見出し画像

塩村あやか参議院議員と議員会館爆破脅迫事件の世にも奇妙な静寂

塩村あやか参院議員と議員会館への爆破予告

2023年11月27日、最近何かと話題になっている立憲民主党の参議院議員・塩村あやかさんの事務所宛に爆破予告のFAXが届いたと、塩村氏本人がXに投稿していました。

以下が、FAXで届いたとされる脅迫文です。

高性能爆弾が仕掛けられたとされているのは、参議院議員会館・事務所、その他の場所とされています。本人は投稿時点で渡米中ですが、議員会館が爆破されるとするならば、当然ながら塩村さんのスタッフのみならず、周囲の議員まで生命の危機に晒されることになります。

これは国家中枢へのテロ行為であり、決して許されることではありません。すぐさま警察は、参議院議員会館から人間を待避させた上で完全封鎖し、捜索にあたるべきです。そして、超党派で対応にあたるべき事案です。

仮に爆弾を仕掛けられたのが事実ではなかったとしても、このFAX自体が、脅迫罪・威力業務妨害罪・強要罪などの重大な罪にあたります。

それなのに、なぜかこの事件、本人は帰国後に被害届を出すとの悠長な対応で、その後の報告もありません。また投稿時点で警察が動いている節が全くなく、マスメディアも全く報道しない。立憲民主党や仲間の議員からも公式の声明一つない。つい前日まで「塩村さんに連帯します」とガンガン投稿をしていた支持者たち・インフルエンサーたちも、この件については沈黙を続けている。

どこをどう考えてもすっごくヘンだとしか言いようがありません。

このnoteは、その謎を解くことは残念ながらできません。実際、誰が犯人か、私には全く検討もつきません。ただし、「高性能な爆弾を仕掛けました」という文章を作った人間は、必ずこの世のどこかに存在します。その犯人は罪に問われるべきだと考えています。

ですが、このままメディアも支持者も騒がない現状では、この事件はいつの間にか忘却され、本物のテロリストであれ愉快犯であれ、他の目的の犯罪であれ、犯人は捕まらないまま終わってしまうのではないかと危惧しています。

この出来事が忘却の海へと流されないために、私はこのnoteを書き残しておきます。

爆破脅迫事件の背景、プロレス騒動と殺害予告

今回の事件で大事なことは、塩村あやか議員が泡沫議員だからメディアが取り上げなかった訳ではないということです。むしろ、この時点で塩村氏は最も注目されている議員でした。

Googleトレンドで「塩村あやか」で過去7日間の検索を行ったのですが、11月23日から26日にかけて非常に話題になっていたのに対し、28日の脅迫後はまったくと言って良いほど話題になっていないのです。

Googleトレンド「塩村あやか」

何があったのか、皆さんご存じだと思いますが、ごく簡単に整理しましょう。

まず、塩村氏が使用した「プロレス芸」という言葉に対して、プロレス団体が訂正・撤回を求め、塩村氏は謝罪しました。

 立憲民主党の塩村文夏参院議員は24日、自身のX(旧ツイッター)に投稿した「プロレス芸」との表現を撤回し、謝罪した。プロレスを「芸」とみなしたことに愛好家から批判が続出。プロレス団体「新日本プロレスリング」は投稿の訂正、撤回を求めた。
 塩村氏は23日、女性客に多額の借金を負わせる悪質なホストクラブへの対策は「完全に職業差別だ」とする他者の投稿に対し「ひどいデマ。もはや、アンチのプロレス芸」と反論した。
 塩村氏は「芸」とみなしたことに関し、X上で「軽率だった」「私の認識がずれていた」と謝罪した。

東京新聞

しかし、謝罪後、X上で塩村氏を擁護しプロレス団体を批判する大々的なキャンペーンが張られます。ここには著名な野党系インフルエンサーも多数含まれていました。以下はあくまでその例です。

そして25日には、ホームページの問い合わせフォームより、塩村氏に対して殺害予告が来ています。

脅迫文の一部がたまたま雑に上塗りされていたこともあって、ここで犯人が自称していたのが堀口英利氏であることが明らかになりました。そこで、この犯人が、堀口氏と対立している暇空茜氏の一味であるとの憶測が流され、塩村さんに連帯するという大々的なキャンペーンが張られたのです。

この流れで、27日の爆破予告が来たのです。しかし、これまでのX上での激烈な反応とは異なり、なぜか支持者のによる塩村氏に対する擁護や連帯どころか、言及そのものが激減したのです。

危機意識が欠如した塩村氏と警察の対応

繰り返しになりますが、参議院議員会館への爆破予告は、それ自体が、国家中枢に対するテロです。しかも、「爆弾を仕掛けます」という予告ではなく、すでに「仕掛けた」(離党しなければ今後爆破する)という過去型なのです。

爆弾を仕掛けたというのが事実ならば、隣の部屋の自民党・佐藤正久氏や、すぐ上の公明党党首・山口なつお氏らの生命が危機に晒さる訳です。本来ならば、すぐに警察に通報の上で、参議院議員会館を封鎖し、捜索しなければなりません。

しかし、塩村氏本人は、なぜか「こうした嫌がらせは本当にやめてほしい」とイタズラと決めつけるような発言を行い、帰国後に被害届を提出すると言っています。少なくともこのFAXを受け取ったスタッフは議員会館にいるわけで、スタッフの生命を預かっているとは到底思えない悠長な対応です。

上記投稿から一時間半後、塩村氏はこの対応に対して、次のような補足投稿を行っています。

つまり、警察に相談したけれど、本人しか被害届を出せないと言われたので、帰ってから対応しますという訳です。

警察に対してどのように相談したのかはわかりませんが、爆弾が仕掛けられたという内容が正確に伝わっているのならば、この警察の対応は異常だと思います。

ちょっと考えてみてください。
首相が海外出張中に、首相官邸に爆弾を仕掛けたというFAXが届いたとします。官邸スタッフが警察に相談したら、「総理が出張から帰ってきてから被害届を出してください」と言われた―
そんな対応がありうるのだとすれば、あまりにも国家として危機意識がなさすぎ
ではないでしょうか。

はっきり言えば、首相官邸や国家レベルではなく、小学校や幼稚園に対する脅迫でも、この対応はありえないです。

実際、脅迫は非親告罪なので、本人ではなくても告発・通報ができるはずです。スタッフの生命が直接に危険にさらされているわけですし、塩村氏本人ではなくても、参議院議員会館の管理者・職員などは被害届を出せるのではないかと考えます。少なくとも、被害届が出なければ警察が動けないという案件では絶対にありえないはずです。

ちなみに、塩村氏はこの日、次のようにツイートしていますが、このツイートからは、恐怖心や危機意識などを汲み取ることは、残念ながら私にはできません。

塩村氏にしても警察にしても、本当にイタズラと決めつけるほど危機意識が欠如しているのか、それともイタズラであるという確信があるのか、本当に私には意味がわかりません。

私が警察に通報した顛末

ともあれ、警察に正しく情報が伝わっていない可能性、通報されていない可能性を考えて、27日の20時に、爆破予告に対して、私と妻が麹町警察署に通報しました。

簡単に経緯を説明します。私は大阪府内に在住しているのですが、110番して経緯を説明したところ、担当の方が「すぐさま連絡してほしい」と警視庁の窓口の番号を案内してくれました。

案内された番号に電話したところ、麹町警察署の緊急通報窓口に繋いでくれて、「参議院議員会館に爆弾が仕掛けられたと塩村あやか参議院議員がXに投稿している」と経緯を話しました。そうすると、「ここの電話は通報窓口で、すぐに警察に向かって欲しいと言う場所なのですが」などと、「情報提供ならよそへ電話してよ」とばかりの悠長なことを言ってきたので、「いやこれは通報です、すぐに参議院議員会館に向かって捜査してください」と伝えました。

担当者は、警察のこれからの行動については答えられないが、関係部署に連絡するということだけは約束してくれました。

どうにも悠長な対応ですが、ただ私たちが電話した限りにおいて、少なくとも通報窓口担当者からは、参議院議員会館への爆破予告について事前に知っている節はまったく感じられませんでした。

ともあれ、私たち自身が通報したため、「参議院議員爆破についてこれまでも今後も警察が一切知らなかった」ということはありえないことだけは保証できる訳です。

メディアがまったくこのニュースを流さない謎

しかしながら、塩村あやか氏への爆破予告について、Googleニュースなどで検索する限り、完全に一切の報道がなされていません。

Googleニュースで「塩村あやか」と検索すれば、394件のニュースが検索できます。11月下旬のプロレスや殺害予告の記事もたくさんありますし、中には、爆破予告当日のクレジットカード不正利用被害の記事もあります。

しかし、参議院議員会館への爆破予告の記事だけは、ただの一つも存在しないのです。

塩村氏への注目度から考えて、メディア関係者が爆破予告について知らないとは到底考えられません。少なくとも、赤旗の社会部部長はこの事件を認知しています。

しかし、赤旗からも、報道は結局ありませんでした。

これは、国家水準でのテロ脅迫としては、極めて例外的なメディア対応です。たとえば4月10日、衆参議員会館に「高性能な爆弾とサリン発生装置を大量設置した。21日の午後1時34分に大量殺人を決行する」というメールが国会に対して届きました。翌日に職員が気づき、国会の警務部などはすぐさま警戒にあたり、その日のうちに大々的にニュースになりました。

また、最近の話なので覚えている人もいると思いますが、11月24日に東海道新幹線で「車内に不審物がある」と110番通報があり、1時間新幹線を止めて車両点検をしたところ、弁当の空き箱だったという事件がありました。これも大きなニュースになっています。

こうした事案と比較しても、塩村氏に届いた参議院議員会館への爆破予告の件がまったくニュースにならないのはいったいどういうわけなのでしょうか。

政党も政治家もなぜか動かない

通常ならば、このような重大な脅迫を受けた場合、立憲民主党としては何らかの声明を出したり、所属議員やスタッフたちに連絡して待避してもらうなど、何らかの緊急対応を行うものだと思います。

しかしながら、私も含めて何人かが泉健太党首にリプライで周知したのですが、泉氏は一切なんの反応もしませんでした。

他の議員たちも、立憲民主党や党派を問わず、ほとんど何の反応をしていません。本当に日本の危機管理や国防は大丈夫なのかと心配になります。

唯一の例外が、立憲民主党の米山隆一氏です。私から、配偶者の室井佑月氏にTwitterでリプしたところ、すぐさま反応があって「ヨネに伝える」と言ってきたのですが、そのツイートに対して米山氏は次のように答えています。

「多分警備の方では警察は動くというか安全確認はしていて」というのはあくまで憶測であり、米山氏自身が確認を取っている訳ではなさそうです。

世にも奇妙な支持者の静寂

さらに不可解なのは、先日まで「塩村さんに連帯します」と大々的にキャンペーンを張っていた支持者たちです。完全に統制が取れているかのように、インフルエンサーたちも含めて、沈黙を守り続けているのです。

たとえば、塩村氏の殺害予告やプロレスの件について懸命にツイートしていたはずの渡辺輝人弁護士は、塩村氏の当該ツイートをリツイートしただけで、それ以後は塩村氏に対する一切の言及がありません。尾張おっぺけぺー氏もそうです。あらゆるインフルエンサーが奇妙にも沈黙を守り続けているのです。

それどころか、爆破予告を深刻に受け取り、関係各所に警告を流そうとする私や友人たちを揶揄する支持者たち(複数形)まで出てきている始末です。

たとえば、プロレスの件ではこんな風に団体オーナーに対して絡んでいたmold氏ですが。

なぜか私に対しては、「あなたが警察に言えば?」という冷笑的な態度を取ってきたのです。

それに対して、僕が警察に連絡した旨伝えたら、なぜかブロックされた上で、こんな捨て台詞を吐かれました。

mold氏のこの対応が、塩村氏を真剣に心配しているようには私には思えないのですが、なぜ警察に通報した私がこんなことを言われなければならないのでしょうか。

本当に何がなんやら意味がわかりません。

最後に

参議院議員会館への爆破予告は、それ自体が国家中枢に対するテロ行為であり、多数の国会議員の生命に対する脅迫です。決して許されることのない犯罪であることは明白です。

にも拘わらず、塩村氏本人も警察も、他の議員も政党も、メディアも支持者も、ほぼ完全に沈黙を守り続けています。しつこく何度も言いますが、本当に世にも奇妙な話で、まったく意味が私にはわかりません。

あたかも、みんな誰が真犯人なのかアタリがついていて、その人を守ろうとしているかのようにすら思えてきます。

この事件は、サルが適当にタイプライターを打ったというのでもなければ、どこかに必ずこの文章を作った真犯人が存在するはずです。その犯罪は決して許されてはならないものです。

脅迫された塩村氏は本当に気の毒ですが、まだ爆弾が残っている可能性があるので、速やかに警察に通報していただいた上で、(捜査されない可能性がある被害届ではなく)刑事告訴していただいた上で、できるかぎりの経過報告をしていただきたいです。

警察には、全力で捜査に当たっていただきたいです。

すでに捜査済みで、不審物がなかったのなら、そのむね関係者は報告してほしいです。

厳重に警備されているとはいえ、議員会館は多くの国民が国会議員に陳情に行く場所でもあります。安全が確認され、広く国民に伝えられることは、健全な民主主義にとって何より重要なことのはずです。

すみやかに真犯人が捕まることを心から祈っております。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?