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基本無料ゲームの世代変遷の話

最近、ちょっとずつ基本無料と呼ばれるアプリの形も変わってきているなというように感じています。ちょっとずつ、基本無料と呼ばれるようなゲームが出始めたのが20年近く前でしょうか。それが今では当たり前のように無料から遊べるゲームがたくさん並んでいますね。

僕もそんなに昔からこの業界にいるわけじゃないんで、抜け漏れありそうですが、基本無料と呼ばれるゲームがどんな変遷をしてきたのかちょっと並べてみました。ツッコミある人はどんどん指摘ください。
海外のところまで見れてないので、日本国内のイメージでいます。

第1世代 アバター課金

記憶にある範囲でメイプルストーリーが最初の世代かと思います。ハンゲームも同様の時期ですね。

この頃は、キャラクターの見た目が変わるというところで販売していました。多くの人とコミュニケーションを取るということで、自分自身の見た目にお金を払わなきゃという感覚の時代ですね。
この頃はアバターは本当に見た目だけで、それにより強くなるというPay to Win要素はありませんでした。

第2世代 ガチャ課金

アバター課金の延長ですぐにガチャ課金も現れています。この頃もまだPCゲームでマビノギスカッとゴルフパンヤなどでしょうか(僕もパンヤはたくさん遊んだ)。

この辺りから、ガチャで出てくるものに実際に強さが振られ始めて、ちょっとずつ課金額と強さが結びつく要素が出てきています。
パンヤだとゴルフクラブが出てきたりとか。ただ、それだけで決まるほどでもなくまだまだ、課金額≠強さというようなイメージでした。

第3世代 携帯ゲーム

この辺りから、ガチャ課金スタミナ制といった物が流行っていきます。またコレクション要素と競争を意識したのもこの時代からでしょうか。
怪盗ロワイヤルなど、携帯電話でゲームをする事が増えてきました。
とにかく、携帯を常に触っていて、誰かとの競争心を煽られていた時代。
このころはランキングとギルドという言葉も流行っていた印象です。

スタミナ回復を飲みながらマラソンするという世にいう札束で殴り合うと言われていた時代がだいたいこの辺り。

第4世代 カードバトル

ここから一気に課金額=強さという色が強まっていった印象です。
前の世代に加えて、強化合成・限界突破という言葉が定着していきました。話題になって後に禁止されるコンプガチャが隆盛した時代ですね。
また、スタミナ回復マラソンもまだまだ続行中でした。
この頃も、まだまだフィーチャーフォンがメインでブラウザを起動してゲームをしていた時代。
Webサービスを行っていた会社がどんどんとゲームに参入していった時代で、ゲーム会社がとても増えた印象です。短納期低予算でゴリゴリ開発が進められて、基本無料ゲームを作っていた会社が最もブラックだった時代かもしれません。
ポチポチゲー、5ボタンだけ押せばいいと言われていた記憶があります。

第5世代 スマートフォン移行

フィーチャーフォンで遊んでいたところから、ちょっとずつスマートフォンへの移行が始まりました。この頃から、ゲーム性をもっと入れていこうと遊びの部分のバリエーションが増えてきました。

有名なところだと、パズドラのようにバトル部分に3マッチパズルという要素が入りました。

また、フィーチャーフォンのゲームでも遊びの要素が増えていって、今でも残るゲームシステムが生まれたのもこの時代。
ドラゴンリーグは今でもとても流行っているゲームで同様のシステムが採用されていますね。

第6世代 確率表記

このあたりでコンプガチャが話題になり規制がされました。各団体が独自にガイドラインを出しています。消費者庁からもアナウンスが出ましたね。

海外ではガチャそのものが賭博だから禁止!とされて、VIP課金が最初からメインだったり、ルートボックス禁止とされたところもあったのですが、日本では絵合わせに該当するとしてコンプガチャが禁止されました。

射幸心を煽るという事そのものが良くないとされた時代です。

ここから確率表記がなされるようにもなりました。今思うと、どのくらいの確率で出てくるのかもわからないまま、回してたというのも凄い時代でしたね。

ここからユーザー自身どのくらいのお金を使えば、どういう体験ができるのかというのが予測しやすくなってきました。

第7世代 LTV予測可能

そして、ここから今に至るのですが、最近のゲームの特徴は遊ぶ人が自分で、いくら使えばどういった体験ができるのか(Life Time Value)を予測できるようになってきました。
Fortniteなどのバトルパスやアバター課金などがわかりやすい例でしょうか。

いくら払えば、何が手に入るのかというのが、購入前から明確にわかります。これらは、Pay to Funでお金を払ったら強くなれるわけではなく、より楽しく遊べるというタイプのゲームの特徴的な動きですね。

また、Pay to Winと呼ばれる強さに結びついてしまうゲームでもガチャに天井を付けたり、何回まわすと好きなキャラと交換できる要素ができたりと、課金額の上限値という形で入手可能にするという形式を取り始めました。
(そう言えばグリムノーツは比較的早く入れた気がします)

こうすることによって、青天井ではなくユーザー自身がどのくらいお金を使うのか事前に決めやすくなってきています。
これはもしかすると、Netflixなどのサブスクで体験予測が容易なサービスの流行による消費者行動の変化にも影響があるかもしれませんね。


といった感じで、ざっとまとめてみました。
厳密には、PCストラテジーとか、中韓系の課金システムの流入とか、もっと細かく分けることもできるんですが、大きな流れとしてはこういう形でしょうか。

最近のユーザー自身がLTVを自分で予測できる状態でお金を使えるというのは良い傾向だと思っていて、ここが不透明だったり、なんとなく煽られて使っちゃうというのは、どうにも微妙な事だと思うんですよね。

いつの時代も、すきの多い人をターゲットにしてお金を集める事を「ビジネスモデル」なんて呼んじゃう人もいますが、とある芸人さんの言葉を借りると「捕まってないだけの詐欺師」って感じがしますよね。

必ずしも期待通りとはいかないかもしれないですが、それでも遊ぶ人が自分の体験と支払うお金とを天秤に掛けて、納得して使うという形になっていくと良いなと思っています。
その中で楽しい「遊び」ができるといいですね。
ガチャという遊びが好きでガチャという行為にお金を払いたいって人もいるとは思うので、そういう方はお気をつけてほどほどに!


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