。
(YouTubeにネタ動画あがってくれ〜〜〜)

(1/27追記)
YouTubeあがりました!!!!!公式さん信じてたよ!!!!!ありがとう~~~~!!!!!
「どろろろ」はもちろんのこと、浜田さんの「ちょやめろって。書くな」(3分14秒のとこ)テンポが小気味よくて超うま味出てるし、永見さんの「今だれ?」(4分35秒のとこ)の演技も最高です(おそらく公式による音量調節済)。

今年のM-1カベポスター・好き好きポイントを紹介するぜ

・2023年のキャッチフレーズは「草食系ロジカルモンスター」(去年は「草食系ロジカル」)。永見さんのモンスターっぷりが世間にバレてる!!!!!それか、もしかして去年の漫才の「ポケットモンスター!!」とかけてる?????

◆漫才中

浜田「どうも!カベポスターです。よろしくお願いします」
永見「たしかにお前の言う通り、金魚すくいの達人って何が原動力なんだろうね」
浜田「言ってないわ。考えんでいいんちゃう?そんなこと」
永見「ああ、言ってたのお前じゃなかった」
浜田「誰と何しゃべってんのお前?」
永見「あ、お願いします!」
浜田「よろしくお願いしまーす!」
(拍手)
永見「ありがとうございます!」

・登場して1秒、まず立ち姿が好き!!!!
カベポスターはまず、ふたりとも背が高い。永見さんは足が長いし浜田さんはスタイルが良いのでスーツが超絶映える。スーツの色味が「淡(永見さん)・濃(浜田さん)」なのも良い。余談だが個人的にはスーツをそろえていないコンビってかなり好き。「異なる二人がそろってマイクの前に立つ意味」みたいなのが感じられるので。運命じゃね???????

・「あ、お願いします!」で拍手が来たのに対し、「ありがとうございます!」と笑う永見さんがそこはかとなくかわいい。あざとささえ感じる。この時点で私の中ではもう優勝です。

永見「僕が通っていた小学校に、願いごとが叶うおまじないがあったんです」
浜田「願いごとが叶うおまじない、あるなあそういうの」

・審査員からは前フリの長さを指摘されたが、前半1分のセリフはかなり無駄を削ぎ落しているように思う。少しでもノイズになりそうなかけ合いは省き、「願いごとが叶うおまじない」というネタに必要な前提だけがきちんと伝わるよう工夫が施されている感じ。ちなみにツカミ、挨拶までで15秒、そこから最初にくる笑いどころまで1分、計1分15秒(計測済)。これでネタ時間の約4分の1が終わってる計算に。最低限のかけ合いにしてもやっぱり4分ってみじけえ~。

永見「(音楽の先生は)若い女性の先生なんですけど、年配で結婚もされてる校長といっしょにいてるのって、不思議ですよね……」
浜田「……せやなあ」

・浜田さんの優しいツッコミ炸裂。「校長と音楽の先生が夜一緒にいる」状況の不思議さ、そこに隠された意味にじわじわ気づき始めている観客……という構図ができあがったところに、肯定、戸惑い、察し……などの感情全て含めた浜田さんの優しい「……せやなあ」。これをネタ本番一発目のツッコミに持ってくるあたり、カベポスターを象徴している。この「せやなあ」は絶妙すぎて名人芸の域なので、録画している人はぜひ目を閉じて聞いてみてほしい。声のトーン、温度感、匙加減がマジで最高だから。関西弁のうま味が惜しみなく出ている。あとめっちゃイケボ。浜田さんの低音色っぽボイスからしか得られんうま味成分ある。イノシン酸とかグルタミン酸ナトリウムとか味の素とか絶対出てる。

永見「(願いごと)叶ったんですよ~!」
浜田「どこがおまじないやねん!証拠写真をもとに校長ゆすっただけやろ」
永見「怖かったんですけどね~」
浜田「校長のほうが怖かったやろ」

永見「『みーちゃんと校長はずっと一緒だよ♡』」
浜田「さっきのふたりやろじゃあ。みーちゃんって言うねや、音楽の先生」
永見「『ずっとずっとLOVE、ずっLOVE』」
浜田「痛すぎひん?何歳のふたりなん?」
永見「こわ~い」
浜田「てかみーちゃんは校長のこと『校長』って呼んでんねや」

・浜田さんの「さっきのふたりやろ」は諭すようなツッコミ。そうそう、こういう強すぎないところが良いんだよ。どこか大阪っぽくない、東でも愛される柔らかさがあるというか。カベポスターが「草食系」と称される理由ここにあり。

・「校長のほうが怖かったやろ」や「みーちゃんは校長のこと『校長』って呼んでんねや」など、スッと挟みこむツッコミで小さい笑いどころを回収するの大好き。なんていうか、仕事がむっちゃ丁寧よね。ウケ的には少なめだったけど、個人的にジワジワと“だし“が染み入るように好き~~~~~な笑いどころ。

永見「ずっとずっとゼリー、ずっゼリ」
浜田「やめとけそんなん!」

・間違いなく爆発してた。

永見「おまじないじゃなくて、有名な学校の七不思議もあったんですよ」
浜田「おまじないじゃないやつな」
永見「夜の音楽室で」
浜田「みーちゃんの職場!」

・「諭す」その2。小学生時代の永見さんに話しかけるような、優しい雰囲気がある。浜田さんのやわらかツッコミの真骨頂。

永見「思わず僕もそれに合わせて『ずっゼリ♪』って」
浜田「なんでなん!?」
永見「体が勝手に動いたんですよ!」
浜田「怪奇現象ちゃうやろ!」
永見「そしたら車のほうから『お前か!!』って」

・このネタのベースはあくまでも「奇妙なおまじない」の話なので、体が動き出すとか、「お前か!」という怪談の定番をチョイスしてくるあたりが秀逸。永見さんのストーリーテラーばりの話芸で軸が一切ぶれず、どこまでもロジカルに作りあげられた漫才である。

・浜田さんの「なんでなん!?」は去年から大好き。「なんでなん!?」だけ集めてLINEの通知音とかにしたいくらい大好き。

永見「後日そのテンテテン♪って音が『ラ・ラシ♪』であることが分かったんです」
浜田「だから何?」
永見「その音を僕がリコーダーで吹いたら、新しいおまじないに繋がるんじゃないかなと思いまして」
浜田「やめとこか、その新しいおまじない」

・ちょっとした繋ぎのかけ合いだが、最高にセンスが良い。端的に、かつ自然に次の展開に繋げるのが上手すぎる。

永見「今だれ?」
浜田「最悪やん。みーちゃん授業止めたんや」
永見「この中に『ずっゼリ』がいるわよね」
浜田「こいつなんやねん!アホアホ探偵がすぎるやろ!」

・パッとみーちゃんの演技に入った永見さん。前半までの「学校の奇妙なおまじない」の雰囲気を残した神妙な演技をされていて、盛り上がりどころでも話の軸をしっかり保っている。ネタの構成にどこまでも真摯な誠実さを感じる。好感が持てる。

・アホアホ探偵、普通にめっちゃ面白いな。もっとウケてもよかったよ。

浜田「ぽ、口ポカーンやねんお前。何なんこのドロドロした話」
永見「その音楽の先生」
浜田「どうなったん?」
永見「1年後、体育の先生と結婚したんです」
浜田「もっと(※ドロドロ)やないか。もうええわ(笑)」
永見「(大笑い)」

・意外と「ドロドロ」の直前セリフ(口ポカーン)でもちょっと噛んでた浜田さん。よっぽど「ドロドロ」意識してたんやろなあ。最後、みんなは何て言ってたと思う?私は「もっとどぅるduろろやないか」ですうふふ。

・制限時間4分で、カベポスターのネタ時間は3分55秒でした。美しいね。

※引用部分は全て、M-1グランプリ2023・カベポスターの漫才からの文字起こしです。

◆平場

・ネタ終わり、さっそく「ドロドロ」の件を司会の今田耕司さんにふられ「こういう怪奇現象の話しちゃうとね……」と話し始めた浜田さんを遮り、永見さんが「漫才は漫才や!!!!!」と激高。さらにサンドイッチマン富澤さんに「最後噛んだのが面白かったのでプラス1点」と言われ「漫才むずかし~!!!」と切り返す。草食系、ロジカル、品が良いと評価されるカベポスターのもう一つの側面・漫才モンスター永見大吾の片鱗である。こういうギャップでファンをさらなる沼に落とすんやこの人は。

・審査員の山田邦子さんから「去年より10点多くつけたんですけど」とコメントされ、即座に「覚えてました!ご機嫌麗しゅう」とお返しした浜田さん、ビジネススキルが高い。元サラリーマンの片鱗が見えてそういうところほんと大好き~~~~~ってテレビの前でデレデレしてた。カベポスターの”品の良さ”を底上げしているのはツッコミ・浜田順平のこういう「人生」の部分だったりする。

・浜田さんの「ドロドロ」噛みはもはや可愛いかったのだ。海原ともこ姉さんが「私自身は噛んだりとかは別に嫌いじゃない」っておっしゃっていたのが救いすぎる。ネタ中に初めて見せた浜田さんの愛らしい部分だと思った。

・ただジャッジのときの浜田さん、噛んでしまった悔いなのか、令和ロマンがウケすぎてたのが去年のトップバッターとしてキてたのか、心なしか目がうるっとしているように見えて、私は「みゅんたん(浜田さんの愛称)泣かないで~~~~~」と胸がキュウ~~~~ってなった。そのあと散々「ドロドロ」でいじられてて、ファン的には結果オーライだったので一命をとりとめた。

・何より、浜田さんが噛んだ瞬間永見さんが大笑いしていたのを見て、ほんとカベポスターは良いコンビなんだなぁと思った。次の日に放送されたM-1ネクストデイも見たけど、ネタ直前に「永見、何かついてるわ足」「あ、ありがとう」と自然なやりとりをするふたりも好!!!!!!!!!良!!!!!!!ってほっこりしちゃった。緊張感ある本番直前の場面できちんと「永見」と呼びかけ、きちんと「ありがとう」と返すふたりの人間性がすんばらしい。極上の品の良さを感じる。いつもあぁやって永見さんのウッカリを浜田さんがさり気なくフォローしてるんかな〜〜〜〜。はいはい好き好き。

・それで自分はオチで噛んじゃうんだよね!!(まだ言う)

・ネタ終わった直後、永見さんが横で「やっぱ噛んでるやん!!!!」って超笑顔になり、その後「あのとき最高の笑顔を両親に見せられたので良い」って言ってたの面白すぎる。大事なオチで噛んじゃっても険悪にならないとか、愛やん。相方への愛でいっぱいやん。大舞台で相方の失敗を笑ってあげられるのは愛なのよ。

・浜田さんは冠ラジオ番組やマンゲキYouTubeでは基本いじられているので、テレビでも「どろどろろろ」でいじられている浜田さんを見るとああ~~~~~よかったね~~~~~って微笑ましくなる。去年のソツないトップバッター漫才から一転、浜田さんのかぁいらし~ところがついに全国区になったね。

・M-1でたくさんの人から愛されるコンビだと証明されたカベポスター。みんなからの大きな愛をこれからも一身に受けてすくすく漫才をやってほしい。


▲ここまでで5000字超らしいで

何の話だっけか。そうそう、「自分の」カベポスターへの愛を語るんだった。

……と言ってはみたけど、愛を語るのって難しいんだよな。恥ずかしい。私はカベポスター大好きです!!!!!と語るのって結構難しい。普通に照れちゃうのよ。あとあんまり好き好き言いすぎると、どっかのめんどくさい人に「顔ファン」とか「ワーキャー」とか言われそうで怖い。今や容姿も含めて好きなのでそんなことねぇよとは言わないけど、間違いなく入り口は漫才だったし、間違いなく漫才師であるおふたりに惹かれたんだよ。許して。

あと単純に「好きな理由」を語るのってすごく難しい。「嫌い」に理由はあるけど「好き」に理由はないと個人的に思ってるから。カベポスターに関しても品が良いところが好き、落ち着いているところが好き、バランスが良いところが好き、全部後から加えた取って付けたような理由に思えてならない。たぶん本能が先に「好き!!!!!!」って信号を出して、理由はほぼ全部後付けなんじゃない?って思う。

だからいつも「大好き」の代わりに「推し」なんて便利な言葉を持ち出してしまうんだろう。でも今日はそういうの抜きにして愛を語ろうと思う。カベポスター大好き。

漫才師ファンはつらいよ

まぁこの国で漫才師を応援するのって結構つらいんだけどね……って話を少し。


※よしもと漫才劇場チャンネルより


漫才師を好きになった者の年末のつらさは、15年くらい同じ漫才師を好きだった私が一番よく分かっている。M-1の本戦に残ったかどうかを常に気にして、ラストイヤーを迎えようものなら本番の日は朝からお腹が痛い。敗退が決定した瞬間はひどく落ち込んで食事がのどを通らないし、あまりの落ち込みように周りから「なんでお前がそんな落ち込むの?」と言われる。

自分だってなんでこんなに落ち込むのか分からない。なぜ他人の勝負ごとにここまで躍起になれるのか、全然分からない。分からないのに、敗れていった大好きな人たちのことを思うとつらくて仕方ない。おかげで「漫才師はもう好きにならない」と人生で何度かは思った。


※よしもと漫才劇場チャンネルより


それでもやっぱり、好きだ!と思う漫才師はこれまで何組もいた。オズワルドもロングコートダディもインディアンスも好きだった。出ているテレビや雑誌、YouTubeもできるだけチェックしたし、ラジオだって何回も聴いた。

でも気づいた。ああいう瞬間的な好き!って、次の季節には何も残っていないことが多い。私は生粋のミーハーだし、お笑い以外にもハマってるジャンルがたくさんあるから、終始お笑いのことを考えているわけでは決してない。

だからよけいに不思議だった。
何度も何度も、2022年M-1のカベポスター「大声大会」のネタを、季節を越えて繰り返し見続けたことが。セリフを覚えて、頭の中で永見さんと浜田さんの声がリフレインするまで見続けた。笑いどころを覚えても何度だって見られた。何回見ても見る度に新しい発見があった。何回見ても違う面白さがあった。

「浜田さんの『お前も何回(大声大会に)出んねん』ってツッコミ好きだわ〜」(8回目)

「永見さんの漫才中の動き好きだな~。サンパチマイクを軸に動きすぎず動かなさすぎず……バランスがしぬほど良いな……」(21回目)

「2021年の敗者復活で初めて見たときよりめっちゃ垢抜けてない???」(35回目)

「ずっと聴いてたい」(58回目)

・・・・・・

1人で60回以上は再生したと思う。YouTubeを開くと体が勝手に動いて、あのネタを再生し続けた。結果、いつの間にかカベポスターが大好きになっていた。漫才だけでは飽き足らず、ラジオ『夕凪カベポスター』も全部聴いて、今年の初夏には東京であったツーマンライブも見に行った。激務でもう心がしんどい……って時期だったけど、本当に面白いものは腹が痛くなるくらい笑えるんだなと実感した。ライブ後はカベポスターへの感謝しかなかった。


▲オズワルドとのツーマンライブ


もしかしたら、2021年の敗者復活戦でカベポスターを見てから、私は彼らをずっと好きになりたかったのかもしれない。私の漫才師に対する新しい「好き」を解放してくれたのが、去年の「大声大会」のネタだったのかもしれない。今はそんなふうに思う。

大阪に引っ越すのもありなのか

ここからは、誰にも言ったことない話。

実は今年、私の中で結構驚いた出来事があった。去年のM-1以来、カベポスターの拠点である大阪でレギュラーが増えていると知り、自分の中に「大阪に引っ越すのもありかもな」という考えが浮かんだ。自分の思考なのに、自分でびっくりした。

これで本当に大阪に引っ越したらこの話はめちゃくちゃ面白くなるのだろうが、そう簡単に居住地は移せないのが現実……。

ただ、住むとしたら東京か、地元の広島かという選択肢しかなかった私が、縁もゆかりも全くないのに「カベポスターの活躍をより近くで感じられるなら、大阪に引っ越すのもいいな」と少しでも考えた。それって結構すごいと思うんだ。他人事のように言っちゃうけど、人1人の人生を動かせる(かもしれない)だけの魅力が、カベポスターにはあると思う。少なくとも私はその魅力の虜になっているから。

このすごさ、分かってもらえるかな……。

久しぶりに心から応援したい!と思えた漫才師が現れたことも、追いかけて追いかけて、いつの間にか自分の中に「大阪に住むのもありかも」という前代未聞な感情が浮かんだのも、私にとっては今年一番の思考の大ニュースなんだよ。何でもそろう、何でも手に入ると思って出てきた東京で、カベポスターの活躍する姿だけが少し遠い。それを悲しいと思っている自分が生まれたことに驚いた。

余談だけど、今年M-1審査員に就任した海原ともこさんが関東では知名度があまり高くないらしく、SNSで「誰あれ?」と言われていたことに怒っている関西の人がちらほらいたらしい。他にも、お笑いに疎い人が東京で放送されているテレビで見かけなくなったコンビに対して、「あの人たち干されたの?」とか言っているのを見るとやっぱり悲しい。劇場に出てるんだよ。知らんけど。

ネットや配信文化が発達した現在でも、お笑いの界隈にはまだ東西の壁があると、こういうときは感じてしまう。

カベポスターと私・これから編

離れたところにいるぶん、ラジオはこれからも聴き続けるし、東京で放送されるテレビにカベポスターが出ることがあったら絶対見る。関西での活躍もなるべくチェックする。年末には再度発売されたライブの配信も買ったから、それ見て過ごすよ。遠くからでも応援しているから。

それでここからは完全に私のわがままなんだけど、東京という少し離れたところにいる私にも届くように、もっともっと漫才を見せてくれないかな。移動とか、しんどいと思うけど、できれば東京でも単独ライブなんかやってくれたりすると、すごく嬉しい。

……

ふう。ようやく少しすっきりしてきたかな。

ここまでいろいろ分析やわがままをたくさん書いたけど、これからどうしていくかはカベポスターのふたりが決めることだ。これは全部、お笑い好きミーハーの戯れ言にすぎない。とはいえ東京進出するだのしないだの、いろいろな情報が入ってきて本当に押しつぶされそうな1週間だったよ。職場にM-1の話をする人はいないけど、日本にはまだまだお笑いを生きる糧にしている人がたくさんいるのが分かって、本当に嬉しかった。いつか会おうなみんな。

またカベポスターの漫才を楽しみにしている。全力で応援する。約束する。



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秋海まり子
日々の思うことを綴ります。エッセイ大好き&多めです!

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