アニメ『進撃の巨人』をようやく見る シーズン1感想

シーズン1を最初の方だけ見て、これは完結するまではとっておこうと思って見ていなかったので、ようやく見始めた(漫画の方は全巻読破済み)。
とりあえずシーズン1見たので、ネタバレ感想書く。

シーズン1感想

アニメ化して立体機動装置が映えるのでこれぞアニメ化の醍醐味という感じだった。俺にとっては進撃の巨人は内容(ストーリー)がメインだと思っていて、絵とかはどうでも良いと思っていたけど、これはアニメ化してくれて本当に良かったと思った。

シーズン1で心に残っているのは、
①エレンの「戦え!戦わなければ勝てない!」
②「優秀な奴ほど憲兵団になる」のくだり
③ピクシス司令の「お主はやるのか、やらんのか」
④ピクシス司令の「ここで死んでくれ!」
⑤リヴァイ兵長の「やりたきゃやれ」
⑥マルコとジャンの会話「ジャンは強い人じゃないから」のやつ
⑦アニが可愛い
かな。

①エレンの「戦え!戦わなければ勝てない!」

これは仮面ライダー龍騎の「戦わなければ生き残れない」を彷彿とさせる。「別に勝つことだけが重要じゃない」みたいな平和主義ぶっただけのヘタレが世の中多いので、「戦え!」だの「それじゃ勝てない!」だの言うと「何言ってんだこいつ」となるのでこういう力強いセリフは本当に好き。こういうセリフが多い漫画がここまで流行ったんだからもっと皆戦ってくれよと思うのだがやはり人はそうそう変わらない(進撃の巨人の最終テーマもそう言っていることだしな)。


進撃の巨人以外のネタバレ注意。俺の好きな漫画の『総理の椅子』と好きなゲーム『スプリンターセル カオスセオリー』。どっちもラスボスキャラが日本のお花畑思考をぶち破る為に自作自演で日本にミサイル打ち込んでやるって話。俺の中にこの発想常にあるんだよな。別に愛国どうこうという話ではなく人を全力で動かすには結局のところ危機感煽るのが一番だっていう発想。

現実的には人を動かす方法として俺の好きな本『「変化を嫌う人」を動かす』に書いてあることを実践する方が実用的なんだけど、生物本来のなんとしても(自分だけは)生き残ろうという意志に根付いた行動力には感動を覚える。暴走気味でコントロール効かせにくいのがネックだけど他人の危機感煽って120%の行動力を促してそれを俺がコントロールしてやりたいという欲は正直ある。

②「優秀な奴ほど憲兵団になる」のくだり

これもいろいろ示唆があって面白い。先の展開も知っているからこそ改めてこのシーンを見ると奥深い。

この”優秀な奴”っていうのがどの視点から見て優秀なのかみたいのが、現実社会でも鍵だなと思う。ほとんど多くの人が”こいつは優秀”とみなすのは目の前の問題を解決できる人。劇中では”巨人をうまく狩れる人が優秀なんだからその人こそ調査兵団といった前線に立つべきだろう”みたいなニュアンスでエレン達は話していた。

けどこれを一歩引いて考えると、例えば優秀な奴を前線に立たせて下手に死なせるより、その優秀な奴の知識や考え方、コツみたいのをより多くの人間に普及できるよう大切にしようみたいに考えることができる(日本人の特攻大好き思想にはこの発想がないから本当に愚かだと日頃から良く思う)。

他にも、そんな優秀な奴を中央から遠くに置いてしまうと力をつけて反体制派として蜂起してくる可能性があるみたいに考えが巡るようになる。(劇中でもエルヴィン、ピクシス筆頭に、アッカーマンの二人といった憲兵団になれる実力があったであろうにならなかった人らの力がクーデターを起こし成功につなげた。エレン達104期訓練兵はいろいろとイレギュラーが多かったとは言え、憲兵団になれるのに敢えて調査兵団を選ぶ人の割合が多いというのもリアルに時代が変わるときってこういうことが起きるんだろうなと思わされた。)。

あと重要なのが、問題というのはなんでもかんでも解決すれば良いというわけではないこと。問題を解決すると必ず別の問題が発生する。その問題が元々の問題よりも致命的な問題で問題を解決しないことが実は一番良い解決方法だったというのは得てして多い(進撃の巨人でも実は壁の外には・・・的な話がこのあと続いたので、原作を追っていた時は作者マジで頭良いなと思った。)。

ここら辺の話をダークファンタジーに落とし込んだの本当にすげえよ。残念なのはここまでわかりやすく社会構造を説明してくれているのに、多分多くの人はこういった部分まで理解しきらずに何となくで読んでしまっていそうなところ。まあ、俺もたぶん進撃の巨人を全然理解しきれていないが。

③ピクシス司令の「お主はやるのか、やらんのか」

このセリフ単体というより、このセリフが出てくるまでの流れが熱い。「穴をふさぐことが出来るか出来ないか?」→「質問の仕方を間違えた」→「お主はやるのか、やらんのか」これですよ。

リアルでも言葉通りの意味で(物理的な話じゃない限り)「出来るか出来ないか」聞いている人いないと思うんだよな。結局「お前やるの、やらないの?」「やる気があるの、ないの?」これが聞きたいんだよな。だからエレンみたいに「できるにしろ できないにしろ 無責任に答えるわけには…」みたいなこという奴って「自分は責任感があるまともな人間です」アピールしているだけのクズだと俺は思っている。潔く「できません」なり「やる気がありません」「自信がありません」いう奴はマシというか誠意がある。グダグダいう奴が善人ぶった悪人。

ピクシス司令は良い上司というか無駄に歳とってない人だな。ピクシス司令くらいの年して「無責任に答えるわけには…」とかいうしょうもない奴らいっぱいいるし、そこのレベルは超えれていてもそのレベルにまだ到達していない人に「やるのか、やらんのかどっちだ!」って恫喝しちゃう人も多い。ピクシス司令みたいに若いのを窘めつつ、ちゃっかり困難を押し付ける手際の良さを見習いたい。

④ピクシス司令の「ここで死んでくれ!」

シーズン1で一番熱いシーン。

ちゃっかりエレンに困難を押し付けた責任として尋常ではない命令を多くの部下に下すこの司令。平たく言って一生ついていきたい。

壁内での人間同士の生存闘争および内乱をさせないためとは言えこの命令下せるのはなるべくしてその地位についたという感じ(ピクシス自身の「より多くの人間を救う」という強い意志によるものというのも大きいが)。年功序列でただ年食っただけで”偉そうな奴と偉くないのに偉い奴”はザックレーの特注椅子に縛られれば良いと思う。

人に無理難題を押し付ける時にはやっぱり感情に訴えかけるのが一番だな。人は理屈じゃ動かない。それが分かるシーン。

ピクシス司令はそれを分かっていてやってるからマジですごい(強靭メンタルなのかサイコパスなのか)。俺はやはりどうも理屈っぽすぎてまだこの感情を煽って自分の思い通りに人を動かすってことが出来ていない。俺自身がそうそう感情で動かないから劇中で「娘は俺の最後の希望」と言った兵士の心理は理解はできても共感出来ないからな。ピクシス司令はたぶん共感できるからこそこう言われたら従わざる得ないだろうってやってる。

俺の場合「普通の人は家族が辛い目にあっちゃうよーっていうと、善人ぶりたいのか本当に家族のこと思ってんのか分かんないけどそれだったらしょうがないってなってくれることが多い」みたいな理由でそういうことする。けどこの方法だと人はこういう時にこう動くっていうパターンでしか分からないから自分でカスタマイズしたり調整できないんだよな。行きたくない飲みの誘いの時に「早く帰ってあげないとご家族がさみしがりますよ」って言って「大丈夫、大丈夫、そんなことないから」って返された記憶を思い出した(俺はその時家族を盾にすれば人は何でも言うことを聞くわけではないと知った)。

⑤リヴァイ兵長の「やりたきゃやれ」

ピクシスの「やるか、やらないか」に続き「やりたきゃやれ」も響く。結局何かを決める最後の一押しは「やりたいかどうか」。どんな理屈並べて結果を予測しても確実なことは何もないんだから後悔しない選択をするしかないんだな。

「やらない後悔よりやった後悔」これ大事。

エレンはやった後悔いろいろしてそうだけど、やらない後悔ってあまりしてなさそう(流石”進撃の巨人”)。リヴァイ班全滅の時が劇中唯一?(そこらへん意識してシーズン2以降見るとしよう)

⑥マルコとジャンの会話「ジャンは強い人じゃないから」のやつ

これ『進撃の巨人』の中で俺の心が温かくなるシーン。

俺は”強い人”が好きだけど、”強くないからこそできることがある”って理解しておくのは大事だなと思う。

マルコとジャンは”強くない”キャラだけど好きにならざるを得ないキャラだ。

実際に多分俺は半径50メートルの世界では相対的に”強い”側だけど、”強い”せいで出来ないと感じることも多い。「相手に共感を示してあげる」とか俺がやっても胡散臭い。やってみたことあったけど、「思ってないでしょ?」(ハイ、思ってません。)となった。

弱者戦略を使うと効率良くやれるってシーンでも俺が使うと「かわいそうだからやってあげよう」じゃなくて「ああ、これはそういう建前で実質やれという命令なんだな」と捉えられてしまうらしい(悲しい)。

⑦アニが可愛い

アニメ化したことにより、全体的にキャラが美形になったわけだがアニ可愛すぎないか?漫画で読んでいた時はこのキャラ可愛いとかカッコいいみたいな感想を覚えることなく「この漫画ストーリーが秀逸だあ・・・」って感動していたけど、アニメ化効果で別のベクトルでも感動しちゃったよ。

アニはシーズン1で結晶化しちゃって当分出てこないから悲しい。

身長153㎝しかないという事実。ちっちゃいのに強いとかちいかわより可愛いじゃん。パパが大好きで教わった武術に誇りを持っているとか何それ可愛すぎでしょ。ああ~今から「もう…戦いたくない」のシーンが待ち遠しい。

ミカサも可愛いんだよな。声優さんが良い声してるから余計可愛く感じる。ヤンデレ属性好きだからもともとミカサみたいなキャラが好きというのもある。でも『進撃の巨人』は恋じゃなくて愛だから。

ラブコメとか見てると「まあ、こんなにお似合いなカップルでも現実ではすぐに破局するんだけどな」とか冷めた目で見ちゃうけどミカサのは応援したくなっちゃう。真実の恋だとか愛だとかは信じちゃいないけど(脳内物質のまやかし)、生き死にのかかった世界でならもしかしたらあり得るのかもしれないなと思わされる。未来日記の由乃もそういえば好きだった。

クリスタも好きなキャラではある。ヒストリアと言った方が正確だけど。シーズン1だと俺の好きなヒストリアになっていないので続きが楽しみ。原作読んでいた時は、進撃の巨人の世界観にクリスタみたいなキャラってなんか無理やりひっつけた感じがして邪魔だなあと思っていたけど、後々あんなに重要なキャラになるとは思っていなかった。そのうち可愛いキャラを惨たらしく殺してオタク達を阿鼻叫喚させてくれるのかなくらいに当時は思っていました。



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