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「0円物件」を小屋暮らし用地として利用することは現実的か?

どうも、たかしです。

今全国的に話題になっている「空き家問題」。

日本各地で過疎化及び都市集中が進み、利用されなくなった家屋や土地が放置されることで様々な問題が発生しています。

老朽化に伴う家屋の倒壊、治安の悪化、害獣の分布拡大による農作物被害等々……。

このような問題の解決策の一つして、「みんなの0円物件」という不動産マッチングサイトが注目されています。

参考引用:https://zero.estate/

「0円でも手放したい」不要な土地・家屋を抱える人と、「安く土地を手に入れたい」という人とを橋渡しするこちらのサイト。

掲載されている土地の数は大手不動産サイトと比べて少なく、地域ごとの掲載数のムラも大きく、物件自体も非常にクセのある物が多いのですが、それでも「0円で土地や家屋が手に入る」というのはあまりにも魅力的。多くのユーザーが登録、利用をしています。

小屋暮らしを始めるためには、まずは「土地を手に入れる」という非常に大きなハードルが待ち構えています。こちらのサイトを利用することによりその際の金銭的負担が0になるのであれば、これは小屋暮らしを目指す人にとって大きな助けになります。

しかし、ここで気になるのは「0円物件」は果たして小屋暮らし用地として現実的に利用可能な物なのか、ということです。

今回は僕は、0円物件の土地を様々見比べる中で「0円物件で小屋暮らしに利用可能な土地」があるのかどうかについて自分なりに検討していきました。

その結果について、実際に物件の種類別に小屋暮らし用地としてのオススメ度も併せてお伝えしていきます。

別荘地(オススメ度★☆☆)

0円物件でよく見られる物件の一つに別荘地があります。

別荘地の多くは山林の中に切り開かれた土地が区画分けされて分譲されている物なので、以下のような要素を含む物がほとんどです。

  • 立地はかなり不便(街から遠い、道が荒れている・細いなど)

  • 管理費が必要(私道、水道管理などで月数千円、年数万円程度)

別荘地を小屋暮らし用地とする際に、その立地の悪さはなかなか深刻な問題です。

なぜならば別荘地という物は、「年に数回レジャーとして訪れる」ことを想定しているので、その立地の悪さは過疎化が進む山奥の田舎と比べてなお劣悪なことが多いです。

そうとう山深い場所に位置していることがあり、最寄りの商店まで傾斜の激しい道を1時間以上だとか、冬季は積雪でまともに移動できないだとか、定住を目的とした場合なかなか厳しい物がありでしょう。

また、「月数千円、年数万円の管理費」があると言うのも、別荘地を小屋暮らし用地とする際のハードルの一つになります。

別荘地の多くは公共の道路や水道が無く、土地所有者共同の管理費により運営されている私道、私水道となっている場合があるため仕方のない部分ではあるのですが、少しでも生活費の節約を目指したい小屋暮らしでこの管理費という物は重くのしかかってくることになるでしょう。

総評として、別荘地を小屋暮らし用地とするのは「不可能ではないけどお勧めしない」ということになります。

バブル時代の分譲地(オススメ度★☆☆)

0円物件にありがちな物件の一つに、この種類の土地があります。

大体が都市圏からかなり離れた所にある、家が点々としていてその間に空き地が広がっているような場所の土地が多いのですが……。

ブログ「限界ニュータウン探訪記」管理人の吉川祐介さんの動画なんかを見たことがある方はピンとくると思いますが、これらの土地はバブル期に土地の値上がりを見越した投機商品として大量に開発・分譲された土地が、現代になってその価値がほとんど無くなって放置されてしまった、といったような経緯をたどった土地になります。

土地状況としては、最低限水道・電気などのインフラは整備と土地管理(年1回程度の草刈りなど)が施されていて小屋暮らし用地とするのに問題ない土地もある一方、インフラが無く道もまともに残っておらず、木や草が生え放題の完全な放棄地となってしまっている土地もあるようです。

ただ一つ注意したいのは、今でもインフラが整っていて人の生活があるような分譲地は大体が「市街化区域」もしくは「調整区域」に指定されていて、小屋をDIYする際に役所への申請が必要だったり土地の造成が必要になってしまったりと、面倒なことになる可能性があるということです。

一方でそれら申請の入らない「都市計画区域外」に当たる分譲地は先に述べたような荒れ地になってしまっていることがあり、条件に当てはまる土地を見つける難易度はそれなりに高そうだと思いました。

空き家付きの物件(オススメ度:★★☆)

0円物件の中で最も小屋暮らし用地向きだなと感じたのが、この空き家付きの物件です。

実際僕自身が空き家付きの土地を買って(0円物件ではない)、その庭に小屋を建てて暮らしているからこそ思うのですが、やはり最初から電気・水道などのインフラが整っている倉庫として使える家屋があるというだけで、小屋建築のハードルは一気に下がるため非常にお勧めなんですよね。

全くの更地を購入して、0から全て自分で切り開くというのも魅力的ではあるのですが、やはりその場合調達した資材の保管をどうするかとか、通いで建築せざるを得なくて時間がかかるとか、色々と苦労することにはなってしまいます。

更に空き家付き物件のメリットとして、本来都市計画区域内の土地の場合小屋を建てるのに色々と申請しなくてはならないことが多いのですが、既に家屋がある土地に追加で小屋を建てる場合「延べ床面積10㎡以内」であれ場申請なしで建てることができるというのもあります。

つまり、空き家の庭にあたる土地であれば、小規模な小屋なら割と好きに建てることができるということです。

ただ、空き家付き物件なら何でもいいということでも無く、小屋暮らし用地に最適な物件となると色々気にしなくてはならない部分も出てきます。

「小屋が建てられるぐらい広い庭のある物件がなかなかない」
「空き家が余りにボロボロ過ぎると倒壊のリスクもある」
「住宅街等で隣家との距離が近い場合近隣トラブルリスクが高い」等々……

理想は田舎の広い平地にぽつんと立つ、広い庭付きでそれなりに住居としても使用できる状態の一軒家付き物件なのですが、そんな物件はなかなかお目にかかれませんし、もし掲載されたとして速攻で他の誰かに契約されてしまうことがほとんどです。

実際、「みんなの0円物件」を覗いてみても、「これ良いな」と思った物件はことごとく「成約済み」だったりします。

そのため、理想の物件を手に入れるためには常にサイトに張り付いて、気になる物件が掲載されたらその瞬間に問い合わせるぐらいの努力が必要となるでしょう。

まとめ

今回は空き家問題の解決策の一つとして注目されている不動産マッチングサイト「みんなの0円物件」に掲載されている物件を、小屋暮らし用地として利用することは現実的かどうかを見ていきました。

結果としては、「不可能ではないが、多くは難易度が高く努力も必要」といった感じで、選択肢の一つとして考えるのは良いんじゃないかと僕は思いました。

実際僕自身も、小屋暮らしの土地を探していたころはこちらのサイトに張り付いて物件探しをしていた時もありました。結局いい物件が見つからず諦めてしまいましたが……。

もし0円で土地を手に入れることができれば、土地購入分の資金をそのまま小屋の資材費に回すこともできるので、小屋暮らし自体のハードルがグッと下がります。なので「0円物件で小屋暮らし用地を探す」というのは、理想の物件と出会うことができれば良い選択肢だと思います。

ただ、どうしても物件の掲載数がそれほど多くないし、良い物件はすぐに他の人に取られてしまうので、長い目で物件を探して良い物件への嗅覚を常に絶やさず、「これだ!」と言う物件にはすぐに飛びつくことのできる行動力でないと理想的な物件を手に入れることは難しいのかなと。

以上が「みんなの0円物件」の現状掲載されている物件を見比べつつ、自分の過去も踏まえて考えた結果です。

これから小屋暮らし用の土地を探そうと考えている方の参考になれば幸いです。


以上で今回の記事は終わりです。

よろしければまた次回の記事もご覧いただけたら嬉しいです。ここまでお読みいただきありがとうございました


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