デーモンコア・黒川弘務の取扱説明書

官邸主導だった訓告(知ってた

今回は黒川弘務「検事長」問題についてです。

「訓告」処分の責任を、森法相は内閣と法務省が実質的に決めたと答弁する一方、安倍首相は「検事総長が事情を考慮し、処分を行ったと承知している」と答弁していました。

この2つの答弁は矛盾します。本日25日、どちらが事実かを決定づける報道が、共同通信からありました。

首相官邸に報告した法務省は、国家公務員法に基づく懲戒が相当と判断していたが、官邸が懲戒にはしないと結論付け、法務省の内規に基づく「訓告」となったことが24日、分かった。(強調は筆者)

衝撃的なスクープです。まあ、知ってたけど(笑)。

そもそも、弁護士の渡辺輝人氏によれば、懲戒権を持っているのは任命権者である内閣です。

まあ、閣議決定そのものが違法だったという主張を貫くなら、「無職」の人間を懲戒処分にしろと要求するのも筋が通らないワケですが、そのあたりの話は他の人にお任せします。

なぜ訓告処分になったのか

今日の本題は、どうして官邸は、検事長という職にありながら違法行為を行った黒川弘務を、最も軽い処分にせざるを得なかったのか?です。

「安倍政権と黒川弘務が非常に近い関係だったから、温情をかけたのだ」という見解は、必ずしも間違いではないでしょう。でも、周知の通り、検察庁法改正問題を撤回する直前から、安倍首相は黒川氏との関係を否定しはじめました。

「黒川氏と2人で会ったことはない」などと嘘をついて、即バレしましたよね(笑)

そこから考えると、安倍政権としては、黒川氏に重い処分をすることで、世論へのダメージを防げたはずなのです。

では、なぜ訓告処分にして、退職金をまるまる与えたのか。

可能な答えは1つです。安倍政権にとって、黒川氏の重い処分は、内閣支持率低下よりも大きなデメリットがある。

考えてもみてください。黒川氏は、森友問題や加計学園問題など、安倍政権のあらゆる罪をもみ消してきたと言われています。上脇教授らによる桜を見る会の背任罪告発も、閣議決定があった1月31日に、「代理人による告発は受理できない」というあり得ない理由で、受理されなかったとのことです(赤旗 5月23日)

逆に言えば、黒川弘務こそ、政権の闇を最も深く知っている人間だということになります。だから、「トカゲのしっぽ切り」は不可能です。黒川を切り捨てて、万が一寝返ったら、そのときは内閣総辞職どころでは済まない。

だから安倍政権にとって、黒川氏は絶対に手放せない「デーモンコア」みたいなものなのです。手放した瞬間に、青い死の光(チェレンコフ光)を放って臨界し、周りにいる人は即死するのです。

デーモンコアってなあに?って言う人は、この動画をご覧ください。

森友問題における安倍政権の失敗

実は、この間違いを安倍政権は一度だけやらかしたことがあります。森友問題の時です。

森友学園の籠池泰典を安倍政権が切り捨てた時、「トカゲのしっぽ切り」だとみんな言ってました。それに対して僕は一貫して「違う、籠池泰典はデーモンコアだ、手放すと大変なことになる」と主張しました。そして、菅野完氏の尽力もあって、籠池氏は寝返って、「安倍首相から100万円もらった」という証言などが引き出されるわけです。

安倍政権はこの手痛い失敗から学んだのでしょう。籠池氏は、政権の闇を握っているというほどではない。だからデーモンコアとしてはかなり小粒で、ゾンビじみた安倍政権に、致命傷までは与えられなかった。

黒川弘務という特大デーモンコア

しかし、さすがに黒川弘務はそうはいきません。政権の罪をこれまで揉み消してきたのだとすれば、彼は安倍政権の命運どころか、安倍夫妻とその周辺の人間たちの政治生命どころか、市民生命を握っているキーパーソンなのです。別の言い方をすれば、安倍政権よりも黒川弘務の方が、潜在的な力関係は強いのです。

とすると、我々一般市民としてはどうするのが良いか。最高の戦略目標は、黒川弘務を味方に付けて、すべてを暴露させることです。

ただし、これは客観的に言って非常にハードルが高い。安倍首相とその周辺の罪は、それを揉み消してきた黒川の罪と表裏一体だからです。

まず私たちは、安倍政権に、黒川を「切り捨てる」という(彼らにとっては)間違った選択をせざるを得ないように後押ししましょう。つまり、黒川弘務と安倍首相の関係について、徹底して追及し続けるのです。そして、「安倍首相は自分の罪が暴露されることを恐れて、黒川に重い処分が下せないのだ」という世論を大いに喚起することです。

これがいわば飛車角取りの一手です。この世論喚起で、安倍政権の支持率が削れます。さらなる支持率低下によって、黒川を切るしかないギリギリの状況に持っていく。

その窮地に陥ったときに、果たして安倍晋三はどういう手に出るのか。それも考えて、手を打っていく必要もあるかもしれません。

最後に

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