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夏休み「賞を取る」ポスター描き(2024.7.28開催)

2021年の夏に「賞を取るための」ポスター描きワークショップを自主開催しました。対象は夏休みに、ポスターを描く必要がある小学生です。
そして、2024年7月28日(日)に喜多方市美術館の依頼により同じワークショップを開催します。。

絵を描くことは情操教育の一環であるから、賞を取るなどという邪な気持ちを入れることを許さないという方もいることは重々承知しています。ただ「絵を描く」=「情操教育」という1つの正解に決めなくてもよいと思っています。また、日本の文化政策の流れが示している通り、文化芸術振興だけでなく、文化芸術の他分野での活用も文化政策です。
「文化芸術振興基本法」から「文化芸術基本法」に変わった経緯のことを言っているのですが、難しい話になるので端折ります。(ご興味があるかたはお調べください。すぐ見つかります)
また、「情操教育」もなかなか難しい概念です。定義も難しいので、専門家でない私は手も出ないのが正直なところです。

であれば、家庭の大きな悩み事である「夏休み」の宿題をどうしたら楽しくこなすことができるのか。どのようにしたら、説明できる教育的効果を出すことができるのか、そんなことを考えて作ったワークショップになります。

1. 自分をご機嫌にし、人によい環境を作る

子どもたちは純粋に喜ぶますよね。子どもたちが良い気持ちになってくれるのはうれしいですし、そんな子どもを見ると親もうれしい。結果、ひと時でも親子関係円満が生まれるのです。

2. 歴史を振り返り、学ぶ姿勢を得る(傾向を知る)

夏休みのポスターの傾向はとてもはっきりしてますよね。白紙部分作らず、なるべくベタで塗る。色のコントラストと輪郭ははっきりし、各モチーフは大きく描かれている。遠近法が使われていれば、文句なし。「いかにも」賞を取る絵だという風合いは、子ども期を経た大人には感じとることができると思います。
ただ、子どもにはまだそれを認知することが難しい。その視点を示してあげるだけでも、今回のポスター作りだけでなく、これからの人生さまざまな場面で役立つはずです。
しかも、いままで評価された作品を真似ることもできるのです。車輪の再発名をする必要はなく、目的に照らしてよいと思ったことを真似ることは一つの知性です。ただ真似るといっても、同じものを描くことは難しい。どうしても描いている人の個性がでてしまいます。心配する必要はありません。

3. 評価する人がいることを知る

ポスターコンテストの審査員を見たことはありますか。多くは高齢の男性が占めるグループです。審査は人がするものなので、その人たちを意識する必要があります。審査員が変われば、多くの場合結果も変わります。であれば、どのような場面においても誰が評価をするのか知る必要があるのです。その感覚を身に付ける良い機会になるのです。

4. それらを身体で実践する

さまざまなインプットや、気持ちを盛り上げてみても、最後に身体を使ってそれをアウトプットしないといけないのが「絵を描く」ということです。それがアート全般のよいところだと思っています。美大や芸大を卒業している人たちのアウトプット力は目を見張るものがあります。思っていたものを具現化できるわけではなく、多くの妥協をする必要があります。それとは逆に奇跡の神が降りてくることもあるでしょう。「具体化」にするとはそういうことです。
打ちひしがれることもあるが、そこには学びが多くあると思っています。


文化芸術のツールを使い、子どもたちにどのような学びが起こりえるのか。そんなことを考えながら、一緒に活動していけたらと考えています。これは「絵を描く」に限ったことではなく、すべての行為には多くの学びの要素が含まれています。大がかりで高価な特別な機会を提供しなくても、学びは私たちの周りにいっぱいあるのだと思っているのです。

2024年7月夏休みに、喜多方市美術館で「賞を取る」ポスター作りワークショップを実施します。キャッチ―にタイトルはつけながらも、昭和的な慎ましやかな学びの場を作っていきます。
「ちょっと興味が湧いたぞ」という方がいらしゃいましたら、ご応募いただけたらと思います。


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